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機関紙るうてる

るうてる2014年7月号

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説教黙想「根拠のない自信」

むさしの教会・スオミ教会牧師  大柴 譲治

「だれが、キリストの愛からわたしたちを引き離すことができましょう。艱難か。苦しみか。迫害か。飢えか。裸か。危険か。剣か。」(ローマの信徒への手紙8章35節)

 最近、朝のテレビ小説『花子とアン』で「根拠のない自信」という言葉を耳にしていくつかのことを思い出した。四年ほど前に東洋英和女学院(花子の母校)でのクリスマス礼拝に招かれた時のこと。保護者会の世話役であるお母さんから「子供たちはこの学校が大好きなのです。この学校は子供たちの中に根拠のない自信を育ててくれました」という言葉を伺った。そういえば三鷹のルーテル神大時代にも東洋英和出身の学生がいて、行動派の彼女がいつも「自分には根拠のない自信があるのよ」と語っていたっけ。東洋英和に限らず、学校や家庭というものは子供たちの中に「根拠のない自信」を育むという使命を持つものなのであろう。
 「根拠のない自信」を持つ者には「迷い」がない。いや、たとえ「迷い」があったとしても、その「根拠のない自信」のゆえに周囲を巻き込みながらも逆境を乗り越えてゆくことができるようだ。「自尊感情」がその人の「レジリエンス(回復力 復元力)」を支えているのだ。いかにも逆境に強かった故小泉潤牧師の生き方をも思い起こす。ふだんの日常生活ではあまり見えてこないが、いざという時には私たちが持つ「根拠のない自信」が大きく事を左右するのであろう。
 2011年の4月、大震災の後というタイミングになったが、『こどもへのまなざし』で著名なクリスチャン児童精神科医の佐々木正美先生を私たちの教会にお招きしたことがあった。先生はそこで子供たちの内に「根拠のない自信」を育むことの大切さを語られた。そのために「子供たちに溢れるほどの愛情を注いで、大いに甘やかせてあげて欲しい」と言われたのである。
 人を愛するためにはまず自分が人に愛されるという体験が必要となり、愛されることを通して子供たちには「根拠のない自信」が育まれてゆくのだという。先生は続けられた。「私たちは普通『根拠のある自信』を持っています。しかし『根拠のある自信』はその根拠が揺れ動くとガラガラと崩れてしまう。けれども『根拠のない自信』は根拠がないがゆえに決して揺れ動くことがないのです」。その実践に裏打ちされた温かい言葉は今でも私の中で一つの確かな声として響いている。
 「根拠のない自信」という逆説的な言い方であるが、考えてみればそこにはやはり「根拠」があると私は思う。そもそも「自信」とは「自分に対する信頼」を意味するが、その「自信」の「根拠」が自分の「内」ではなく「外」にあって、それが「外」から「私」を支えているということなのであろう。そこでの「自信」とは「自分を支えるものに対する信頼」という意味となる。自らの外に自分を支える「確固とした足場・基盤」を持つということ。万物は揺らぐとも主の言は永久に立つ。自己を支えるそのような足場を持つことができる者は幸いである。
 キリスト教作家の椎名麟三は受洗の後に、「ああ、これでオレは安心して、ジタバタして死んでゆける」と言ったという。洗礼において主が私を捉えてくださった。罪と死との格闘の中で自分はどこまでもジタバタせざるをえない弱い存在。しかしそのような自分をキリストが捉えて離さないがゆえに、安心してもがいてよいという主の愛に対する絶対的な信頼がある。
 「我ここに立つ」と言ったルターも「キリストの現臨(リアルプレゼンス)」という基盤の上に立ち続けた。その基盤を「インマヌエルの原事実」(滝沢克己)と呼び、「神の〈まこと(ピスティス)〉」(小川修)と看破した先人たちもいる。
 「たとい明日世界が滅びようとも、わたしは今日リンゴの木を植える」というルター的な言葉も、また次のように語ることができたパウロの信仰も、確かにそのような「根拠のない自信」に裏打ちされていたと思うのは私だけではあるまい。 「わたしは確信しています。死も、命も、天使も、支配するものも、現在のものも、未来のものも、力あるものも、高い所にいるものも、低い所にいるものも、他のどんな被造物も、わたしたちの主キリスト・イエスによって示された神の愛から、わたしたちを引き離すことはできないのです」(ローマ8・38~39)。
 神の〈まこと(ピスティス)〉が私たちの信仰(ピスティス)を支えている。私たちに贈り与えられている「根拠のない自信」を共に喜び祝いたいと思う。

宗教改革五〇〇周年に向けて ルターの意義を改めて考える(27)

ルター研究所所長 鈴木 浩

  「メタノエイテ」(悔い改めよ)というギリシャ語は、「ペニテンティアム・アギテ」とラテン語に訳されていた。それが一番適格な訳語だったからである。ところが、中世神学の発展の中で、「ペニテンティア(ム)」という言葉が専門的な意味を持つようになっていた。「懺悔のサクラメント」という意味である。
 西方教会は中世後期に「七つのサクラメント(秘跡)」という教理体系を築き上げていた。洗礼、聖餐(聖体拝領、ミサ)、懺悔(告解、改悛)、結婚、聖職叙階(按手)、終油の七つである。この懺悔の秘跡が「ペニテンティア(ム)」と呼ばれるようになっていた。「アギテ」とは行えという意味だから、「ペニテンティアム・アギテ」とは、「懺悔の秘跡を行え」という意味になる。その秘跡にあずかれば、悔い改めたことになる。それは完全な誤解、全くの間違いだ、と『九五箇条』は指摘する。
 「私たちの主であり師であるイエス・キリストが、『悔い改めよ』と言われたとき、主は信じる者の全生涯が悔い改めであることをお望みになったのである」。言い換えれば、「悔い改め」とは、繰り返し新たに神の御もとに立ち帰ることだ、とルターは言っているのだ。

議長室から

宣教師のお働きに感謝して

総会議長 立山忠浩

 6月8日に聖霊降臨祭を迎えました。聖霊の降臨によって使徒たちの宣教が始まり、教会が築かれていきました。この日が教会の誕生日だと言われるゆえんです。その聖霊は、「言葉を伴なう」ことをマルティン・ルターは強調しました。礼拝ごとに語られる説教は、もっとも重要な具体的な表れであることは言うまでもありません。
 使徒言行録2章に記された不思議な出来事を読むごとに、 私たちルーテル教会の聖霊理解が正しいものであることを確認できるのです。聖霊降臨を契機にして、使徒たちが神の言葉を語り始めたからです。
 そこで起こった不思議な出来事とは、使徒たちがこれまで話したことのない様々な言語で語り始めたことでした。しかし重要なことは、そこに居合わせた人々が、自分の母国語で神の言葉を聞くことが出来たということでした。そして、この聖霊降臨の出来事がいつの時代も、身近なところで起こっていることを体験できることは幸いなことだと思います。
 先日、私の牧会する教会で葬儀が行われました。フィンランドLEAF(SLEY)の牛丸ヒルダ元信徒宣教師が82歳で亡くなられたからです。
 日本で宣教師としてご奉仕くださる方々は、日本語で神の言葉を語ってくださいます。外国に少し暮らした体験のある私にも想像できることですが、他国の言語を習得することは大変なご苦労でありましょう。たとえ十分ではないとしても、私たちのために、一生懸命に日本語で語ってくださることに意味があるのです。
 使徒言行録には「彼らがわたしたちの言葉で神の偉大な業を語っているのを聞こうとは」と書いてあります。「神の偉大な業」を語ることは、礼拝の説教だけではないでしょう。ヒルダ元宣教師の場合もそうでしたが、日本のために人生を献げ、生き方を通して「神の偉大な業」を証ししてくださったのです。 
 宣教師の方々への感謝を献げる機会となりました。

ルターセミナー報告

ルター研究所 所長 鈴木 浩

 今年度の「牧師のためのルターセミナー」は、6月2日から4日にかけて、いつものように「マホロバマインズ三浦」で開かれた。参加者は全体で26名であったが、今年の特徴は信徒の参加者が7名もいたこと、そのうち女性が3名いたことであった。教派別の内訳は、日本福音ルーテル(22名)、日本ルーテル教団(2名)、西日本福音ルーテル(1名)、日本基督教団(1名)であった。総合主題は昨年度に引き続き、「宗教改革500周年とわたしたち」で、第2回目の今回は、とくに「教理問答」を中心に学んだ。
 発題のタイトルと担当者は以下のとおりである。
1、『大教理問答書』におけるルターの神信仰(江口再起)
2、教理問答の時代(高井保雄)
3、ルターにおける「私」の問題の所在(石居基夫)
4、1917年の宗教改革400周年……日本の諸教会における記念行事とその意義(ティモシー・マッケンジー)
5、『エンキリディオン』の実践的意味と現場からの問題提起(徳善義和、渡邊賢次)
6、『小教理問答』の聖礼典における赦しの問題(立山忠浩)
 それぞれ2時間枠で、質疑や討議の時間も十分に取ったので、議論は活発に行われた。今回の成果は『ルター研究』別冊2号で発表される予定である。なお、「秋の講演会」は11月9日(日)の午後4時から日本福音ルーテル本郷教会で開催される。

2014年度 日本福音ルーテル教会教師試験実施のお知らせ

 2014年度「日本福音ルーテル教会教師試験」を左記要領にて実施いたします。教師試験を受けようとする志願者は必要書類を整え、教会事務局にご提出ください。
 記
Ⅰ.提出書類
 1 教師志願書
 2 志願理由書 テーマ 「なぜ『日本福音ルーテル 教会の教師』を志願するの か」―あなたが考える宣教 課題をふまえて―
 ・書式 A4横書き フォ ントサイズ11ポイント
 3 履歴書〈学歴、職歴、信 仰歴、家庭状況等を記入す ること〉
 4 教籍謄本(所属教会教 籍簿の写し)
 5 成年被後見人または 被保佐人として登記され ていないことの証明書(法 務局交付のもの。任用試験 時に必要になります)
 6 所属教会牧師の推薦 書
 7 神学校卒業(見込)証 明書及び推薦書
 8 健康診断書(事務局に 所定の用紙があります)
Ⅱ.提出期限(期限厳守)
 2014年9月12日(金) 午後5時までに教会事務 局へ提出すること
Ⅲ.提出先
 日本福音ルーテル教会常 議員会長 立山忠浩 宛
Ⅳ.試験日及び試験内容
 本人に直接連絡します。

ろう者と手話通訳者のための手話研修会報告

東教区障がい者伝道  委員会委員長  神田 惠

 障がい者伝道委員会では、年に2回、春は小石川教会、秋は1泊2日で埼玉県にある「国立女性教育会館(ヌエック)」で手話通訳者とろう者の共同の手話研修会を開いています。今年の春の研修会は5月25日の午後に、21名の参加を得たこともない人もいたりして、手話がなかなか見つからず苦労しました。手話通訳者とろう者の方の共通の理解が必要ですので、時間がかかります。
 研修を終えると夕方です。美味しい夕食をみんなでいただきながら、楽しい懇談の時を持ちます。
 秋の研修会は、9月14日の午後から、前述の「国立女性教育会館」を会場に開催します。緑多く静かな広々としたところなので、学びにはとても良い環境です。1泊2日、聖書を手話で学び、讃美歌を手話で歌い、徳野昌博牧師のお話を手話通訳を介して聞き、恵まれ、感謝して帰宅します。
 ろう者会も高齢化が進み、参加したくても出来ない人が増えてきていますが、神さまはいつも私たちを助け、守っていてくださることを信じて、研修会を続けていきたいと思います。
 ここまで続けてこられたのは、東教区の皆様のお祈りとご支援のお蔭であると感謝いたします。これからも障がい者伝道を覚え、見守ってくださいますよう、お願い申しあげます。

礼拝式文の改訂

③ルーテル教会の式文

式文委員会委員長 平岡仁子

  世界のルーテル教会の典礼は、ルター自身の典礼の取り組みに深く現されているとゴードン・W・レイスロップ博士は、著書「21世紀の礼拝―文化との出会い」 の中で語ります。そしてその典礼実践の中心と言える特徴を「保護と批判」と呼ぶのです。
 ルーテル教会は典礼の伝統を受け入れると同時に、その伝統がイエス・キリストの福音を妨げる時、鋭く批判します。ルターは神が与えることと、私達が行うことを区別し、しかもそれを一緒に持ち続けることを求めました。
 ルター派の人々は「ミサを保持する」とアウグスブルク信仰告白(24条)において告白しただけでなく、実際そのように保持しました。ルターにとって、福音的実践における会衆参加の礼拝は、 歴史的かつカトリック的伝統から離れて存在することはなかったのです。言い換えるなら「ルター派の典礼」というものはなかったと言えるのです。
 ルターが書いた「ヴィッテンベルグ教会のためのミサと聖餐の規範」Formula missae et communionis pro ecclesia Wittembergensi 1523) と 「ドイツミサ」Deutsche Messe (1526) は典礼書でも、また全く「新しい典礼」でもありませんでした。それはむしろ、変革された福音的仕方による伝統の用い方について書かれたものでした。
 ルターはルター派の礼拝儀式書あるいは典礼書と呼ばれるものを書かなかったと言えます。そうではなく伝統的ミサを祝うための福音的方法として二つの実例を与えたのでした。しかも詳細において異なる二つであり、一つではなかったのです。どちらか一方に「権威」を与えてしまう危険を避けるために。「私たちはミサを保持します。」、しかも二つは並はずれて批判的でした。
 ルター派が今に至るまで持ち続けてきた、典礼について最も中心となる重要な二つの原理があります。それは神の御言葉の明瞭さ、そして会衆参加の重要性です。また続く第3の原理には強制の排除が含まれます。ルターは改革は強いられるのではなく、愛し、教えることによってもたらせられなければならないと説教しました。
 ルターの典礼に関する文書は、「これを義務づける法を生み出してはならない!」という警告に満ちていたのです。だからルター派の伝統は強制して行うことを批判し、愛すること教えることによる改革へと私たちを招きます。
 典礼における強制の拒否という批判は、カトリック教会のミサ典礼書や聖公会の祈祷書のような規範となる礼拝式文集を、歴史的にルーテル教会が承認してこなかったことに現れました。そして、教派を超えた多様な文化の時代において、このことは新たな伝統となっています。
 ルター派は偉大な典礼の伝統に通じた礼拝・聖餐式を失いません。しかしその礼拝・聖餐式は、多様性において確かに実践され得るのです。そしてルターのこの伝統もまた、キリスト教の教派を超えた宝と言えるのです。

ルーテルこどもキャンプ 参加者からスタッフへ

高橋 奏(東京教会)

 私が「こどもキャンプ」を知ったのは小学5年生の時です。当時は、「少年少女国際キャンプ」という名前であり、アメリカについて学びました。今からちょうど10年前のことなのに、キャンプが始まってグループ名を決める時のことから、最後のグループ発表でリーダーが泣いていたことまで鮮明に覚えていることに自分でも驚きます。
 ブラジルについて学んだ6年生では、自然と自分から参加すると言ったような気がします。私は地元の公立小学校に通っていましたが学校には教会に行っている友達はいませんでした。だから、キャンプに参加して全国にたくさんの同世代のクリスチャンがいることに驚いたし、それと同時に「私だけじゃないんだ」と思うようにもなりました。 そこから、「春の全国ティーンズキャンプ」(春キャン)にも参加するようになってクリスチャンの友達がたくさんでき、教会にもずっと繋がっています。「こどもキャンプ」に参加していなかったら私のクリスチャンとしての今の生活はなかっただろうな、と考えるくらい、私にとって「こどもキャンプ」の存在はとても大きいです。
 そんな「こどもキャンプ」に今、スタッフとして関わらせていただけていることが嬉しいです。今まで3回スタッフをさせていただきましたが、一番感じることはキャンパーたちの3日間での変化です。初日は緊張してあまり自分から話さなかった子が、たくさん自分の意見を言うようになったり、人の話をしっかり聞いてよく考えるようになったり…。段々とそれぞれの個性が出てきて、3日間でこんなにも変わるのだなと思い、本当に毎回驚きます。
 「こどもキャンプ」は「春キャン」とは違い、人生で2回しかキャンパーを経験することができません。その2回で、仲間とともに神様やイエス様のこと、平和についてたくさん学んで考えられる3日間は、一生の糧になると思います。これからもキャンプに参加する子どもが増えていってほしいです。今年も多くの5、6年生が広島に集まり、どんなことを経験して、何を感じる3日間を過ごすのか、今からとても楽しみです。
 ルーテルこどもキャンプ 7月7日(月)申込〆切
日本福音ルーテル教会ホームページのTNGより、お申込できます。
お問い合わせは 松本奈美(神戸教会) TEL078‐691‐7238

ルーテル阿蘇山荘清掃奉仕に参加して

寺本 晟(大江教会)

  5月24日(土)、毎年恒例となっている阿蘇山荘の清掃奉仕作業が行われました。今年度は大江教会が地区の女性会の当番ということもあって、九州ルーテル学院の方と一緒に準備しました。この清掃は熊本地区女性会を中心に行われてきましたが、各教会の壮年会からも参加されるようになり、現在では、九州ルーテル学院の学生・教職員も加わって規模も大きくなっています。
 今年の参加者は、地区の教会関係が67名、九州ルーテル学院が大学・高校生を含めて78名、合わせて145名でした。
 当日は9時30分の開会礼拝(大江教会 立野牧師)から始まり、昼食をはさんで14時30分の閉会礼拝(ルーテル学院中・高チャプレン 崔牧師)まで、熱心に作業が行われました。
 全員での布団干し、その後各グループに分かれて、建物の内外、外回りの樹木の伐採・草刈りなど作業は隅々にわたりました。どのグループも教会と学生が協力して取り組みました。参加者が多かったので、多くの作業をこなし、見違えるようにきれいになりました。 昼食の親睦のときは、楽しい語らいがあちこちで見られました。また、教会・学院ごとの紹介をして互いの交流もしました。ルーテル学院の古屋事務局長からは、阿蘇山荘の歴史と現状についての話がありました。50年前に広大な自然の中に創設されたこの施設は、ルーテル教会のキャンプ場として唯一現存していることなど、また、この施設のために尽力いただいた方々がいることも知りました。
 現在は九州ルーテル学院の管理下にありますが、貴重な施設の清掃をこれからも続けていかなければと改めて思いました。晴天に恵まれた初夏の阿蘇で、多くの方々と一緒に作業をして、いい汗をかき、恵みの多い一日でした。きれいになった阿蘇山荘では、8月に九州教区の中高生キャンプや夏期聖書学校が予定されています。皆さんもどうぞ、団体でも、家族でもご利用ください。
 (お問い合わせは九州ルーテル学院まで)

日本福音ルーテル教会 常議員会報告

 6月9日から11日にかけて3日間、4月末の全国総会で選任された常議員が市ヶ谷センターに集まった。第26回総会期最初の常議員会であった。 
▼総会議長の基本方針
 前期に引き続いて、総会議長に選出された立山忠浩議長は、まず、今期の基本方針を議長報告に沿って述べた。  
 「第一は、第六次綜合方策(2012~2020年)を遂行するのが使命と考える。具体的な実行のために優先事項を絞り込む。[宗教改革500年記念事業]、[震災支援]、[財務問題]の三項目へと優先的に取り組む。
 更に、先の全国総会で出された意見や要望のなかで、[新式文に関すること]、[社会問題についての姿勢]は懸案事項として、今期にそのあり方を取りまとめる」。
▼諸活動及び委員会報告事項
 事務局長及び事務局4室長、各教区長、諸委員会から、合わせて22の報告がなされた。いずれも重要な要素となるが、あえてこの紙面では、今回の特記事項として五つを列挙して報告を説明したい。
①新体制になった各教区長報告=全国5教区でも3月に実施された教区総会を経て、常議員交代が生じ、新組織の構成が記されている。
②信仰と職制委員会からの「死刑制度に関しての答申」=2009年に常議員会より二つの事柄が委員会に諮問された。当時、裁判員裁判制度の開始を巡る状況に対し、教会員がどのように処するべきかが課題となり、日本福音ルーテル教会(JELC)としての立場を定めるために、一つは「裁判員制度について」、もう一つは「死刑制度について」のとりまとめを委員会に求めた。前者の答申は速やかに提示されたが、死刑制度に関する教会の対応は、課題のまま残った。そしてこの度、第25期委員によりその答申がまとめられた。常議員会では、若干の修正を加えた上で、JELCの基本方針としてこれを受理した。
③世界宣教委員会=「ブラジル伝道」に関する報告において、委員長が受け取った現地からの現状報告に加えて、宣教師の派遣延長を願う意向が示されてきており、この経緯が説明された。常議員会は、これまでの経緯を確認して、現地関係教会等に伝える方向性を定めてゆくものとした。
④式文委員会=全国総会では、改訂作業を続けてきた新式文案に、試案の一つとなるメロディをつけて、実演がなされた。この改訂作業は、2007年に常議員会より10年を目標にして式文を改訂するための委託を同委員会が受けて、既に7年を積み重ねてきており、その進捗報告となった。総会の議場では複数の意見や要望が出され、これに対する対応と今後の進行を協議すべく、本常議員会には、平岡仁子委員長に出席を願って、課題確認とこれからの進め方についての協議が行なわれた。
⑤LCM会議報告=JELCは、その開設母体となった海外の教会、諸団体と宣教協約を結び、連携を保ってきた。アメリカ福音ルーテル教会(ELCA)、フィンランド・ルーテル福音協会(LEAF)、ドイツ・ブラウンシュバイク州福音ルーテル教会(ELCB)とは、教会間相互の交流と可能な宣教協力の推進について協議するため「宣教協力会議」(LCM会議)を重ねてきた。2014年はELCA及びLEAF代表者とJELC執行部間での個別協議会が日本で開催され、その内容を報告している。なお、ドイツとは2017年を念頭に、連携の保持を意図した交流に努めた。
▼申請事項・協議事項
 まず、今期の宗教法人責任役員8名と、事務局の中におかれる4室長が決定された。総務室と管財室に青田勇師、広報室を新たに安井宣生師(本郷教会)、宣教室を白川道生師(事務局長兼務)が担当する。
 続いて、教会建物の老朽化に伴う対策に類する申請が審議された。宣教の歴史の進展は、その礼拝堂及び牧師館建物の経年劣化という課題と並行する。これに対処する「土地建物回転資金」の借入等の申請が4件あり、いずれも承認された。
 また、全国総会で事業計画提案がなされた「宗教改革500年記念事業」において、事業会計に関して「特別会計の設置」が決議された。当初、出版事業に多額の準備金確保が必要と予測されたが、出版社との事前調整の結果、販売委託方式を取る合意によって、初期の資金準備を抑えることが可能になり、事業予算の規模は690万円となった。
 なお、全国総会で承認された事業計画の概要は、今後「機関紙るうてる」をはじめ、順次各教会にも説明がなされてゆく予定となっており、全教会的な広がりを指向した取り組みが始められていく。
  なお、この他の事項を含む詳細は、教会宛に送付される議事録をお読みください。 事務局長 白川道生

ルーテル・医療と宗教の会 公開講演会報告

 子どもが「お父さん〇○ってどうして?」と尋ねてきた際の「その仕組みはね、△△から始まって、だから□□となって、●●になってしまう。分かったね。以上、おしまい。」という父親の説明は極めて科学的(形而下的)です。しかしそれでは、子どもの「なぜ?」、例えば、なぜ人は病気になるのか、なぜ人は死んでしまうのかなど、形而上的問いにはまったく答えておらず、そこに科学の限界があるとの指摘から講演が始まりました。
 ルーテル・医療と宗教の会の公開講演会は、6月15日、ルーテル市ヶ谷センターで開催されました。お招きした講師は信州大学教授の谷口俊一郎先生です。谷口先生は分子腫瘍学という、がん研究の最先端をいく研究者であると同時に松本教会のメンバーでもあります。
 講演テーマ「がん研究から学んだこと―がんとの闘いから共生へ」から想像して、かなり難解な内容かと覚悟していましたが、眠くなるどころか、絶えず興味が湧き上がってきて、あっという間の2時間でした。
 谷口先生は「がんは遺伝子の病気です。がん細胞は遺伝子の構造変化やその働きの異常が蓄積して生じます。」と結論をまず述べられます。ドッキリしますが、個人としては病気でも、人類が進化して今にいたるプロセスに重ね合わせると、遺伝病とはある種の個性であり、かつ進化の必然にもなると説明を聴けば納得するのです。
 最後に、「ガリレオ以降、科学は『How?』を追及してきたが万能ではない。『Why?』には応えられないけれど、科学の不思議を学ぶ中でそれを超える存在も知ることができた。冷たいと思われる科学から得た、温かい情報です。」と述べられました。谷口先生の信仰告白のように感じたのは私だけでしょうか。
 ルーテル・医療と宗教の会は1993年の宣教100年をきっかけに、ルーテル教会に所属する医療従事者と牧師有志によって結成されました。毎年、医療にかかわる様々なテーマで公開講演会を開催しています。
ルーテル・医療と宗教の会世話人代表 原 仁(むさしの教会)

公   告

 この度、左記の行為を致しますので、宗教法人法第23条の規定に基づき公告致します。
2014年7月15日
 宗教法人 日本福音ルーテル教会 代表役員 立山忠浩
信徒利害関係人 各位

合志教会土地無償貸与
・所在地 熊本県合志市合生
・所有者 日本福音ルーテル教会
 地番 3937番4
 地目 宅地
 地籍 1,639.91㎡
・理由  社会福祉法人菊池愛泉会「愛泉保育園」の幼児保育事業のために土地を無償貸与する。貸与期間は契約締結日から10年間とする。

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