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機関紙るうてる

るうてる 2018年10月号

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説教「宗教改革501年 福音の表現者に」

ユダヤ人の過越祭が近づいたので、イエスはエルサレムへ上って行かれた。そして、神殿の境内で牛や羊や鳩を売っている者たちと、座って両替をしている者たちを御覧になった。イエスは縄で鞭を作り、羊や牛をすべて境内から追い出し、両替人の金をまき散らし、その台を倒し、鳩を売る者たちに言われた。「このような物はここから運び出せ。わたしの父の家を商売の家としてはならない。」(ヨハネによる福音書2・13~16)

宗教改革500年の時にあなたは何をしただろうか?教会で色々と勉強会や催しをしたであろう。そこでもう一つ質問をしたい。その機会を通してキリストの福音は教会の外に拡がったであろうか?
そのような問いと共に私はここ数年、福音を携え教会の外へ外へと向かうようにしてきた。
その中で昨年とあるバーにて異業種間の交流会が行われ出向いた。コンサルタントをしているビジネスマンが「牧師さん!聖書の話をひとつ説法してくださいよ!」と言うので、私はヨハネ福音書8章を朗読した。律法学者たちが姦淫の罪を犯した女性を捕らえ、石打ちの刑に処すか否かの問いに主イエスが「罪が無いものからこの女に石を投げよ」と答える有名な物語である。
朗読を終え、メッセージの冒頭に「皆さん、今読んだ聖書の物語は理解できましたか?」と尋ねると、「意味が分からなかった 」とほぼ全員が答えた。この物語は比較的、物語として分かりやすく、その意味合いも深く、そして伝わりやすいと考えていたのは私の勝手な思い込みだった。
これは象徴的な出来事であったと思う。そしてこれは聖書の翻訳云々の問題ではなく、聖書とそこに書かれている物語、そしてそれを語る者が外の世界に全く晒されていないからだと私は直感した。
時は違えど、ルターが見、衝撃を受けた光景。当時大変貴重であった聖書が、大学の図書室に鎖で固定されていたというその衝撃を私も受けた。人々に救いと自由を与えるべき聖書の言葉は、狭いキリスト教界の中で、鎖で締め付けられているのだ。読み上げて相手に届かない聖書の物語に対し、私が更に難解な専門用語で解説しても、残念ながらそれは他者の魂には届かない。その現実をバーにて肌で感じた。それなりに他者に伝わる言葉や行動を選んでいたつもりであったが、私は知らず知らずのうちに教会を小さな村社会、そして分かる人にだけ分かるというようにタコ壺化させていたように感じた。
そして福音の評論家よりも福音の表現者でありたいと強く願った。主イエスもルターもまず神の言葉の表現者であった。ヨハネ福音書のイエスはその布教活動の冒頭から神殿の中で大暴れをしてしまう。生贄の販売や両替も祭儀に必要な事であった。だが主イエスは過ぎ越しの祭りという解放と自由を祝う奇跡の祭りが近づく中、形骸化した宗教をひっくり返さずにはいられなかったのであろう。反感を買っただけでは済まされず命を狙われ、そして弟子たちからも理解されなかった。それでも真の自由を人々に届ける為にそうせざるを得なかったのだろう。「誰にも理解されない。けれどもやらずにはいられない」これこそ福音の表現であり、アートであり、そしてキリストによる宗教改革であったのではないだろうか。
私もこのキリストに出会い、そしてこんなキリストに救われた一人であった。そしてこのキリストに貰った自由を人々に届けたいと願っていた。だが気が付けば当たり障りのない言葉で無難に福音を語り、できるだけ批判されずに教会を発展させるという調子のよいスタンスで働いて来た気がするのだ。大胆に福音を語り、そして教会の外に出かけて行く時、それは批判の対象になるだろう。けれどもそれが福音であれば、改革を止める事はできない。キリスト教の専門用語だらけの説教や祈り、日曜日10時半に行われる礼拝、これまでのフォルムで福音を届ける限界はとうの昔に来てしまっていたのではないか。教会の中に鎖で縛られた聖書、信者の心の中に閉じ込められた福音、それを解放するのはいつだろうか。
宗教改革501年の時に生きる私たちは福音の為に何をしているだろうか。そしてそれは私たちの社会にどんな意味を与えているだろうか。宗教改革の教会に生きる私たちは福音の表現者であり、アーティストだ。その表現はひとつであり得ない。何をも恐れずキリストの福音を表現し、世界に発していきたいのだ。
日本福音ルーテル東京教会 牧師 関野和寛

コラム 直線通り  久保彩奈

⑦「静かにささやく声」列王記上(19・12)

授業で手を焼くほど、やんちゃなサッカー部の生徒たちが聖書科研究室にやってきました。
「先生、今度試合観に来てよ!今、俺たちすごい頑張ってるからさ。絶対に勝つよ!先生が来たら、神様も味方してくれる気がする!」
いやいや、神様は君たちをいつも応援してくれているよ。だけど、わざわざお願いに来てくれたので応援に行きました。負ければ引退となる大事な試合。天気はあいにくの雨でした。いつものプレーをピッチで発揮できず、惜しくも敗れてしまいました。雨でずぶ濡れの姿は全身で泣いているようで、とても悲しい引退試合となってしまいました。
試合翌日、抜け殻のようになった彼らは再び聖書科研究室にやって来ました。 「先生、昨日は応援ありがとうございました」と深々とお辞儀をし、ソファに座るも重苦しい空気が漂っていました。「俺たち、なんで負けたんだろう」、「祈りが足りなかったのかな」 。
そんなことない、と言おうとしましたが、遮られる形で他の生徒が言いました。「いや、俺たちはたくさん祈ってきたよ。それでも負けたんだ。俺は今、悔しいけど、神様にこの悔しさを乗り越えろって言われてる気がする」
勝つか負けるかのスポーツの世界。優勝チーム以外は全てのチームが負けを体験します。しかしスポーツの厳しさ、悔しさからも神様の声が聴こえることを、生徒から教えられました。
わたしも、人生のあらゆる場面で、神様の静かにささやく声が聴こえる人でありたい、そう願うのです。

議長室より 大柴譲治

か・え・な・い・心

各地で災害が続いていることに心を痛めています。尊い命を奪われた方々、被災された方々、救援活動に関わる方々のために、ご一緒に祈りを合わせたいと思います。
2014年の春から私は上智大学のグリーフケア研究所に関わらせていただいています。それは2005年に起きたJR福知山線脱線事故を契機に設置された研究所で、グリーフ(悲嘆)を抱える方々のためグリーフケア/スピリチュアルケアの専門家を養成する研究所です。私は自分の専門である臨床牧会教育の立場からスーパーバイザーの一人として大阪のサテライトに関わっています。ケアをするためにはまず自らケアされる経験が大切ですが、まず自分が生育歴で体験してきた「悲嘆」を深く見つめてゆく必要があります。それを共感的な受容と傾聴を基調とするグループの中で共有してゆくのです。このことについては別の機会に記したいと思いますが、今回は昨年7月に105歳で召され、長く研究所の名誉所長を務められた日野原重明医師の言葉をご紹介したいと思います。それは「か・え・な・い・心」という対人援助職の基本姿勢です。
「か・え・な・い」とは「かざらず、えらぶらず、なぐさめず、いっしょにいる」ことです。悲嘆は人の五感を研ぎ澄ませてゆきますから、相手がどのような姿勢で自分に向かい合ってくるかを敏感に察知します。そのためにまず、飾らず正直に相手に向かい合う真摯さが求められます。そしてそこでは偉ぶらず、上から目線でもなく、謙虚に相手に向かい合うことが求められるのです。
三番目の「慰めない」という言葉に私は一番ハッとしました。相手は慰めのないところで悲しんでいるにもかかわらず、私たちはすぐに慰めを求めてしまいがちです。安易な慰めに逃げようとしているのは私たち自身かもしれません。深い「沈黙」の中で、自分の無力さを感じながらも相手と一緒にそこに留まり続けることが求められているのです。最後の「いっしょにいる」を私は「相手と息を合わせる」という意味で理解しています。聖書でspiritは「息」とも 「霊」とも「風」とも訳されますが、スピリチュアルケアとは実は「神の息によるケア」でもあります。「喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣きなさい」(ローマ12・15)と聖書にありますが、喜ぶ者には喜びの息があり悲しむ者には悲しみの呼吸がある。呼吸を意識しながら向かい合う相手と息を合わせ、私たちは悲しみの中に降り立って一緒にいるのです。慰めの主の霊の臨在を祈りながら。この「か・え・な・い・心」を大切にしながら、今ここを生きてゆきたいと願っています。

第5回 るうてる法人会連合全体研修会報告
石倉智史(るうてるホーム常務理事)

8月21日~22日、大阪教会を会場に標記研修会が行われました。過去4回の研修会においては、日本におけるキリストの福音理解からはじまり、私たちのミッションについての学びを深め、それをどのように将来へ繋げていくかを共有してきました。今回は日本で起こっている様々な社会的状況から、法人会のそれぞれの事業を取り巻く環境の変化を知り、将来予測を立てるための気づきを得るため、「30年後の日本に必要とされる『私たちの働き』とは」というテーマにより開催しました。
1日目、開会礼拝の後、社会福祉法人慈愛園の潮谷義子理事長より「歴史にピリオッドとエポックがある―未来の鍵を求めて―」との講演をいただきました。内外の歴史上の出来事から、現在を読み解き、今後起こりうる社会的状況や法人会連合をとりまく様々な課題など、示唆に富む講演となりました。この講演を受けて、業務関連法人ごとのグループワークにおいてSWOT分析に取り組みました。事業をとりまく内外の環境要因について意見を出しあいながらまとめていき、「外部環境の変化に対して自組織の強みを活かしてどのような手が打てるか」という観点で戦略の候補について話し合いました。
2日目は、法人会連合の視点から新しいグループを作り、今回のテーマ「30年後に必要とされる事業となるために」を目標として、「戦略マップ」の作成に取り組みました。 手法としては、バランススコアカードの4つの視点(財務の視点、事業対象者の視点、業務プロセスの視点、人材と組織の成長の視点)について検討し、目標に向けて進むべき道筋を確認し、それぞれ発表しました。時間的な制約もありましたが、参加者全員が真剣に自分たちの事業の将来や法人会連合の可能性について話し合うことができたのではないかと思います。結びに閉会礼拝が行われ、西日本豪雨の被災者支援への献金をし、プログラムを終了しました。
今回は63名の参加者(講演会には84名)が与えられ、1日目の交流会へもほぼ全員が参加し、楽しい時間を過ごすことができました。私たち法人会連合が共同体としての存在   意義を高め、将来への意欲をもって事業に取り組んでいけるよう、研修の成果に期待したいと思います。

全国青年バイブルキャンプ報告
竹田大地(TNG委員会ユース部門担当)

8月20日から22日の3日間、東京三鷹の神学校を会場にして第6回全国青年バイブルキャンプが開催されました。今年は3名と参加者は少なかったものの充実したプログラムとなりました。
今年は、森優先生の著書『だれにでもできる楽しい聖書研究法―聖書研究の手引き』を参考図書にして、み言葉から神様のみ心を受け取り、メッセージにするということにチャレンジをしました。
青年たちが教会において教会学校、礼拝での証言などの奉仕をするにあたって、その方法の一つとして学びを深めました。また、TNGのルーテルこどもキャンプ、春の全国ティーンズキャンプ、各教区の夏のキャンプなどでスタッフを担うにあたって、み言葉との向き合い方を学ぶことによって、リーダーとして、プログラムスタッフとしての働きの助けになると考えています。
参加者は、与えられているみ言葉を、黙想を通してみ心を受け取り、そこからキリスト者としてどのように応え、歩んでいくかということをメッセージにしました。三者三様のメッセージとなり、同じみ言葉から聴いても、神が豊かにそのみ言葉に恵みを顕してくださっていることを参加者は味わう機会となったと思います。
TNGの最終段階であるユース部門は、青年たちが教会の奉仕者として成長することの一助となれるようにプログラムを考案、実施しています。教会では、青年の働きが期待されています。しかしながら、そのような中でどのように働けばいいのか分からないという声を聞きます。手法や教会組織について何も知らずにいる青年が多いというのが現状です。青年が、各教会の宣教の一翼を担う人材として成長できるようにTNGユース部門として支えていければと考えています。どうぞそのために皆さんの教会の青年を送り出してください。これからもご一緒に教会成長、宣教を担いあっていければと考えています。最後に、皆さまのお祈り、お支えをこの場を借りて心より感謝申し上げます。

西日本豪雨災害の現場から 西教区書記 水原一郎

「生きるも地獄、死ぬも地獄じゃねえ」。7月13日、海路2時間で広島湾の瀬戸を越え、呉市安浦町の被災宅に入ることが出来ました。外の街道は未だ泥水が流れる状況でした。被災家屋内は、水こそ引けど「泥の海」状態でした。作業中、緊急アラームが携帯電話を持参していた全ての人の胸元から響きました。背筋が凍り、足が震え、作業の手を止め、携帯を開いて速報を見ました。呉市が近郊での「避難指示(緊急/土砂崩れ)」を発令していました。被災宅の方も通知を見、嘆きながら叫ばれた言葉が冒頭のものです。
7月上旬、梅雨前線と台風による長雨は「西日本豪雨」と名を変え、歴史に名を刻み、各地につめ跡を残しました。安浦町の山裾では今も文字通りの「つめ跡」が目視できます。松本義宣西教区長の指示によって、日本福音ルーテル教会西教区は7月7日の初動情報収集から支援活動をさせて頂いています。加えて、日本福音ルーテル教会はもとより、アメリカ福音ルーテル教会、日本ルーテル教団、西日本福音ルーテル教会、九州ルーテル学院高校、ルーテル学院大学の方にもボランティア協力を頂きました。
8月30日までの活動人数を手元の記録でまとめれば、延べ89名の方々が安浦町にてご助力をくださいました。しかし初動からの物資集積を含めれば、110名を超える方のご助力があったことは確かです。そして、祈りと連帯献金にご協力くださっている上記団体を含む皆さま、私たちは皆さまの祈りの果実として働いているだけのものに過ぎません。
教会関係者そして安浦町に来られたボランティアの方々のご助力で、大正中期建築、広大な敷地と間取りの被災宅は徐々に整えられていきました。九州教区や「わかちあいプロジェクト」からの高圧洗浄機は、浸水家具の洗浄や、目詰まりした道路清掃に役立ちました。7月下旬からは、被災宅を中心としたその周辺宅にもお声掛けさせて頂き、給水や泥上げ支援など、必要とされていることの手伝いをさせて頂いています。
当初支援の被災宅では今も整理が進められていますが、生活復旧に向けた取り込みも少しずつ始められています。一方で被災宅の方は、今後も住まわれることになる安浦町のために、何か出来ないかという思いもお持ちのように見受けます。また安浦町では、特に山間部を中心に「ほぼ手付かず」のお宅が8月下旬でも見受けられましたし、さまざまなご事情で支援の申し出自体をためらっておられる方も見受けます。
ご高齢の男性がお一人で床下の泥上げをなさり、お一人の女性が浸水植木を前に途方に暮れ、地元の小学生が一人で一輪車を押して泥を捨てる後ろ姿に心が痛みました。復旧を独力でなさろうとするご家庭はまだ日本各地にも安浦町にも点在していることは確かです。安浦の方々の日々の労に長く寄り添うことで、安浦町に仕えていきたいと思います。

日本聖公会とのエキュメニカルキャンプ報告

宗教改革500年を記念し、ルーテル世界連盟と世界の聖公会とが共に祈ることを目指し、黙想集『神の恵みによる解放』が作成されました(本紙6月号、7月号に掲載)。8月19~21日、この黙想集を実際に用いて集う機会を持ち、スタッフを含めて両教会から青年層を中心に12名が集いました。信州の森の中で語り合い、賛美し、食卓を囲み、毎日聖餐を分かち合う、豊かな祈りの交わりを過ごしました。ルーテルの参加者から寄せられた感想をお分かちします。
●エキュメニカルに関連する活動に参加するのは初めてでしたが、クリスチャンというバックグラウンドを共有するせいか、初対面の方々にもどこか親戚に感じるような親近感があり、共に喜びを分かち合って有意義な時間を過ごすことができました。日々の喧騒から離れ、自然の中で心静かに聖書を味わい、神様と向き合う時間を持つことができたことも収穫だったと思います。このひと時を守り祝福してくださった神様に感謝します。(江浦瑛子)
●緑豊かな中、神と、御言葉と向き合った後、ペアの相手と語り合いました。自分一人では辿り着くことの出来ない新たな気付きがあり、祈りが豊かにされました。私は「神の愛を伝える者として歩みたい」と改めて決心しました。繰り返し御言葉や祈りから神の愛と力を頂き、歩んでいかなければと考えます。印象的だったのは聖餐式。 一つの杯から共にぶどう酒を受けました。教派を超えて一つとされる神の愛の働きを感じました。神に繋げられる働きがこれからも豊かに与えられるようにと祈ります。(小石澤麻美)

ポスタープレゼント

宗教改革500年記念事業の際に作成されたポスターを差し上げます。
一般の方々にルターとルーテルの関係を示し、宗教改革の始まりから500年を告げる目的でバナーの設置に協力いただきました。また、それを設置した様子を撮影した写真をお送りいただき、それを用いてひとつの木に連なる私たちであることを表現するポスター�@を作成し配布しました。多めに作成したこともあり在庫があります。教会・施設、個人を問わず、ご希望の方に送料実費にてプレゼントします。
また、長崎で行われたローマ・カトリック教会との共同記念のポスター�Aも差し上げることができます。事務局へお申し込みください。在庫がなくなり次第、配布を終了いたします。

北海道での地震災害と連帯献金について 事務局長 滝田浩之

9月6日に震度7を記録した北海道胆振東部地震とそれによる大停電により、大きな被害が生じました。被害に遭われた方々のご苦労とお悲しみに、心よりお見舞い申し上げ、主の慰めと励ましとをお祈りいたします。また復旧のために尽力する方々も主のみ腕に支えられますように。
幸いにも北海道特別教区の全ての教会(帯広教会/池田・帯広・釧路、札幌教会/札幌・札幌北・新札幌、函館教会、恵み野教会)とめばえ幼稚園、そこに連なる方々に甚大な被害が及ぶことはありませんでした。日本ルーテル教団の諸教会も無事であったとのことです。当教会の各礼拝堂の停電は9月8日夕方までにはすべて解消され、「多少の不便はあっても、いつもの場所でいつもの時間にそれぞれ礼拝の恵みを分かち合う事ができたとの、嬉しい報告がありました」(岡田薫教区長)。電話などで安否確認はできていても、顔と顔とを合わせての礼拝の交わりに大いに力づけられる時とされたとのことです。尚、恵み野教会(恵庭市)で9月8日に予定されていた教会バザーは9月29日に延期しての開催となりました。
7月以降、西教区西中国地区の牧師と信徒を中心に支援活動を開始し、「豪雨被災者支援」募金による連帯を呼びかけ、皆様のお祈りとご協力を頂いてきました。感謝いたします。9月8日現在で、570万5224円の連帯献金が寄せられました。
この度の北海道での大地震を受け、教区長会において協議がなされ、西教区での活動の継続的な応援と北海道の地震による被災者の支援活動への支援として重ねてのご協力を呼びかけることとなりました。寄せられた募金に残余が発生した場合は、今後の災害緊急支援に使わせていただきます。

■募金期間 2018年7月13日~12月31日
■送金先 ゆうちょ銀行  振替口座  00190-7-71734  口座名義 (宗)日本福音ルーテル教会
他銀行のからの振込の 場合(口座名義は同じ です)
ゆうちょ銀行 〇一九 (ゼロイチキュウ)支店、 当座預金、口座番号0071734
振替用紙に「被災者支援」と記入、もしくはネット送金の際には、お名前に続けて、カタカナで サイガイ と記入してください。恐れ入りますが、振込手数料はご負担ください。

ブックレビュー
『ルターはヒトラーの先駆者だったかl宗教改革論集』
(宮田光雄著/新教出版社)

「神の寛容」沼崎 勇

著者によれば、宗教改革500年記念をめぐって、近来、再燃してきたのは、ナチズムに対するマルティン・ルターのユダヤ人文書の影響、という問題である。特に批判されているのは、晩年の著作『ユダヤ人とその虚言について』(1543年)である。ルターは、この文書の中で、領主に対して、ユダヤ教の会堂や学校を焼き、住居を壊し、祈祷書を取り上げ、ラビに教えることを禁じ、領内から追放せよ、と訴えていた。しかも、領主が行動を起こさない場合には、牧師たち自身が必要な対処をとるように求めていたのだ。
哲学者のカール・ヤスパースは、すでに1950年代初めに、こう記していた。「ヒトラーが実行したことはルターが勧告していた通りだった、ガスかまどで直接に殺害することを別にすれば」と。実際、ナチ主義者たちは、ルターのユダヤ人文書の言葉を、ユダヤ人迫害の正当化のために援用したのである(245~251頁)。
しかし著者は、ルターのユダヤ教批判を、ルター自身の信仰義認論から読み直す。そして、「人が義とされるのは律法の行いによるのではなく、信仰による」(ローマ3・28)というパウロの言葉を解説した論文(1536年)の中で、ルターが「神の寛容」という言葉を用いていることに注目する。
著者はこう述べている。「神のみ前にあって、さまざまの偽善や不正、悪をなすにもかかわらず、人間は信仰によってのみ義と認められ、神によって受け入れられる。この出来事をルターは、『理解し難い神の寛容と知恵』と呼んでいる。この圧倒的な恩恵は、すでにわれわれが神の『敵であったときでさえ』(ローマ5・10)妥当するとされている……。してみれば、ルターの信仰義認論がユダヤ人を適用外として除外することは本来ありえないはずである」(259頁)。ルターはヒトラーの先駆者ではない、という著者の結論に、私たちは同意する。

春の全国Teen’sキャンプ 2019 in千葉 スタッフ募集のお知らせ

来年の春の全国ティーンズキャンプは、2019年3月26(火)~28日(木)に、千葉県長生郡長柄町にある「千葉市少年自然の家」にて開催されます。
3月25日(月)に現地で行われる前日準備日と、春キャンの2泊3日を参加者と一緒に過ごしてくださるスタッフを募集します。
募集スタッフは、リーダー、オーディオ、マネジメント、賛美です。
◎リーダー
ティーンズに心をくばり対話し、信仰的に導きます。
◎オーディオ
キャンプのプログラムを支えるスライドの作成や 機材管理をします。パソコンが使える人、カメラが得意な人、編集に興味のある人など。
◎マネジメント
裏方としてキャンプの運営に関わります。
◎賛美
楽器の演奏や歌で、賛美を導きます。
募集条件
1.前日準備日とキャンプ 3日間の全日程に参加で きること。
2.リーダーについては、20歳以上の受洗・堅信者で あること。
申し込み
下記①~⑥についてすべ て記入し、メールで申し 込んでください。
(応募の結果により、ス タッフの決定は人数や予 算の関係でご 要望に添 ない場合もあります。ど うぞご了承ください。)

①名前、教会名、応募について承諾を受けた所属教 会牧師名
②受洗日、堅信日(未受洗者は未受洗と書く)
③募集スタッフの中から、あなたが希望する役割
④現在、あなたは1ヶ月に何回ぐらい教会の礼拝に参加していますか
⑤好きな聖書箇所
⑥「創造」と聞いてあなたは何を思い浮かべますか。また、「創造」はあなたや社会とどのように関係がありますか。自由に書いてください。

申し込み先  harukyan.moushikomi @gmail.com(永吉)
締め切り2018年 12 月2日必着
注意事項
なお、キャンパーへの影響を考え、キャンプ中や引率時の喫煙は控えてください。
主催 宣教室 TNG委員会 ティーンズ部門、北海道特別教区、東海教区、西教区、九州教区
協賛 日本福音ルーテル社団

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