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るうてる《福音版》2009年9月号

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バイブルメッセージ  ありがとう

イエスは言われた。「なぜ怖がるのか。まだ信じないのか。」
日本聖書協会『聖書 新共同訳』マルコによる福音書4章40節

ありがとう。何が?
新しい目覚めはどこから来るの? 今、あなたの周りにいる家族は? あなたの命は?あなたの笑顔は? あなたに与えられていないものなんてどこにあるの? もらった時は何て言う? 「ありがとう」だよね。
新しい目覚めをありがとうございます、ってさ。毎日言えることってすごいよね。
末期ガンの父は朝、目覚める度に叫んだ。「うぉー」って。「オレは今日も目覚めたぞ、生きてるぞ」って。
「明日なんか来なければいい」と思って眠りについた時……。「明日が早く来ないか」と思って眠りについた時……。「どうして……夢ならいいのに」と思う現実の中にいるあなたにも、同じような目覚めが与えられる。かけがえのない今が与えられる。
もし、1日が悲しみでもなく、怒りの中ででもなく、「ありがとう」で始まるのなら。もしいっぱいの感謝から始まるのなら、どんな1日になるのだろう。
あなたが出会う一つひとつの全てのものが与えられていることに気付くでしょう。光も風も自然も全てが。1日が感謝で溢れるでしょう。
こんなことに出会いたくなかった……と目を覆いたくなるような現実も起こるかもしれない。きっと、たった1人だったら逃げたくなる現実がある。
でもね、あなたは1人じゃないんだよ。共に泣いてくださる方がおられるんだ。あなたのために祈ってくださる方がおられるんだ。
だから逃げなくていいんだ、ここにいていいんだよ。
新しい目覚めも、命も全てが与えられている。
なぜ?
それはあなただから。
あなたを信じている方がおられる。あなたを待っている方がおられる。その方は、遥か遠くから手招きしてあなたを大声で呼ぶのではなく、あなたが声にならないうめきでしか叫べないときでも聴こえるくらい近くに、静かにあなたに語りかける声が確かにあなたに感じられるように、魂に寄り添ってくださる。
だから安心していていい。
あなた自身が信じられない時があってもあなたは信じられている。あなたが祈れない時があってもあなたは祈られている。
簡単なことだよ。「ありがとう」って伝えればいいんだ。
全てのことは、あなたに与えられている。あなたを一番大切にしておられる方から与えられている。あなたを大切にしてくれる方は弱っちい得体の知れないような方じゃない。あなたを大切にしてくださる方は、光も風も自然も全てを創られた方なんだよ。だから安心して。
あなたは生きてていいんだよ。
S

イエスの生涯

【その3】弟子を招くイエス マルコによる福音書 1章16~20節

【祈りの言葉】
主よ、あなたの働きへと
「来なさい」と召されるとき、
「はい」と応えることができますように。

人形制作/杉岡広子
http://www.bibledollministry.com/

ネパールワーカー楢戸健次郎先生 ナマステ、サンチャイチャ

Q. 貧困が大きな課題になるとのことですが、貧困を克服するには教育が大切になってくると思います。教育の普及はどうなっていますか? 例えば識字率などは?
A.識字率は統計では52%くらいです。ただ小学生の男女では識字率が違います。女の子は母親の手伝い、家事労働をしますのでどうしても学校に行く時間がありません。朝から水を汲みに行くにも1時間以上かかります。夜は動物の世話をします。男の子は母親が家事をさせません。それは大人になっても同じです。女性は朝から晩まで働きます。そのため田舎では小学生女子の卒業率は50%くらいといわれています。そうすると、どうしても識字率が下がってしまいます。
学校はたくさんあります。チョウジャリだけでも、病院から歩いていける範囲に十数校あります。公立のほか私立も4つか5つあります。お金がないのに私立があるのは、公立は資格を持つ先生が少なく、またネパールは時間にうるさくない国で、それは学校も先生も教会もそうなのです。1時間遅れで始まったり、2.3時間で帰ってしまったり、きちんと教えない、ということもあります。先生にも言い分があって、きちんと給料をもらっていないからというのです。これでは子どもの将来が危ぶまれると、私立の学校(月に300円ほどかかる)に行かせるようになってきているのです。一言で言えば教育熱心です。教育の必要性は認識しています。
それから貧困と関連したことですが、高校を卒業して成績が良く意欲があっても、お金がなくて上の学校に行けないということがあります。上の学校に上がれる子は、田舎にいくと5%ほどしかいないのです。
Q. JOCSではそういった子どもたちに奨学金を贈っているそうですが……?
A.JOCSの外国での働きは大きく2つです。1つはワーカー、人間をその国に送ることです。
JOCSではお金と物を持っていくことをしていません。「長期滞在型の海外医療協力」というのがキーワードです。そこに長くいて一緒に言葉を覚えて友達をつくり、問題を発見して、そこにある資源を使いながら、問題解決のために汗を流す。少なくとも10年くらい、そこにとどまります。3年4年ではものが見えてくるはずがないのです。「継続可能な協力とは何かということを考えて一緒にやってみなさい」と送り出しています。
もう1つは、その国の保険医療制度などはその国の人がやるのが理想ですから、奨学金という形で応援をしています。現在、96人ほどいます。今まで関係した国、ワーカーを送った国の人に奨学金を出しています。原則は相手団体の職員が対象でスキルアップ、レベルアップのためです。
ただし、それだけでは十分ではありません。有志の皆さんから預かったお金で、JOCSの奨学金の枠からもれるけれど、その地域の保健医療を担いたいという人に奨学金を出して応援しています。1年間に3人です。家が貧しい人、必ず地域に戻って保険医療を担うこと、仕事に就いたなら毎月奨学金の5%を返金すること、そして、それを元に次の奨学金にしていく……。そういうことをスタートさせています。
しかし、問題は卒業したあとの仕事場がないことです。今後はそのことを考えていかないといけないと思っています。
(つづく)
写真提供:JOCS http://www.jocs.or.jp/jocs/index.html

毎日あくしゅ

「ぼくのお父さん?」

朝日が昇るころ、島から一隻の船が出ます。施設の子どもたちが園にやってくるのです。親と離れて共同生活する子どもたちが入園することになって、7年ほどになります。その間に、楽しい思い出がいっぱいできました。
Sちゃんという男の子がいました。生まれてすぐに島の施設にやってきました。とても笑顔がかわいい子で、牧師先生が礼拝に来られるたびに「ぼくのお父さん?」と聞いていました。それも毎週のことです。牧師先生も「ぼくたちのお父さんは天にいらっしゃるんだよ」と答えておられました。園に郵便やさん、宅配便のお兄さんが来るたびに「ぼくのお父さん?」と聞いていました。
Sちゃんはお父さん、お母さんの顔を知りません。生まれてすぐに施設にやってきたからです。島にある施設でしたから、町にやってくることも少なかったのでしょう。園にやってきては、お父さん探しをしていたのです。そこで神様のお話を聞き、天におられるお父さんのことを礼拝で知ったのです。
忘れられない思い出がもうひとつ。Sちゃんは毎日園長室にやってきて、ニヤッと照れながら「えんちょうせんせい」と声をかけてきました。「だっこ」をおねだりするのです。「だっこ」されると、とても笑顔になって、なんと、胸をさわってくるのです。はじめはびっくりしました。でも毎日やってきて「だっこ」され、胸をさわりながら安心した表情をするSちゃんを見ていると、わたしも同じように神様の腕のなかに包まれているような気がしました。
卒園式のとき「園長先生の胸をさわったのはSちゃんだけよ」と先生方から言葉をかけられニコ~っと笑った顔が忘れられません。神様がいつもその腕の中で守っていてくださる。そのことをいつまでも覚えていてほしいと思います。
Sちゃんいつでも園長室で待っているからね。ここもあなたの家だから。
(園長

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