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るうてる《福音版》2009年12月号

機関紙PDF

バイブルメッセージ  翼はなくても……

いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。
日本聖書協会『聖書 新共同訳』ルカによる福音書2章14節

12月に入ると、今では日本の街でもクリスマス一色に飾り付けられてゆきます。クリスマスを彩るものには何があるでしょう? モミの木のクリスマスツリー、きらきらと光る星のオーナメント、色とりどりのローソク、そして……そう忘れてならないのは天使たちです。クリスマスはたくさんの天使たちが街を飾る季節でもあります。
いま私たちが街で目にする天使の多くは、白い服を着て翼があるか、あるいは裸の子どもに羽がついている、そんな姿をしています。そう、天使=翼なのです。だって、絵的にも、天使に翼がなければ、それは、ただの子どもや、ただの人ですから! それぐらい、いま私たちが目にする天使の姿と翼は切り離せません。
ところが……聖書に書かれたクリスマスの物語はどうでしょうか。実はそこに出てくる天使たちに、翼があったとはどこにも書いていないのです! それどころか、聖書の中に出てくる天使たちのほとんどは、翼のことなんかどこにも書かれていないのです。そう、聖書の中の天使たちは、ただの子どもや、ただの人の姿をしているのです。
聖書の物語に出てくる天使たちは、いつも突然現れて、そして役目が終わると突然去ってゆきます。天使にとって大事なこと、それは翼があるかどうか、見た目がかわいいかどうかなのでありません。そうではなく、役目あってこその天使なのです。突然に現れて、困っている誰かを助けたり、悩んでいる誰かに言葉をかけたり、悲しんでいる誰かを励ましたり、そしてまた突然に去っていく。それこそが天使なのです。つまり、役目を果たしている時しか天使は登場しないのです。
「天使」(エンジェル)のもとになった言葉は、もともとは広い意味で「使者」「使い」という意味を持っていました。それがやがて、特に「神の」使いを指すようになっていったのです。だから実は、神の使いとして働く者は、その役目をしている時、誰でもみな「天使」なのです! ただの子ども、ただの人だって、神さまの使いとして働く時、それはもう「天使」なのです!
だから、天使には本当は翼などいらないのです。誰かのことを思いやる時、誰かの力になろうとする時、私たちは誰でもみんな天使になれるのです。私たちが悲しい時、苦しい時に、声をかけ、助けてくれる人は、その瞬間、誰もがみんな天使なのです。
救い主が生まれたクリスマス、街を飾る天使を見る時、私たちの誰もが天使になれることを思い出すことができるのです。
L

イエスの生涯 【その6】幼子への贈り物
マタイによる福音書 2章11節

【祈りの言葉】
御子イエスさま。あなたの誕生に感謝します。いま、私たちのすべてをお受けください。

 

ナマステ、サンチャイチャ
ネパールワーカー楢戸健次郎先生

日本の医療についても、お話を伺いました。
Q. 日本の場合は患者さんに病院に来てもらうことが原則ですが、海外では違うのですか?
例えば手をケガして縫うと、また明日も来てもらうことが多いですが、そんな必要は本来ないのです。アメリカなどでは、抜糸の時に来てくださいというのが多く、そうすれば外来の数がずっと減ると思います。熱があったら来なさいといわれますが、そんな国は他にないと思います。普通は熱があっても3日は様子を見て、4日たっても熱が続くようなら、そこで初めて病院に来てもらいます。それが世界の常識なのです。というのもウィルス性の熱の場合はどうしても3日間はあり、4日目にはだいたい自然に下がってきます。その間に免疫力がつくのです。そういうことをちゃんと話して、「何か異常があれば電話で相談して、必要ならば往診する」とすれば患者さんは病院に来なくて済むのです。家庭医をしていた頃は、病院に来るとお金がかかってしまうので電話するように僕は言っていました。「日本の場合は電話での相談は無料だよ」と。アメリカの場合は電話で相談しても請求はあります。それだけの時間を使っていますから、それが普通だと思いますが、日本の保険制度ではそれがないのです。なので僕などは外来に来た人には待合室で話したりします。
システムの問題なのです。日本には24万人の医者がいますから(人口500対1)、充分機能すると思うのです。
しかし、日本の問題は医者の絶対数だけではないのです。
医療には役割分担があります。
大学病院というのは、三次医療と言って研究と教育を。病院というのは二次医療機関と言って、入院患者しか外国では診ません。日本は外来も診ますよね。
それから、僕たちがやっているプライマリーケアですが、診療所の医者などは外来と往診だけで入院患者は診ない、というのがだいたい世界の常識です。
で、その他に、その元になるのがセルフケアと言って自分の健康は自分で守るように医者は患者さんに分かりやすく病気の予防について説明します。そうすると75%の保険問題は、そのレベルで解決できます。
ところが、日本は出来高制なので、なるべく医者につなげるように指導しているのです。だから、患者さんが多くなってしまうのです。
システムがきちんとして、紹介機能がきちんと働けば、本当はプライマリーケアで約90%の保険問題は解決するのです。僕は内科も外科も小児科も産婦人科も何でも診るのですが、その中で本当に紹介しないとならないのは5~10%程度なのです。その5~10%以外の人もみんな病院に行ってしまうから、病院が混んでしまい待ち時間が増えてしまうのです。
以前は整形外科というと一人の先生が全部整形を診てくれました。もっと前は外科というと外科と整形外科を両方診てくれました。ところが今は手の整形、足の整形、腰の整形……と分かれていて他の分野は診ないのです。そうすると整形だけで、沢山の医者が必要になります。一人で足りていたところが、たくさん必要になりますから、絶対数も増やさないとニーズに応えられないというジレンマがおこります。
本来は、第一線の医者がふるい分け、トリアージ(症度判定)をしてきちんと的確に紹介していけば、今のような問題は大分解消されると思います。
(つづく)

毎日あくしゅ

わたしが勤めている幼稚園では、毎年クリスマスの時期に「祝会」をします。神様からいただいた身体と心をじゅうぶんに使ってイエス様のお誕生をお祝いします。具体的には市民会館の舞台の上で、クラスごとに劇、歌、踊りを披露します。お家の方々のご協力による、おそろいの衣装に身を包み、スポットライトの光の中で子どもたちが一生懸命に演じる姿に、毎年感動を覚えます。今年も楽しみです。

聖書が記すクリスマスの物語は単純素朴ですが、神様のぬくもりがあふれています。
■ベツレヘムへ
人口調査のため、身重のマリアとヨセフはガリラヤのナザレから出発します。100キロ以上の旅は、不安な旅であったと思います。わたしたちにも次から次へと難題が押し寄せてきます。不安と疲れを覚えつつ毎日を過ごすわたしたちと重なります。
■宿屋の主人
「こんな忙しい時に、妊婦さんのお世話までできないよ。でも、裏の家畜小屋ならあいているよ」。心にゆとりがあれば、困っている人を助けることができるでしょう。けれども自分を犠牲にしてまで隣人を助けることは難しい現実にわたしたちはいるのではないでしょうか。
■家畜小屋での出産
家畜のにおいのするところしか、マリアには出産する場所がありませんでした。神様のひとり子は、高いところにおられるのではなく、わたしたちの目線よりも低いところに来てくださいました。
■羊飼いへの知らせ
羊飼いは当時の貧しい人たちの代表です。救い主のお生まれは華やかなところではなく、関心を持たれない貧しい人たちに、天使が知らせてくださいました。神様は心の貧しいわたしたちのもとに、イエス様のお誕生を知らせてくださいました。赤ちゃんイエス様はわたしたちに微笑みかけ、あたたかい光で照らしてくださっています。

クリスマスおめでとうございます。
(園長)

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