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るうてる2007年

るうてる《福音版》2007年8月号

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バイブルメッセージ  ありのままに

神は御自身にかたどって人を創造された。 創世記1章27節a(日本聖書協会・新共同訳)

「あれ、あの木は桜だったんだ。」
花を見て初めて、それが何の木であるかを自覚する。
でも、花を咲かせる季節を木が選ぶわけではない。
葉をつける季節も努力して選ぶわけでもない。
なんとなく見ていた木も、ずーっと目を凝らして見ていた木も
なんで今、花を咲かすのか?
なんで今、新緑に輝くのか?
なんで今、赤や黄色に色づくのか?
なんで今、枝をのばしているのか? なんで……
温度が変化するから? それとも周りの木々が変化を始めるから、慌てて周りに合わせているの?
――違うよ。
木は与えられる「時」を待っている。自分が木であることを不満に思ったり、否定したりしない。
そんな木々や自然の草は私たちに教えてくれる。
自分に立ち止まることを。
ゆっくり深呼吸して与えられている「今」を感じることを。
季節を、そして与えられる「時」を。
――私たち一人ひとりには「時」が与えられている。
新しい目覚めの時、人と出会う時、季節や自然に出会う時
すべての一瞬一瞬は与えられている。
その中を生かされるということは、きっとすごいんだなぁって思うんだけど
生かされている今を生きるにはちょっぴり勇気がいる。
それは、時を待つこと。
自分は一人ではどうしようもないこともあると認めること。
立ち止まること。
「ありがとう」を伝えること。
一つひとつにちょっぴり勇気が必要。
 
――でもね、それでいいんだよ。
だって一人ひとりは違うんだもん。自分のペースでいいじゃん。
木々や草がそうであるように。私もあなたも神様の作品。
誰よりも完全な方の保証付き。
――周りに合わせることもないし、何かにがんじがらめになって頑張ることもない。
木が「時」を待つように。
与えられている今を精一杯生かされるように。
あなたはあなたらしく、生かされればいい。
――それは、どうすればいいの?
それは私たちに今を与えてくださる方に相談してみようよ。
あなたの傍らにいつも共にいらっしゃる方に。
ちょっぴり勇気を出して。

あなたらしく生かされて生きるとき、きっとあなた色の花が輝くでしょう。

大人を育てる絵本からのメッセージ

おれはティラノサウルスだ  宮西 達也(作絵)/ポプラ社

 絵本というと小さなこどものための本というイメージがありますが、大人にとっても生きるヒントになる本がたくさんあります。ここでは子育てという視点でお話をしていますが、あらゆる人間関係においてもお役に立てていただければ幸いです。

子育てのゴール

 子育てのゴールって何でしょう? どうなれば子育ては完了と呼べるのでしょう? その答えは人それぞれ違うのでしょうけれど、「独りで生きていく力を身につけること」がひとつの目安ではないかと、わたしは思います。人の命の長さは、神様にしかわかりません。
 しかし、親が自分の子どもの面倒を一生みてあげられない可能性は高いと考えると、それまでに子どもが独りで生きていく力を身に付けさせてあげたいと思いませんか。

子離れするということ 

 この絵本の中で、プテラノドンのおとうさんとおかあさんは愛情いっぱいに大切に子どもを育てます。言葉と態度と行動で、生きるために大切なことを教えるのです。おとうさんは、「強い子になってほしい」と願い、たくさんごはんをあげ、飛び方を教えました。おかあさんは、「やさしい子になってほしい」と願い、「どんな人でも、困っていたら助けてあげるのよ」と教え、雨の日も子どもを翼で守りながら、やさしくだっこして寝かせました。いつしか子どもはおとうさんと同じくらいに成長しました。生きるために必要なことをすっかり教えた両親は、独り立ちさせるために大きくなった子どもを残し、あとは、自分自身の力でがんばるのだよと涙ながらに飛び去るのです。
 親離れよりも子離れは難しいというのは、よく言われていることですが、胸がキュンとするシーンです。

育てたように子は育つ

 まだうまく飛ぶこともできないプテラノドンの子は、淋しくて泣きつかれて眠ってしまいます。そこに、おいしい獲物を狙ってティラノサウルスが迫ってくるのですが、もう少しで獲物に手が届くというところで崖から落ちてしまい、気を失い、目も見えなくなってしまいます。逃げようとしたプテラノドンの子は、「どんな人でも、困っていたら助けてあげるのよ」というおかあさんの言葉を思い出します。プテラノドンの子は、おかあさんが自分にしてくれたように雨からティラノサウルスを守り、おとうさんが自分にしてくれたように食べ物を運んで看病をします。そして、おとうさんが教えてくれたことを思い出し、最後にはついに自分の力で夜空に向かって飛び立ちます。
 両親が大切にしてきたことを胸に自分自身の力で生き始めるのです。

どんな人になってほしいですか?

 大人がうまくいかないことを人のせいにばかりしていると、それを見て育った子どももすぐに人のせいにする子になりますし、失敗を責められて育った子は、失敗を恐れる子になります。思いやりをもってゆっくりゆっくり育てていけば、子どもはやさしい子になります。ひとりでやりとげることを見守ってあげれば、自信と自主性をもった子になります。
あなたが大切にしたいことは何ですか? あなたが大切にしたいことを日々伝えながら、あとは大らかに神様に委ねましょう。育ててくださるのは神様ですから。

HeQi Art 聖書物語

ヤコブの夢

 ヤコブはベエル・シェバを立ってハランへ向かった。とある場所に来たとき、日が沈んだので、そこで一夜を過ごすことにした。ヤコブはその場所にあった石を一つ取って枕にして、その場所に横たわった。すると、彼は夢を見た。先端が天まで達する階段が地に向かって伸びており、しかも、神の御使いたちがそれを上ったり下ったりしていた。
創世記 28章10~12節

たろこまま「いのちを語る」

あなたの未来には希望がある(エレミア31章17節)
拝啓 こどもの家・まきばの家のお友だち、スタッフのみなさま。 『デンマーク牧場』に隣接とのことでしたが、場所は静岡だそうで、まず日本語が通じて良かったです(笑)。パンフレットを拝見するとまきばの家は今年4月オープンとのこと──この原稿の載る夏には子どもたちの声が響き渡っているのかな、と想像すると、嬉しいような、ちょっぴり複雑な思いにもかられています。
子どもにまつわる悲しいニュースが目につく昨今、そちらの児童養護施設で生活するお友だちも年若くして様々な経験をしてきたことと思います。この私も12歳で母が蒸発、その後父が発狂&入院etc、という結構特殊な育ち方をしています。昔は(それなりに)線の細かった自分ですが、今や図太いおばさんになった私(笑)は真っ先に、皆さんへ冒頭の句を思い浮かべます──アナタに私の将来が分かるって言うの? と思われるかもしれませんが(笑)。小太郎もあなたも、祝福されて生まれた命です。私のように絵に描いたような育まれ方はしなかったかもしれませんし、時に考え込み、「もっと自分自身こうだったら良かったのに」と嘆くかもしれません──が、生まれなければ良かった命など一つもありません。 そして、あなたがたった一人の『あなた』でなければ、世界はとてもつまらないものになってしまいます。 そうでしょう、世の中全員オリンピック選手だったらスポーツの意味はなくなるだろうし、まきばの家のスタッフ全員が全員某有名大学出身のただの頭デッカチさんばかりだったら、静まり返ったホールで、毎日パサパサの宇宙食を食べなくてはならなくなるかもしれませんよ(笑)。
冗談はさておき、出来れば避けたかっただろう苦い経験もあったことでしょう。 でも、その痛みすら、将来誰かを癒す可能性を持っているのです(これは人生七転八倒の私が保証? します)。 命って不思議です──マイナスの経験すら、プラスに変えられる無限の力を秘めているのですから。 あなた自身が希望そのものであり、希望で輝くあなたが、また周囲の希望になるのです。希望は命の源です。

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