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るうてる2024年

るうてる2024年12月号

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「主を待つ」

日本福音ルーテル小岩教会牧師 内藤文子

「そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る。」ルカによる福音書21・27

 待降節(アドベント)となりました。これからしばらくの間、私たちはクリスマスまで、主を待ち望む期間を過ごします。アドベントは主の「到来」を待ち望むことを意味しています。ろうそくが準備され、1本ずつ点火されてゆきます。4本全部に点火されれば、まもなくクリスマスです。聖壇の掛け布は「紫色」です。「紫」は、悔い改めとざんげのしるしです。一年でもう一回だけ「紫」の期間があります。それは、「四旬節(受難節と以前呼んでいました)」です。それはイエスさまの苦難と十字架の死を忍び、節制した生活を心がけ「復活」の喜びを待ちながら過ごす期間です。その期間と同じように、神のみ子がこの世に誕生してくださるクリスマスの喜びにあずかるために、私たちもアドベントの期間、心からの悔い改めとざんげを持って、忍耐し節制して待つ時です。そして、大きな喜びをクリスマスにいただくのです。

 私たちの生活の中で、「待つ」「待ちなさい」と言われるとき、現代の状況はどうでしょう。何かを待たねばならなくなったとき、その時をじっくり待つことができるでしょうか?情報伝達の手段が発達し、何でも知りたいことは調べればあっという間に分かる。相手の情報も、携帯電話で即、わかる。「答えが早く知りたい」と思えば、待つことができず、進むことができます。どちらかと言えば、「待てなくなっている」のが私たちかもしれません。

 高校生の頃から教会に行きだした私は、「クリスマス」の時季が大好きでした。青年会で歌うキャロリングの時、あの喜びは教会でしか味わえない最高のものでした。しかし、クリスマスまでの「アドベント」の時があるのを知り、心はクリスマスの時まで、静かな静寂な時間を送ることになりました。対照的に町は、どんどん激しくにぎやかになっていきます。静かな祈りの時を待って、主イエスが今、お出で下さる意味を思います。それは私の日頃の心の「悩みや不安、悪との闘い」があり、イエスさまとそのみ言葉に日々助けられてここまで歩むことができた。自分の力ではどうしようもないとき、「身を起こして頭を上げて」(ルカによる福音書21・28)恐れずに、やがて世の終わりに到来なさるイエスさまを、希望をもって見上げるのです。

 待降節(アドベント)のはじめに、本日の聖書で、イエス・キリストが王として到来することを望む聖書の箇所が示されています。「やがて来られるキリスト(再臨の主)」に目を注ぐことは「すでに来られた方(イエスさま)」へと私たちの目を向けさせ、クリスマスに備える心を起こさせます。教会暦の中で「世の終わり」について語られることはあまり多くはありません。話題となった「カルト」はセンセーショナルに終末の危機意識をあおります。それで伝統的な教会は終末にふれることをどちらかといえば、言い控える傾向もあります。世の終わりがいつ来るのかは分かりません。(マルコによる福音書13・32) 大切なのは、「恵みの時に、わたしはあなたの願いを聞き入れた。救いの日に、わたしはあなたを助けた」(コリントの信徒への手紙二6・2)として、「今」が私たちに残され示されている「救いの時」であるということです。「十字架の救い」にあずかることです。

 クリスマスに、主はまずへりくだった方としてご自分を低くして来られ、だれもが近づき触れることのできる「赤ちゃん」としてこの世に来られました。それがクリスマスです。
 そして私たちはこの時季に過去に来られた馬小屋で赤ちゃんとして生まれたキリストだけを覚えるのでなく、やがて再び来られる栄光の主であることを覚えるのです。

エッセイ「命のことば」 伊藤早奈

(57)「いつも」

「イエスがメシアであると信じる人は皆、神から生まれた者です。そして、生んでくださった方を愛する人は皆、その方から生まれた者を愛します。」ヨハネの手紙一5・1

 あれ、なんで記念日じゃないのかしら。二千年以上も前のことなのに。12・25なんてほとんど言われません。少なくとも私は一度も聞いたことがありません。なのに1・17とか3・11とか9・11とかすぐにわかる人は何人おられるでしょう。お一人お一人が持つ魂がえぐられるような経験をされたであろう忘れられない日が記念日として記されることが多いように思います。それらは苦しみや悲しみのあった日も多いように思いますが、結婚記念日のようにうれしく緊張した日もあるような気もします。

 でもほとんどは苦しみや悲しみが突然降りかかった日が多いのではないのではないでしょうか?7・19と4・17などこのような記念日は分かりますか?きっと同じ日につらい思いをされた方々やうれしい経験をされた方々に逆に「なんでご存じなんですか?」と聞かれてしまいそうですが、違います。

 これらは私の心の記念日です。魂をえぐられるような経験をした忘れられない日です。記念日はお一人お一人の心に、過去にあった経験の忘れられない日として刻まれます。

 クリスマスは記念日ではありません。記念日であっても過去にとどまらないで今も生きて働いておられるチカラです。あなたはクリスマスに何を思いますか?大切な人たちを思い浮かべたり、何かできないかといろいろ考えたり、何かをしたからではなくて今誰かを思い起こす日。イエス様が生きて働かれておられることを思い起こす日です。イエス様が働かれる日は特別な日だけでなくいつもです。

「全国の教会・施設から」⑲

日本福音ルーテル羽村教会 筑田仁(日本福音ルーテル羽村教会・八王子教会牧師・ルーテル羽村幼稚園チャプレン)

 羽村教会の宣教の始まりはいわゆる農村伝道から始まる。この緑豊かな羽村での宣教は、1947年、スタイワルト宣教師、青山四郎牧師による西多摩郡羽村741中野方での集会から始まる。所属は神学校教会(現在のむさしの教会)であった。定期的な集会から、青山牧師が羽村に来て定期的に夕礼拝が行われるようになった。1949年に神学校教会の伝道所になり、2年後の1951年宗教法人を取得した。1952年、教会堂と牧師館の建設が行われ、献堂式が行われている。その時の機関紙「るうてる」にはこのように報告されている。『関東地方唯一の農村教会としてその将来の発展が注目された』と。また、1953年、教会を農繁期託児所として開放して、後のルーテル羽村幼稚園がその歩みを始めている。その後の幼稚園と教会の発展は、ある意味、農村伝道の結実とも言えるであろう。
 教会創立期は西多摩郡、それが1956年に羽村町になり、つい最近の1991年に羽村市へと変遷した。村から、東京のベットタウンへと羽村は変化していく中で、当初の農村伝道から、都市の伝道へと教会の宣教も変化してきた。1996年には新しい教会堂が完成し、献堂式を行い現在に至っている。
 羽村での宣教について、教会員の方々から「教会と幼稚園は共存共栄です」と聞くことがある。羽村の地で、牧師は入れ替わってきたが信徒の方々は忠実に主日礼拝に与かり、羽村教会を支えて下さった。少子社会の到来、教会員の高齢化など、羽村教会そして羽村幼稚園も押し寄せる時代の変化に対応が迫られている。羽村教会は小さな群れではあるが、私たちは73年間に及ぶ宣教の歩みを後世にしっかりと伝えていきたいと願っている。これからも聖霊の働きに豊かに満たされ、羽村教会と羽村幼稚園の歩みが、神様の恵みのもと、共存共栄し続けることを祈っている。

愛泉保育園 木村麻紀(愛泉保育園園長)

 愛泉保育園の歩みは、1952年に清原清喜氏(合志教会初代代議員)がささげられた土地に室園教会の伝道所として合志教会が建てられ、平日の会堂を使って保育を始めたのが始まりです。1953年に慈愛園の協力により宗教法人の保育園として認可を受けました。「愛泉保育園」の名前の由来は、吉崎モトエ初代園長が聖書の言葉「わたしが与える水を飲む者は決して渇かない。わたしが与える水はその人の内で泉となり、永遠の命に至る水がわき出る」(ヨハネによる福音書4・14)に基づいています。
 1961年に宗教法人日本福音ルーテル合志教会へ移管して30年後、1992年に社会福祉法人菊池愛泉会としての新しい歩みを始めました。園舎も新しくなり70名定員の保育園としての働きが始まりました。神様の恵みが教会と保育園と共にあり、導いて下さったことに感謝します。
 愛泉保育園は、同じ敷地内に教会と保育園が共にあるという恵まれた環境を与えられています。これまでも現在も、週に1回は教会堂で3歳児以上の合同礼拝の時を持っています。現在、0~2歳児のクラスには週に1回、多田牧師が保育室を訪ねて下さり、お話とお祈りをして頂いています。教会と牧師を身近に感じ、祈ること賛美することが出来る環境は神様からの大きな恵みだと思い、感謝しています。
 愛泉保育園がある合志市は、熊本市と隣接しています。合志市は半導体企業TSMCの進出を機に開発が進んでいる地域です。最近、園の周りにも商業施設が出来たり、住宅建設が増えたりしています。目まぐるしく環境が変わりつつありますが、私たちは、子どもたち一人一人の主体性を大切にする保育を進めています。
 子どもたちが自分で遊びを選ぶ権利や、遊べる環境を保障するために、保育士全員で日々学びを深めながら子どもたちに向き合っています。子どもたちが神様の愛に守られながら、心豊かに育つよう歩いていきたいと思います。

改・宣教室から

永吉秀人総会議長(日本福音ルーテル東京池袋教会牧師)

「サンタクロースの部屋」とキャパシティ

 クリスマスの時期になると毎年思い出す話があります。児童文学者であり翻訳家である松岡享子さんが1973年の朝日新聞に寄稿された「サンタクロースの部屋」というエッセーです。以下、松岡さんの原文の一部を引用します。
 「もう数年前のことになるが、アメリカのある児童文学評論誌に、次のような一文が掲載されていた。『子どもたちは、遅かれ早かれ、サンタクロースが本当はだれかを知る。知ってしまえば、そのこと自体は他愛のないこととして片付けられてしまうだろう。しかし、幼い日に、心からサンタクロースの存在を信じることは、その人の中に、信じるという能力を養う。わたしたちは、サンタクロースその人の重要さのためでなく、サンタクロースが子どもの心に働きかけて生みだすこの能力のゆえに、サンタクロースをもっと大事にしなければいけない』というのが、その大要であった。
 この能力には、たしかにキャパシティーということばが使われていた。キャパシティーは、劇場の座席数を示すときなどに使われることばで、収容能力を意味する。心の中に、ひとたびサンタクロースを住まわせた子は、心の中に、サンタクロースを収容する空間をつくりあげている。サンタクロースその人は、いつかその子の心の外へ出ていってしまうだろう。だが、サンタクロースが占めていた心の空間は、その子の中に残る。この空間がある限り、人は成長に従って、サンタクロースに代わる新しい住人を、ここに迎えいれることができる。」(1973年12月10日朝日新聞「月曜寸評」より引用)
 サンタクロースのモデルは、セント・ニコラウスというキリスト教の聖人の一人です。慈善事業に尽くし、奇跡的な行為が認められた修道士が聖人として認定されます。サンタクロースにはキャパシティーがあるという話ではありません。サンタクロースが子どもたちの心に住むことによって、子どもたちに信じる心と他者を受け入れるためのキャパシティーをプレゼントしてくれるのです。そして、この信じることによってつくられたキャパシティーなるものは、受け入れるものに合わせてその空間を広げることができる能力があることを覚えておきたいのです。信仰は隣人を受け入れるためのキャパシティーです。

世界の教会の声

浅野直樹Sr.(世界宣教主事 市ヶ谷教会牧師)

AIDA(国際開発機関協会)は残虐行為を非難し、即時停戦を求める

 昨年10月7日にハマスがイスラエルを襲撃しました。すると今度はイスラエルがガザ地区に報復するという「破壊的な1年」が過ぎ、世界から非難の声があがっています。「世界が行動を起こすのに遅過ぎはしない」。世界ルーテル連盟(LWF)は、国際的な組織AIDAに参加してこう呼びかけています。
 AIDAは参加団体の声を一つの声明として、過去12カ月繰り返されてきた残虐な犯罪を非難するとともに犠牲者への追悼を表明しています。パレスチナで活動する80を超える国際的非政府組織(NGO)やNPOがAIDAに加盟しています。
 AIDAは「亡くなられた方々を追悼するとともに、人質全員の解放、不当に拘束された数千人規模のイスラエル人とパレスチナ人の解放、そして即時停戦を求める」と表明しています。また市民の保護を最優先し、国際法はあらゆる場合に支持されるべきだとしています。声明は「子どもを含むパレスチナ人を記録的な数で殺傷した」無差別爆撃と、広範囲に及ぶガザの破滅、数百万人規模の避難民という今も続く軍事行動の影響を強調し、「このような恐怖がこれほど長く続くのを世界が許すとは思ってもみなかった」と述べています。
 現在の状況は、「国際秩序のほころびを反映していて、殊に影響力をもつ国が何もせず、イスラエルの軍事行動がパレスチナ人の苦しみを増幅させ国際規範を壊し、国際社会がその設立以来大切にしてきた土台を損なっている」としています。
 過去一年間ガザで人道的活動を行い犠牲となった人の数が、世界の他地域での紛争解決に当たった人々のそれよりも多いことをAIDAは指摘しています。援助の手を差し伸べようとする人が大きな危険にさらされていると訴えています。

 声明は「非難の声をあげるだけではむなしく、国際法の原則は弱体化し無視され続けるだろう」と警告、占領の終結と恒久的な和平に向けて世界がただちに行動を起こすことを呼びかけています。

詳細はこちらから

日本賛美歌学会大会参加報告

小澤周平(日本福音ルーテル千葉教会・津田沼教会牧師)

 魂の賛美、圧巻の歌声。10月26日、日本福音ルーテル東京教会を会場に日本賛美歌学会第24回大会が開催されました(実行委員長は宮越俊光副会長)。日本福音ルーテル教会は協賛として協力しました。北は北海道から西は中国・四国までの各支部から超教派の学会員が集まり、さらに、ルーテル教会関係の一般参加者も加わって、全体で71名が参加する盛会となりました。
 テーマは「どうする賛美歌集? ~ルターの会衆賛美歌から500年」。伊藤節彦牧師(日本福音ルーテル栄光教会)の講演を通して、マルティン・ルターの時代の礼拝と会衆賛美を学び、そして、現代の私たちの礼拝のあり方を考察しました。折よく、当日は宗教改革記念日直前。参加者の「ルターアンテナ」も感度抜群です。質疑応答は制限時間いっぱいまで続けられました。
 時満ちて、『教会讃美歌 増補 分冊Ⅰ』の紹介です。松本義宣牧師(日本福音ルーテル東京教会・板橋教会)から、ルター作の賛美歌が説明されました。今回は、日本の歌集に未掲載の歌1曲も合わせて紹介。500年の時を超えてルター作の賛美歌が礼拝堂に響き渡りました。
 各教派・団体から紹介された新しい歌を歌った後は、歌集を考えるパネルディスカッションが行われました。司会者(江原美歌子会長)の「とりあえず費用のことは抜きにして」という光に導かれて、登壇者たちがパッションを語り合います。賛美歌を生み、歌集を編むプロセスこそ信仰的な営みであり、神学する時。それを大切にしながら、多様な媒体を使って、誰もがアクセスしやすい形で、礼拝で用いる歌を保存し、教派を超えて共有していきたい。夢が語られると同時に具体的な方法も検討され、今後の研究課題が明らかにされていきました。
 研究発表では、水野隆一学会員(関西学院大学)による詩編のパラフレーズの作成について学びました。
 実に、ルターの時代の賛美歌から、現代の創作賛美歌やルーテル教会の改定式文に至るまで、大会中に歌われた歌は約30曲にも及びました。学んで歌い、歌って考える、充実した一日となりました。

ルーテル『聖書日課』読者の集い開催報告

乾和雄(日本福音ルーテル神戸東教会嘱託牧師)

 10月21日(月)~22日(火)の1泊2日、神戸しあわせの村にて48名の参加者が与えられ、「ルーテル『聖書日課』読者の集い」が開催されました。講師は神戸ルーテル神学校の正木うらら先生で、「聖書の中の女性たち~ディアコニアに生かされる~」のテーマで、とてもわかりやすくご講義をいただきました。またご講義の途中で小さなグループに分かれ、参加者のそれぞれが、これまでの人生を振り返りながら、どのような場面で、どのようなディアコニアに生かされてきたのかなどの証しを互いに語り合いました。
 「人の子は仕えられるためではなく仕えるために、また、多くの人の身代金として自分の命を献げるために来たのである」(マルコによる福音書10・45)とありますように、ディアコニアの源は主イエス・キリスト御自身です。イエスさまの十字架の死にいたるまでのディアコニアのご生涯にはじまり、キリスト者のディアコニアとは、また教会のディアコニアとは何かをご説明してくださいました。主の御言葉に聴き続けるなかで、互いを受け入れ合い、認め合うディアコニアへ、互いの賜物を生かし合うディアコニアへと導かれるとのお話しでした。またディアコニアの働きは、わたしたち自身の働きでは決してなく、三位一体の神さま御自身のお働きであることを教えていただきました。
 今回の参加者の皆さまから、「みなさんがとても熱心に学ばれていることがとてもうれしかったです。うらら先生のご講義やお証しから、聖書や神様が好きで信頼しておられることが伝わってきて、聞いていて私もうれしくなりました」、「聖書のオリジナル原語であるギリシャ語で読み解く聖書は、私にとってとても新鮮な感動を与えていただきました」、「自然に囲まれた環境の中、ゆったりとすてきな時を過ごすことができ感謝しています」、「参加者の高齢化や、また費用面においても一泊二日がよかったと思います」、などの貴重なご感想やご意見をいただきました。
 来年も10月20日(月)~21日(火)の1泊2日で「読者の集い」が予定されています。詳細が決まり次第、ご案内をさせていただきます。1人でも多くの皆さまのご参加を願っております。

熊本地区「宗教改革記念音楽会~歌うルターの”再発見“」開催報告

崔大凡(日本福音ルーテル室園教会牧師・九州ルーテル学院大学チャプレン)

 熊本地区合同の宗教改革記念行事が今年は音楽会として行われました。宗教改革時代の最初期の賛美歌集『エアフルト・エンキリディオン』出版から今年がちょうど500年目となったことを祝い、そこに収録されていた曲のいくつかを学び、一緒に歌って聴く集会として、2024年10月27日午後2時、ルーテル学院中学・高校の礼拝堂を会場に行われました。
 開会礼拝は多田哲牧師の司式・説教によって、宗教改革時代における礼拝改革について聞きました。ルターが賛美歌を「会衆の説教」と呼んだのは、会衆が賛美歌を歌うとき、福音が伝えられるからです。そのような賛美の力はかつてパウロとシラスが投獄されていたときにも働き(使徒言行録16・25以下)、看守たちを救い、生かし、さらにその家族にも福音が伝えられる始まりとなったことを、御言葉から聞きました。福音を届ける賛美歌を、礼拝に参加する皆が一緒に歌うために制作された最初期の賛美歌集『エアフルト・エンキリディオン』です。
 開会礼拝に続く音楽会では、大江教会の会員江川大地さんの曲解説と進行、日笠山吉之牧師の奏楽によって、かつて『エアフルト・エンキリディオン』に収録されていた曲であり、今は『教会讃美歌』、『教会讃美歌増補版』に収録されている曲の中から6曲を皆で歌い、聴きました。また原曲の歌詞を直訳で見ることにより、歌うために詰め込まれた楽譜上の歌詞よりも詳しく、その曲に込められた信仰、思い、教理を味わいました。「行いでは失われるばかり」、「信仰によって救われる」と信仰義認が強く表れている歌詞、また「十戒」を12節までの歌詞で歌うなど、多くの人々にとって新しい体験、奥深い学びとなりました。
 ルーテル学院高校合唱団の生徒たちも2曲の賛美を披露することで参加し、当日の会場には約100名の参加がありました。当日まで熊本地域の各教会から集めた宗教改革記念献金に当日の席上自由献金合わせて、19万6450円をルーテル学院大学・日本ルーテル神学校後援会への献金としてささげました。
 福音を届ける数々の賛美の歌を感謝して受け止め、一緒に歌えることを喜び、2024年の熊本地区宣教会議主催の宗教改革記念音楽会についての報告とします。

東教区・宗教改革日礼拝の報告

内藤新吾(日本福音ルーテル稔台教会牧師・東教区伝道奉仕部長︶

 東教区では宗教改革日礼拝を10月31日の夜に持ちました。今年は二部構成としました。第一部は聖餐式礼拝で、説教をルーテル学院大学学長の石居基夫牧師に奉仕いただきました。第二部は「これからの教会に願うこと」というテーマで、9月まで日本ルーテル神学校校長の任を務められた立山忠浩牧師に発題いただき、リアクター2名、会場との応答もありました。99名参加で、コロナ禍以来、久しぶりに大勢が集われたように感じます。
 現在、ウクライナだけでなくガザにおいても戦争が起きてしまっていることに、私たちは悲しみを覚えます。ミャンマーや世界各地での紛争も本当に痛ましいことです。何とか平和に至ることができないか、私たちにできることはないだろうか、そうした祈りが、夜の集いではありましたが足を運ばせたのかもしれません。石居牧師の説教も、世界の痛みへの苦悩と祈り、また私たち自身への問いかけを語られました。また、ガザ出身の医師イゼルデン・アブラエーシュ博士が来日されたことに触れ、爆撃で3人の娘と1人のめいの命も奪われながら、その悲痛な悲しみの中で、それでも自分は決して憎まずにイスラエルとパレスチナの平和の架け橋となりたいと訴えられていることに、私たちも共に求め続け、その意味を共有することはできることではないかとのメッセージもくださいました。
 第二部では、立山牧師に発題をお願いし、教会行政と教師会また神学教育にも責任を負われた方として、教会が置かれている現状と今後に向けての提言をいただきました。昔と比べ、「何もしなくても新来会者が来た」時代から「何をしてもうまくゆかない」時代になっており、牧師も激減しているが、「信徒も牧師も自分の賜物を生かし、自分にできる奉仕をする。気負うことなく、無理をしない」ことが肝要との口火から、「牧師が自分の時間を確保できるように」、そのためには信徒の理解と協力が不可欠とも話されました。また、今後も神学校の使命の重さと、他にも、「ルターとユダヤ人問題」などの神学的課題とも真摯に向き合うことが大事と語られました。
 以上、あっという間の2時間でした。感謝と共に報告いたします。

第32回 春の全国ティーンズキャンプ開催

今回は宮崎県で農作業をして、
大地の恵みをたくさん頂くキャンプをします!
申し込み待っています!

〈テーマ〉 「日ごとの糧」
〈日時〉 2025年3月26日(水)~28日(金)
〈会場〉 Agritel
(宮崎県えびの市東長江浦1652-179)
〈参加費〉 1万5千円(同一家庭から複数参加の
場合は1名につき1万4千円)
〈参加対象〉 2006年4月2日~
2013年4月1日生まれの方
〈応募締切〉 2025年1月31日(金)
〈申し込み〉 公式ブログよりお申し込みください。
https://tngteens.hamazo.tv/e9935532.html

【同時募集】 スタッフ募集
〈募集人数〉 若干名
〈募集資格〉 2006年4月1日以前生まれの方
キャンプの全日程に参加できる方
事前に開催されるZoomでの
研修会に参加できる方
〈スタッフ応募締切〉
2024年12月末日
〈申し込み〉 公式ブログより
お申し込みください。
https://tngteens.hamazo.tv/e9935538.html

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