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機関紙るうてる

るうてる2011年12月号

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説教「今わたしは主の救いを」

主よ、今こそあなたは、お言葉どおり、この僕を安らかに去らせてくださいます。わたしはこの目であなたの救いを見たからです。  ルカによる福音書2章29~30節

 広島県にはエリザベト音楽大学という学校があります。この「エリザベト」は、聖書に出てくる女性のエリサベトに由来しています。すなわち、ルカ福音書の初めにある降誕物語で、洗礼者ヨハネの母となった女性、そして主イエスの母であるマリアと縁戚関係にあった女性がエリサベトでした。
 アドベント・クリスマスの季節、必ずと言ってよいほど読まれるルカの降誕物語ですが、その全体、つまり1章の初めから2章の終わりまでを通読してみるのもお勧めかもしれません。
 そうすると、ここには五人の主要人物が登場していることが分かるでしょう。登場順に挙げるなら、ザカリア、エリサベト、マリア、シメオン、アンナです。そして、大変興味深いことは、マリアを除く全員が高齢者であることです。たとえば女預言者アンナは、「夫に死に別れ、八十四歳になって(2章37節)」いました。
 これに対してマリアはおそらく十代の女性だったでしょう。日本の童謡にも”十五で姐(ねえ)やは嫁に行き”とあるように、婚約も結婚も適齢期でした。世代的に考えるなら、4人の高齢者たちにとってマリアは孫娘みたいな存在ですね。
 それからもうひとつ興味深いことは、この4人が全員エルサレム神殿関係者だったことです。ザカリアは祭司で、その妻エリサベトも祭司の家系(アロン家)に属していました。また、メシアの降誕を待望していた信仰篤い老人シメオンも神殿の中でマリアたちと出会っています。アンナに至っては、「神殿を離れず、断食したり祈ったりして、夜も昼も神に仕えていた(2章37節)」と書かれているほどです。
 ルカ福音書を読んで驚かされることのひとつは、この福音書が旧約聖書の香りに満ちていることです。そのことは、その降誕物語についても言えるでしょう。たとえば、「ザカリアの預言(1章)」、「マリアの賛歌(1章)」や「シメオンの賛歌(2章)」に、私たちは旧約のみ言葉の響きを十分聞き取ることが出来るのです。
 さて、降誕物語のひとつの主題は”新旧の交代”であると言えないでしょうか。シメオンの賛歌「主よ、今こそあなたは、お言葉どおりこの僕を安らかに去らせてくださいます」は、幼子イエスを腕に抱いた時に湧き出た感激でした。彼はもう何の後顧の憂いもなくこの世を去ってゆけるのでした。ところで、「お言葉どおり」と述べたシメオンの確信は、「今これから起きようとしている新しいことは、もうすでに起きていたことである」というものではなかったでしょうか。それは彼の長い人生を振り返って断言できることだったはずです。
 ”新旧の交代”、それは私たちの教会にもあてはまる言葉かも知れません。教会には、マリアの世代により近い方もおられるでしょうし、エリサベトやシメオンに近い方もおられることでしょう。”後顧の憂いなく”は、どちらの世代にとっても大切なことです。そしてその根拠を求めるなら、「これから起きること」と「すでに起きたこと」ががっしり手を握り合うことではないでしょうか。
 ところで、降誕物語の4人の高齢者たちは旧約聖書の世界を代表し、マリアは新約聖書の先駆け的存在となっていました。物語はこの”新旧”が親しく笑みを交わしながら進行してゆきます。そして、それがそのまま聖書のクリスマスだったのでした。
 イエスの言葉にも「神は天地創造の初めから(マルコ福音書10章6節)」というのがあるように、神の創造の目的からクリスマスを考えてみる。そのような作業もぜひお勧めしたいと思う次第です。

三原教会・福山教会牧師  白髭 義

ルターによせて(8)ルターの家のクリスマス

ルターが自ら作詞作曲した讃美歌は三十数曲あるが、その中でドイツ人が特別に愛唱してやまないクリスマスの歌が「あめよりくだりて」(教会讃美歌二十三番)だ。
 この歌はどのようにして生まれたのだろう。
 讃美歌集での作詞年は一五三五年だが、その前年は記念すべき年だった。生涯の一大金字塔とも言うべき聖書の旧新約全巻の翻訳を完成、出版し、十二月には六番目の末娘が生まれた。その年のクリスマスは喜びに満ちていた。・・・降誕祭の礼拝後、家路の途上、ふと静かな夜空を見上げると、常緑樹の枝越しに無数の星が輝いていた。その美しさに打たれた彼はその情景を子供達と分かち合うために、家の中に樹木を持ち込んで、火を灯したロウソクを枝にくくりつけ(それが、ドイツでのクリスマスツリーの始まりとされている)、子供達を呼び集めて得意のリュートを爪弾きながら、湧き上がる詩想から生まれたばかりの「あめよりくだりて」を、当時の世俗曲のメロディーで聞かせた。翌年、彼はその歌を書き留め、最も著名なクリスマスの讃美歌の一つが後世に残された。・・・
 クリスマスの歓喜の時が皆様の上にも訪れますように!

牧師の声 私の愛唱聖句

板橋教会牧師  鷲見達也

 さて、信仰とは、望んでいる事がらを確信し、まだ見ていない事実を確認することである。
ヘブライ人への手紙  11章1節

 私は、大学一年生のときに洗礼を受けることを牧師から勧められました。しかし、決断することが怖くなり、教会を一時離れました。その間、善光寺での「青年のための仏教講座」などに出たり、学生運動に携わって、敢えて左翼の学生達と過ごす生活を過ごしました。その後、しばらく時間を置いた後、キリスト教への関心断ちがたく、再び、教会に足繁く通い、大学での聖書研究サークルに入りました。
 そして、私は大学三年生、二十歳のクリスマスに日本基督教団長野県町(あがたまち)教会で洗礼に与りました。それは、授洗牧師が「聖書が分かったら洗礼を受けようと言っていたら、一生洗礼は受けられない。洗礼というものは、わからなくても良いからここから出発するのだという思いで、神を信じさせてくださいという気持ちをはっきりさせられれば良い」と言ってくださったからです。それによって私は洗礼を受ける決意をしたのです。しかし、その時、聖書や神のことが分かって受けたという感じは持っておりません。
 教会の副牧師(伝道師)が、不安を持ちながら洗礼を受ける私のことを気遣ってくださったのでしょう、洗礼のお祝いの色紙に、ヘブライ人への手紙11章1節の言葉を書いてくださいました。口語訳聖書の言葉でしたが「さて、信仰とは、望んでいる事がらを確信し、まだ見ていない事実を確認することである。」
 今になって思いますと、体験的にも、この言葉は本当にこの通りだと思います。
 信仰とは、分かったから、とか、あるいは「しるし」を見せてもらえれば、というものではなく、分からないままに洗礼を受けた私のようなものにも、長い教会生活を経る中で、信じられなかった復活というようなことも徐々に確信させてくれ、確認することが出来るようにしてくれたと思います。これこそ、目に見えませんが、聖霊の働きだと思うのです。

信徒の声 主に愛されて

久留米教会  里村朝子

  私が教会の門を初めてくぐったのは、一九五七年、十六歳のクリスマス祝会の日でした。新聞の広告欄に数行、「田主丸教会でクリスマスの祝会を行いますので、どなたでもどうぞ」という記事に引き寄せられて、何の躊躇もなく初めて教会の門をくぐりました。
 私は生来自他ともに認める不器用で何の取得もない人でしたが、その時の説教の中でイエス・キリストの父なる神は、どんなに小さい取るに足らないものでも愛してくださる。とのお話を聴き、私のような者でも愛して下さる方がおられることを知り、聖書の御言葉に魅せられ、教会に集う者となりました。
 結婚を機に教会を離れた時もありました。サラリーマンでノンクリスチャンの夫は、日曜日は家でくつろぎます。そんな夫を放っての礼拝への出席は思うに任せませんでしたが、平日に行われる、定例の聖書研究会や女性会での聖書の学びと、姉妹方との交わりは、最高に嬉しく大切な恵みの時でした。私の信仰は、女性会を通して育まれたと確信しております。
 久留米教会では芙蓉の会と称して、月一回、教会員に限らず、地域の方々もお招きして楽しい会を開いております。会の始めに牧師先生より解り易く聖書のお話をしていただき、そのお話に関連して、身近に起こった事等を吐露することができる、そんな心を開いた交わりにもなっています。また、四季折々にお花見や、温泉に行ったりと女性会とは違った楽しみの交わりの会です。
 そのようにキリストに思いを寄せた方々も高齢になり、施設に入所され、自分の力で礼拝に集えなくなっている現実があります。
 その現実を思う時、教会の傍に、高齢者の施設が備えられればと、切に願っております。グループホームとか、宅老所等々、小規模なものでも、安心して老いることができる処を。
 神の家族として、最後まで、キリストの香り漂う処に居たいのです。そのような思いが、九州教区女性会の「シルバープロジェクト」に込められていると思います。

フィンランド 教育事情

クリスマスの喜び

 12月はフィンランド語でヨウルクー、つまりクリスマス月(づき)と呼ばれています。学校は秋学期の最後のテストで最も忙しい時期ですが、名前の通りに、クリスマスのイベントで一杯です。家庭科の授業でクリスマス料理をしたり、美術と手芸ではクリスマスカードや飾りなどを作ったりします。学校の給食には伝統的なクリスマス料理が必ず一度提供されます。また、教会で学生のために用意されたクリスマス礼拝に出席します。
 秋学期のクライマックスは学校のクリスマス祝会です。それは春の終了式のように大きい行事で、特に小学生の家族は参加するのを心待ちにしています。みんながクリスマスツリーと蝋燭などできれいに飾られた体育館に入るために、クリスマス祝会が二回催される学校もあります。そのために、12月に入ると先生たちは自分の受け持ちの生徒たちと共にクリスマスの音楽、歌とダンス、またサンタクロースについての楽しい劇を一生懸命準備します。
 しかし、プログラムには古くからクリスマスの本当の喜びについて語る福音と讃美歌も含まれています。なくてはならない讃美歌は日本の教会讃美歌にも入っている23番です。「天よりくだりて嬉しきおとずれ救いの恵みをたずさえ来たりぬ」。この讃美歌の作詞者のマルティン・ルターは歌を通して自分の子供たちにクリスマスの物語を分かりやすく説明しようとしたと言われています。この讃美歌を通して、ルターは知らず知らずのうちに多くの子供たちに良いクリスマスプレゼントを贈りました。クリスマスの本当の喜びはみんなに与えられたものです。今年、子供たちも連れて教会でイエスの誕生日を一緒にお祝いしませんか。
Paivi Poukka,ポウッカ・パイヴィ スオミ・キリスト教会

日本福音ルーテル教会の社会福祉施設の紹介 その18「グループ・ラム」

施設長 廣田正勝

 グループ・ラムは、障がい者の就労訓練の場として「就労支援B型」事業を行っています。現在は、知的・身体・精神障がい者が対象で、20歳から60歳までの16名が通所の利用をしています。
 ラムは「心に病を持つ人たちの居場所」として始まりました。家は出たけれど、校門に入れず行き場のない不登校の少年たちに心を痛めた安井仁美さんによって始められました。 自宅を開放して自由な時間と場所を提供し、一人ひとりに向き合い耳を傾けられました。
 1985年に始まったこのフリースペースは、心に病を人たちの間に次第に知られるところとなり、手芸やものつくり、ゲーム、ビデオ鑑賞、居眠り、読書、話し合い、相談等々の人たちが集まりました。時間の緩やかな流れが何よりのお気に入りでした。ボランティアの申し出、近隣福祉事業者による財政的基盤についてのアドバイスなど支援の輪が拡がります。
 やがて、作業所となり、「ラム工房」を経て2002年「社会福祉法人グループ・ラム」を設立しました。「精神障害者地域生活支援センター」として、認可された「重荷を負う人たちの居場所」を開始します。
 設立には、日田市内キリスト教会の教派を超えた支援がありました。安井元一(理事長・ルーテル日田教会代議員)・仁美夫妻の「小さなものを一人でも軽んじない」(マタイ福音書18・10)信仰による強い信念が共感を得て、全国のルーテル教会に献金が呼びかけられ、実現しました。
 軌道に乗り始めた3年後、自立支援法によって『B型』事業に移行しました。規制された生活リズムを苦手として再び自宅に閉じこもる人が増え、今では利用者の多くが知的障がい者です。
 自立支援法の目指す「入所者の地域移行」とは逆行の実態があり、支援サービスがなく、待機する重度の障がい者がいます。定員を拡大し、これらのニーズに応えたいと「生活介護事業」と共に多機能型に移行する準備を進めています。

私の本棚から
クレア・キップス著 梨木香歩訳『ある小さなスズメの記録』文藝春秋、2010年

 ところはロンドン、時代は第二次世界大戦をはさんだ約十二年間の実話です。著者であるキップスの掌中に瀕死から救い上げられ、十二年と七週と四日を共に生き、彼女の温かい手の中で命を終えたスズメ、クラレンスのおはなしです。

 「一九四〇年の七月一日、この時期としては陰鬱でいくぶん肌寒い日」、「玄関前で明らかに瀕死の状態にある、丸裸で目も見えていない、おそらく数時間前に生まれたばかりなのだろう小鳥を見つけた。」「数分ごと、小さいのどに温かいミルクを一滴垂らし込んだ。」「この小鳥は夜のうちに死んでしまうだろう。私は諦めながら眠りに就いた。」「翌日の早朝、(中略)信じられないほどか細い、けれど幸せそうな、(中略)声だった 。 なんとそこには、小さなかわいい生きものが、(中略)、熱烈に、と言っていいほどいきいきと生命力に溢れ、朝食をねだって鳴いていたのである。」以上は冒頭一頁から三頁までの抜粋です。

 キップスはクラレンスを拾い上げた時、食べ物が自分で取れ、飛べるようになったら、自然に帰そうと思っていました。しかし、右の翼と左足に障がいがあることがわかり、自然に帰すことを止しました。 クラレンスは、オルガン奏者の夫と若くして死別し未亡人となったキップスに寄り添い、第二次世界大戦中には避難所へ逃れて来た人々をかわいい芸やすてきな声で慰めました。歌うようなクラレンスの囀りは、キップスの弾くピアノを聞くうちに自然に備わったとされています。キップスは牧師の娘でした。
 あちこちに挿入されているクラレンスのモノクロ写真がなんとも愛らしい。キップスは、序で、「ぼろぼろの翼とばさばさの尾が写っている。(中略) 不思議なのだが、彼が自発的にとった格好や、雰囲気、表情は、掲載用の写真としてこうあってほしいと思われるそのままをあらわしていた。」と書いています。まことにそう思える写真ばかりです。原本は一九五三年にイギリスで出版され、日本では昨年に再翻訳されました。

 クラレンスはキップスへの神様からのプレゼントだったのではないでしょうか。

熊本教会員、九州ルーテル学院大学図書館司書 水谷江美子

TNG

松本教会・長野教会牧師 佐藤和宏

 2001年2月、議長、宣教室長をはじめ、各教区教育部長が京都に集まり、会議が開かれました。会議の名称は「次世代を育てる委員会のための教育部長会議」となっています。前年11月の全体教会常議員会における決議事項を具体的に実行するためです。こうしてTNGは産声をあげました。  TNGとは、”T The Next Generations “の頭文字で、日本福音ルーテル教会の宣教方策のうち「次世代への伝道と育成」を担っています。
 それから10年、TNGは皆さんのお祈りとお支えによって、子どもたちの歩みに寄り添ってまいりました。現在、幼児、子ども、ティーンズ、ユース、そして翻訳プロジェクトに分かれ、それぞれ次世代のために活動を展開しています。
 恒例となった全国春のティーンズキャンプ(春キャン)が来春も開催予定です。夏には5、6年生を対象にしたルーテルこどもキャンプが開催されます。全国の仲間と出会うことは、子どもたちにとって喜びになっていますし、こどもキャンプからティーンズキャンプへ、そしてスタッフへとつながりも出てきているのは、私たちにとっての喜びです。しかし大切なことは、子どもたちが教会にいかにつながるかということです。若いスタッフが与えられることは、私たちにとって大きな喜びですが、いかに教会につながるかは私たちの願いです。結果はすぐに出ないでしょうが、祈りつつ過ごしたいと思います。また、教会の皆さんのお祈りが不可欠です。全国の仲間に出会うことも大切ですが、何より地元の教会の皆さんが、子どもたちのために祈り、声をかけあるいは耳を傾けてくださることも欠かせない次世代宣教なのです。
 TNGの働きは、教材やプログラムを提供することが中心になっていますが、各教区、各教会で子どもたちに心を寄せている皆さんと歩みを共にできればと願っています。ぜひ、皆さまからの声をお寄せください。メールはtng@jelc.or.jpまで。
 また、TNGについてもっと知りたい方は、http://www.jelc.or.jp/tng/(JELCのホームページに入口があります)まで。

救援対策本部レポート

ある晴れた日の石巻の空の下で

総会議長 渡邉純幸

 10月21日早朝、NRK総会議長の粂井豊牧師、JELC副議長で、ルーテル教会救援対策本部長の青田勇牧師、そしてと私の3人は、「るうてるとなりびと」スタッフの抱井昌史氏の運転するワゴン車に乗り、一路石巻ボランティアセンターへと向かいました。そして、センターを通して、石巻市万石町にある牡蠣やホタテなどを取り扱っている水産物卸問屋「マルセ秋山商店」というところに、ボランティアとして派遣されることになりました。 
 この秋山商店の工場がある万石浦は種牡蠣で全国的にも名の知れたところで、広島の牡蠣のほとんどが、万石浦の種牡蠣をもとに養殖されているとのことでした。
 私たちが派遣された秋山商店での仕事は、東日本大震災で地割れし、沈下し、使用不可能となった工場を取り壊して新しく立て替えるために、工場内にある荷物を別の場所に移動させるというものでした。その日は午前中2時間、午後2時間半の作業をしました。
 手慣れたフォークリフトとトラックを駆使して作業効率を図るお店の専務と違って、私たちは慣れない作業に戸惑いながら、日頃使わない身体の筋肉を動かしたのでした。しかし、それぞれが少しは体力に自信が持てた思いがしました。
 話によると、20人程いた従業員を解雇し、家族で震災の後片づけをしていたが、迫り来る工場の取り壊しに間に合わなくなり、初めて石巻ボランティアセンターに数人のボランティア派遣を依頼したことから、この派遣が実現しました。専務さんは、一日も早く元の従業員も含めて事業を再開して地域に雇用の場所をつくりたいと静かな口調で言われました。
 特に印象に残ったのは、彼自身が今回の私たちのボランティア派遣をとおして、「自分もまた大変な被災地の人々の応援を一人のボランティアとして奉仕したい」と言われたことでした。被災者である彼自身が、なお被災地への、被災者への熱い思いを持って、復興へ向けて歩まれている姿を目の当たりにして、爽やかで心地よい疲労を抱きつつ三人は、その地を後にしたことでした。

(JLERは、2014年3月まで救援活動を続けてまいります。これまでのご支援に感謝すると共に、これからもご支援とご協力を、特にお祈りにお憶えくだされば幸いです。)

第5回常議員会報告

 11月7日~8日、市ヶ谷センター会議室にて第24回総会期第5常議員会が行われました。本年の6月に行われた常議員会から、1泊2日の会議として期間を短縮した。そのために、報告書・審議申請書を1週間前にネットで事前配信するよう体制を整えてきた。前もって読まれているということで、報告の時間が短縮され、審議・協議に時間が持てるようになった。
 おもな提案事項は、12年度の教職給与、ならびに渡邉総会議長から12年度以降の期末手当の提案がなされた。教職給与に関してはベースアップなし、 定期昇給のみが財務委員会から提案され承認された。また、期末手当は渡邉議長は、現行の4.5ヶ月分の支給を当面継続することを提案し、承認された。
 協議事項として、教職転任費積立制度要綱の改定を扱った。そこでは、12年度人事異動については現行規定を基本に微調整をし、執行する。今後は全教会負担制度を取る方向で、今後1年間をかけて検討を行うことにした。なお、以下の点を考慮し、検討を行う。1、交代人事の頻度の高い教会の負担過重を考慮するならば、任意加入制度ではなく、全教会負担制度の方が公平となる。教会ごとの財政規模別、且つ、継続的な負担制度とする。2、 財政規模別の負担額を目指すとして、現負担額よりもかなりの低額に変更することを目指す。
3、規定適用において、単純明確化し、且つ、予断の入る余地をなくす方向を目指す。
 その他、徳弘浩隆ブラジル派遣宣教師の一時帰国、宗教改革500年記念事業などが協議された。信仰と職制委員会に対して「原子力発電所に関する見解」の答申を行うこととした。また今回は宣教室がまとめている「第6次総合方策」について青田宣教室長が説明をし協議した。議場からは、各教会が主体であるならば、各教会の意見を聞いたほうがよい。方策の期間等の具体的な行動計画を挙げるべきである。Power Mission21の関係者の意見を聞くべきである。何が目玉となるのかわかりにくい。文章の表現を再検討してほしいなどの意見があった。挙げられた意見を反映させつつ、宣教方策作業部会にてさらに検討し、来年2月開催の次回常議員会に再度提出することとした。
 また、定期総会日程について、前回総会にて決議された日程は2012年5月3日(木)~5日(土)であったが、土曜日に主日礼拝を行う教会があること、また、祝日の3日間が総会となり、教職・信徒から変更要望があった。そのため、第25回定期総会の日程を2012年5月2日(水)~4日(金)としたいとの提案がった。教師会総会との日程調整、定期総会初日の開始時間の調整等を協議する必要があるが提案通り承認された。
 J3プログラムの体制変更により、東京の本郷学生センター及び文京カテリーナは来年1月から赴任することとなった。熊本の九州ルーテル学院及び九州学院は、来年1月~3月までは研修・教育実習期間に充てられ、4月から赴任することとなる。宣教師・J3オリエンテーション・ケア委員会の推薦に基づき、次の4氏を各施設・学校へ派遣することを人事提案し、承認さた。Chatelain, Mr. Lucas (シャテレン・ルーカス氏)派遣先:本郷学生センター、文京カテリーナ(2012年1月1日付)Meers, Mr. Patrick (ミアーズ・パトリック氏)派遣先:九州ルーテル学院(2012年4月1日付)Letofsky, Ms. Lisa (レトフスキー・リサ氏)派遣先:九州学院(2012年4月1日付)Letofsky, Mr. Larry (レトフスキー・ラリー氏)派遣先:九州学院(2012年4月1日付)。
 次回、第24回総会期第6回常議員会は、2012年2月20日(月)午後3時~22日(水)午後12時、ルーテル市ヶ谷センター第1会議室にて行われる。

2011年度    ルーテル「連帯献金」のお願い

 日本福音ルーテル教会は2011年度の「連帯献金」の特別指定献金を以下のように決め、各教会へご協力をお願いしています。クリスマス献金等、教会のご協力とご支援を、重ねて、よろしくお願います。

日本福音ルーテル教会         宣教室

■指定献金[ブラジル伝道]
■指定献金[喜望の家]
■特定献金[メコン流域支援]
 日本福音ルーテル教会は「メコンミッション活動」として、メコン川流域の人々のための宣教・教育・奉仕事業を香港、シンガポールのルーテル教会と共同で展開しています。今年度は、カンボジアのコンポン・チュナン地区の子どもたちへの食糧(100名、週5日分食事提供)、医療と教育(2,000名)の支援活動のために献金をお願いします。

■無指定献金[世界宣教のために]
 飢餓や内戦による難民状態にある人々や、突然の自然災害を被り、緊急の支援を必要としている人々の救援活動へ速やかに対応するために「無指定献金」を設けています。無指定献金の配分・送金先は本教会常議員会に委ねられています。

■特別救援募金「東日本大震災」

▼上記献金の送金先▼
 「連帯献金」を捧げてくださる場合には、それぞれの献金目的を郵便振替用紙に明記して、以下の口座に送金くださるようにお願いします。

郵便振替:00190-7-71734   名義:(宗)日本福音ルーテル教会

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