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機関紙るうてる

るうてる2010年4月号

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あれも愛、それも愛、これも愛

3月7日、教職授任按手式が宣教百年記念会堂にて行われ、高村敏浩氏が牧師補となりました。任地の一つである岡山教会からも牧師と教会員が参列されました。

ユダヤの諺に、「ワインを飲んでいる時間を無駄な時間だと思うな。その時間にあなたの心は休養しているのだから。」というのがあります。逆風に悩まされる時間は、弟子たちにはどんな時間なのでしょうか。

九州学院の元英語教師で、英語スピーチで日本一となる生徒を育てた谷口恭教先生が、著書でこんな話を記しています。
ある会社の人事部の人が、野球部員の就職求人のため訪ねて来ました。監督は、「ただ一人だけ残っています。でも、野球部の戦力としてお使いになるのなら、3年間一回も試合に出たことがありませんから彼を推薦出来ません。」と言います。「そうですか。一度もバッターボックスに立たなかった。よく辞めないで……、辛いこともあったでしょうに。その方、うちの会社に来ていただきましょう。私は将来、我社を支えてくれる人を探していたんです。この人なら幹部候補になります。その人は、涙を知っていますよ。」彼の就職は即座に決まりました。
「甲子園のマウンドに立てる人などほんの一握りで、後はみんな営々と部を支えているのです。自分の技術のまずさに嫌気がさしたり、後輩がレギュラーに抜擢されたりで、止めようと思う人は何人もいるでしょう。でも、その辛い日々は、誰かが知っているんですね。いつかきっと誰かが支えてくれます。今誰も支えてくれないと思っている人は、まだその時が来ていないのでしょう。あなたの涙を知っている人が、この世に必ずいます。」(『生きるっていいもんだ』より)

さて今、弟子たちは湖で突然の逆風に遭遇し、不安のただ中に置かれています。湖での天候の変化、状況に相応できる経験と実績を持っているにも拘わらず、何の手だてもなし得ないでいるのです。それも、イエスがパンの奇跡をなし、病人を癒し、奇跡を行う力ある方であることを目撃しているにも拘わらず、逆風でイエスを見失ってしまっているのです。
これは何も弟子たちだけ限ったことではありません。私たちもその現実の真っただ中に置かれると同じことが言えましょう。不安で一杯になり、イエスを幽霊と見、もう救い主を受け入れることが出来なくなってしまうのです。冷静に見ることの出来ない弟子たちの姿は、同時に私たちの姿でもあるのです。
それに対して、祈るイエスの姿があります。イエスは、十字架につかれる前に、ゲッセマネで祈られました。これは、神の子、救い主であると同時に人の子として、私たちと同じ高さで孤独と不安を味わわれた姿です。そして今日の聖書の中でも、イエスは足を祈りの場へと向かわせ、そこで神と語らいの時を持ち、神との強い絆を明らかにされるのです。イエスが祈られたのも、神と等しくあるイエスが弱い私たちの側にいて下さり、弱さを神に委ねることにより、強さをも与えられることをご存知だからです。不安を超えることが出来るのは、祈ることだとイエスは示されます。祈りは人の世界と神の世界の間の扉の鍵と言えるかも知れません。
そこで聖書をよく見て見ますと、「イエスは弟子たちを強いて船に乗せ」と、弟子たちを「強いて」逆風の只中に置かれています。それは、弟子たちを神の世界に導き、すべてを神に委ねることをイエスが願ってのことであったに違いありません。先ほどの九州学院野球部で、ただひたすらベンチを温めつづけた部員がいました。まさに弟子たちが逆風のただ中に置かれたこととどこか重なる思いがします。谷口先生は、「……あなたの涙を知っている人が、この世に必ずいます。」と言われます。これは、先生自身の神様の救いの体験に裏付けされたものでしょう。すると、「強いて」というイエスの側に身を置くとき、恐れることはないのです。これから遭遇する人生の逆風も、また私たちに突然訪れる試練も辛く苦しいことではありますが、そこにも、神の「強いて」が働いているのです。何も嘆くことはありません。4月1日付けで赴任される高村敏浩氏がこれから遭遇するであろう一つひとつも、神様の「強いて」でしょう。共にいて下さる神様を信じ、宣教者の道を感謝と祈りをもって歩み続けて戴きたいと思います。
「ワインを飲んでいる時間も神様がくださった大切な時間」なのですから、私たちは、「あれも愛、それも愛、これも愛」とすべて起こる出来事が、神の愛の現れであると見なすことができるなら、どれほど幸いでしょう。きっとイエスは、「安心しなさい。わたしだ。恐れるな」と手を差し伸べて下さいます。この一週間も、主の平安のうちに感謝と祈りをもって歩みましょう。
総会議長 渡邊純幸

風の道具箱

どうぞお先に

長女が「普通自動車運転免許証」を取得しました。子どもたちの成長の早さに驚いています。さっそく練習をかねてドライブです。ビクビクしながら乗るのかと思っていたら、わりと平気でした。
さて、初心者は1年間「若葉マーク」を自動車の前後に付けることになります。面倒くさいので、自分が乗る時もそのままにしておきました。するとどうでしょう。初心者の運転と見られるのか、結構まわりの車の無茶苦茶ぶりに驚きます。 急な車線変更や、追い越し、後ろから追い上げてくることも度々です。中には優しく進路を開けてくれる方もいますが、驚異を感じることの方が多いのです。
みんなこの「若葉マーク」をどうみているのでしょうか。「初心者はイライラするなあ」「前は初心者か。うざいな」でしょうか。そのように思われるためのマークではありません。初心者なので配慮してくださいという意味で、若葉の気持ちは「どうぞお先に」です。
神様は私たちを焦らせたりなさいません。人生の歩みも「お先にどうぞ、あなたに合わせますよ」といって下さいます。(柿のたね)

牧師の声 私の愛唱聖句

日本ルーテル神学校校長 江藤直純

三度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか」・・「わたしの羊を飼いなさい」・・「わたしに従いなさい」。ヨハネによる福音書21章17~19節

四十余年前、大学生の時。「君の賜物と若い力を!」、熱心な教会青年は、招きに手を挙げ、軽井沢でのディアコニアキャンプへ勇躍参加した。お盆でも帰る家もない重症心身障がい児六人と十二人の青年が六組の家族を作り、ドイツ人宣教師ヨハンナ・ヘンシェル先生の指導の下、一週間を過ごした。
そこで、僕が経験したのは、歩くことも叶わず、言葉もなく、食事も排泄も万事に介助が要る女の子サッチャンを、ペアのケイコサンとお世話すること。バリアフリーも車椅子もまだない頃、古く大きな乳母車での坂道の移動、おんぶしての階段の上り下り、盥(たらい)でのオムツの洗濯…。福祉も育児も何も知らない僕はクタクタになるまで働いた。
でも、サッチャンはニコリともせず悲しそうな顔(に見えた)。ついに三日目の夜、僕は呟いた、「アリガトウと言えなくても、せめてニッコリしてくれたら」と。
ヘンシェル先生の「エトウ君、サッチャンハアナタヲ受入レヨウト必死ナンダヨ」との一言にハッとさせられた。――なにが無償の愛だ、彼女の気持ちなど思いも及ばずに自分が感謝されることを、自己満足を求めている!自己中心性、自分の罪をはっきりと見た。
施設に送り届けた後、武蔵野教会へ一直線。牧師にキャンプ体験のすべてを、「善行」の奥に潜む己の罪深さをも話した。じっと聴いてくださった石居正己先生は仰った、「そうだね。でも、その君がいたのでサッチャンは軽井沢での一週間を過ごせたのだろう。自分の罪や弱さだけでなく、そのような君をも用いて大きな働きをなさる神様を見なさい」と。
――このあと僕は献身を決意した。こんな僕でも赦して、生かして、ご用のために用いてくださるのなら、欠けも破れもいっぱいだけど、この身を神さまにお捧げしよう、と。

一番弟子であり、あのキリスト告白もしたシモン・ペトロ。なのに、あの三度の否認!主を裏切る弱さ、罪深さ。そのペトロに復活の主イエスは三度問いかけられる、「わたしを愛しているか」。ペトロの本性を百も承知で大事な役目を託される、「わたしの羊を飼いなさい」。そして、躊躇わずこの道を歩くように励ましてくださる、「わたしに従いなさい」。
――牧師にさせていただいて三十四年が経った。

信徒の声 教会と私

三鷹教会  上野輝弥

Qご出身を教えてください。
1930年に別府湾を望む日出町で生まれました。本籍は熊本市新屋敷町で、墓地は日蓮宗の本妙寺にあります。この地に家族が舞い戻ったのは第二次世界大戦の終わりに近い1945年で、九州学院中学校の三年に転入しました。稲富肇院長に迎えられた転入生でしたが、数ヶ月も経たないうちに米軍機の爆撃をうけ熊本中が焼け野原になり、屋敷も焼け8月15日の終戦の日を迎えました。

Qキリスト教との出会い、ルーテル教会との出会いについて教えてください。
終戦後はじめて九州学院がキリスト教の学校であることを知りました。大混乱の中で教育制度が変わり、新制の九州学院高等学校の一年生となりました。召集中の先生たちが軍隊から復職し、飛行予科練習生だった級友もいました。アメリカから最初の客船でこられた宣教師 ミラー先生のバイブルクラス、大江教会に着任された内海季秋牧師の聖書研究会に出席し、友人数人と受洗しました。当時の大江教会青年会には後に牧師となった折田、古財、松本、内海さんたちが居ました。社会福祉を志した泉亮さん、宮崎国立病院院長になられた井上謙次郎さん、防衛医大教授になられた井上鐵三さんたちがいました。敗戦で打ちひしがれた教育から新しい教育へと急転換した時代にあって、若者は焼け跡、闇市をさまよい共産主義かキリスト教かを論じながら学んだ時代でした。内海季秋牧師からルターの「キリスト者の自由」、佐藤繁彦の「ルターの根本思想」、キェルケゴールの「死に至る病」などを解説していただきました。

Qこれまでの三鷹教会との関わりについて教えてください。
1956年にミシガン大学で動物学を学ぶ機会を与えられコロラド河、リオグランデ、アリゾナやネヴァダ州の砂漠で、アジア大陸系で北米大陸で進化した魚を採集し、砂漠に這って化石を採集しました。1964年に創立の日本ルーテル神学大学に迎えられ、西恵三先生(東大・天文学)、松沢員子先生(後に国立民俗学博物館・文化人類学)とともに一般教養を担当しました。武蔵野教会から株分けされた三鷹教会が設立されるにおよび創立当初からの会員となりました。中央線沿線地区の諸教会から多大な支援をいただきました。江藤、立山、太田、平岡の諸牧師を経て、現在の李牧師に至っています。すでに20年が過ぎました。
Qこれからの三鷹教会との関わりとして考えておられることを教えてください。
創立以来、役員、壮年会長、教会学校教師でしたが、信徒の働きとして会員相互の親睦、周辺のコミュニティーへの働きかけとして「われここに立つ会」を立ち上げました。映写会、オープン講座を季節ごとに催し、会員のタレントをお役に立てることとしました。(例:ストレスを乗り越える森田療法;還暦から始めるトライアスロン;水族館で見るお魚の進化などなどを計画しているところです)教会学校の出席者が15名を超えることもあり楽しみです。

私の本棚から

佐々木正美
「子どもへのまなざし」1998
「続・子どもへのまなざし」2001
福音館書店

医学・医療の世界でいえば、佐々木正美先生は極めて例外的な児童精神科医です。筆者にとっては、憧れであり、目標であり、そしてすぐそばで仕事ができたという幸運を密かに誇りに思う先輩医師でもあります。
佐々木先生は、米国ノースカロライナ州を中心に発展した、自閉症児・者への支援法、TEACCHプログラムを我が国に紹介し、実践した先駆者として知られています。ノースカロライナ大学の臨床教授を兼務されていました。しかし、いわゆる大学人・研究者ではないのです。多くの論文やご著書がありますが、研究という視点で書かれたものはなく、大いに触発されるものばかりです。
20年間にわたり、医療の立場から、神奈川県を中心に地域療育という新しいジャンルを開拓されました。ご専門は、ライフサイクル精神保健・医療福祉学とお答えになられています。先生が語りかける対象は、行政関係者や研究者というより、障害がある子どもを持つ親と、その支援に携わる保育士や幼稚園教諭、また小中学校・高校の先生方でした。今振り返れば、先生は障害を論じたのではなく、子育てを説いたことがよく分かります。佐々木先生を慕う方々が集まり、「佐々木セミナー」という勉強会が発足したのは必然だったのでしょう。
「子どもへのまなざし」は佐々木先生の子育て講演集です。ただ、一般の会衆向けというより、打ち解けた雰囲気の、少人数の佐々木セミナーでの講義速記録という趣です。子育てにちょっと迷う、どうしようと立ち止まるときによく効く一冊です。一度でも先生の講演を聴いた方々は、本書の一行一行に先生の心地よいお声が響くでしょう。まだの方々は、お読みいただいた後に、先生の講演会にでかけてみたいと思うに違いありません。
さらに、本書のすごいところは、反響が大きく、読者からの質問とその回答を収録した、「続・子どもへのまなざし」が出版されたことです。佐々木先生のやさしいまなざしを十分に堪能できる至福の二冊をご紹介しました。

横浜市中部地域療育センター所長・日本発達障害学会会長 原 仁
(むさしの教会会員)

日本福音ルーテル教会の社会福祉施設の紹介 その1

特別養護老人ホーム
慈愛園パウラスホーム

社会福祉法人慈愛園 は、大正8(1919)年にアメリカの宣教師ミス・モード・パウラスにより熊本市神水の地に設立され、キリスト教精神による福祉の業を実践し、赤ちゃんからお年寄りまでの生活援助を続けています。
パウラスホームは、昭和38年の老人福祉法施行を受け、翌39年7月に西日本で初めて病弱者老人専用施設として開設しました。
創立当初より、多数のボランティアの方々の支援とともに、超教派の教会婦人会の皆様によるボランティア活動に支えられています。特に設立草創期は便利な介護器具もなく、全くの手作業でした。その中で、教会の婦人会の支援活動は、当時としてはまだボランティアは普及していなかった時代ですから、施設にとって大変ありがたい活動であり、今年で創立46年を迎えようとしていますが、感謝しきれない存在なっています。
当施設は、施設内福祉からさらに地域にひろげるために、昭和62年にデイサービス事業、平成2年に在宅介護支援センターを市より受託、さらに地域の県営団地、市営団地の独居高齢者住宅の生活援助員派遣事業を受託等の地域支援に努めてまいりました。
そして、平成12年より、介護保険法施行に伴い介護老人福祉施設として新たな出発をしました。法施行はそれまでの措置施設から利用者とサービス提供施設・事業所との契約へと、大きな転換をすることとなりました。現在、周辺地域の自治会・民生児童委員協議会・校区社会福祉協議会等との連携や交流の場として、施設が活発に活用されております。
(パウラスホーム 副施設長 石川光男)

高齢者伝道シリーズ(P2委員会)
社会福祉法人 慈愛園特別養護老人ホーム パウラスホーム

施設長 内田栄二(神水教会員)

より安心な高齢社会をめざして

今まさに世界に誇る長寿大国日本。有難いやら、否や。当施設におきましても、世相に左右され影響を受けざるを得ません。
長寿化はめでたい反面、高齢者本人にとっても、周囲の家族にとっても、辛くて長い試練をもたらすことになりました。特に認知症や重度の身体介護を要する高齢者は、今後益々増加し続けます。
身近にいるどなたにお聞きしても、ほとんどの方々がご自身と高齢者のことで、心を悩ましておられます。どなたも高齢者と同居し最期まで看取りたいと願われます。しかし、現実は大変厳しい状況です。
一方、老老介護のケースも多いのです。これも思いとは裏腹に、いつまでも続けることが出来ずに、ある日突然一方が入所(入院)せざるをえない事態が起こりやすいのです。
当施設においでになるご利用者やその家族、入居相談におみえになる家族の方々は、夫々に長寿社会がもつ重荷を背負っておられます。 当施設の掲げる聖書の言葉は、「自分を愛するようにあなたの隣人を愛しなさい」です。この言葉は、特に昼夜を分かたず介護を担当する職員にとっては、心身を支え、励ましとなっています。
私としては、介護というパントマイムを通じて、主の証しとなるよう願っております。施設のあらゆる営みによって、少しでもより安心な高齢社会に貢献できれば幸いです。
(事業内容)
設立 昭和39年7月20日入所定員 62人
短期入所 18人
職員 施設 55人
他に在宅福祉の部17人

ルター研究所開設25周年にあたって

所長 鈴木 浩

ルター研究所が今年10月、開設25周年を迎えます。それを記念して次のような企画を立てました。
①ルターが破門状を焼き捨てたヴィッテンベルクの広場に立っている樫の木の子孫(同じDNAを持つ樫の木)の植樹式(4月24日)。
②ルター研究所開設25周年記念チャリティーコンサート(東京教会、5月9日 本紙1面にも案内あり)。このコンサートでは日本を代表するオルガニスト、小林英之、深井李々子、湯口依子の3氏 による3台のパイプオルガンの協奏に、同じく日本を代表するトランペット奏者の山本英介氏の演奏が加わります。
③ルターの説教(1533年)の初版本(世界に数冊)の復刻出版と徳善名誉教授による翻訳の出版。この初版本は一昨年、ルター研究所が入手しました。
④『ルター新聞』の紙面を一新。4月号から文字を大きくし、読みやすくした紙面に変わります。
⑤『ルター研究』(第10号)の発行。ルーテル学院創立百周年を記念して行われた連続神学講演に加えて、所員の書き下ろし論文を掲載します。
⑥「ルター著作集第二集」の第六巻『ヨハネ福音書』の出版。
⑦特別講演会(10月頃を予定)の開催。

[お願い]
こうした企画を推進するために、「後援会募金」(ルター研究所指定献金)をお願いしています。後援会を通じてルター研究所指定献金をしていただきますと、そのまま賛助会員として登録され、「ルター新聞」の戸別郵送、「公開講座」受講料の割引などの特典があります。また、2万円以上の献金をしたいただいた方には、「ルターの説教」を贈呈いたします。よろしくお願いいたします。

長い間ごくろうさまでした 引退教師あいさつ

「仕える者の心得伝授」     清重尚弘

忘れもしません。新米牧師時代に、会員で商船の機関長からいただいた教えです。

上司の心得として、部下よりも一日前に船に乗り込み、一通り入念にチェックをしておく。後から来た部下に「こことあそこを点検しておいてくれよ」と、指示を出す、部下がいってみると、そこには手入れを要する箇所がある。すると、部下は、機関長は普段ボーっとしてるようだけど、見るところは見てるんだなと,敬意を払ってくれます、というのです。

翌朝から私は近所の誰よりも早起きして,教会の庭を掃除し近所の様子を見て回り、通る人に挨拶をしました。

今もこの心得が役に立っています。

 「恵みの先行性」       山之内正俊

34年間の牧師としての歩みの中で心がけたことは、恵みの先行性ということでした。信仰のみというとき、救われるための行いが否定され、信じることだけが求められる訳ですが、その信じることすら、神様の恵みによって起こる、ということを絶えず確認しながら説教をして参りました。宣教の第一線を退いても、この信仰の姿勢だけはしっかりともち続けて参りたいと思っております。
敢えて言い残しておきたいことは、収益事業は補助車でしかないという私たちの教会の基本方針を忘れず、一日も早く、経済的依存体質から脱却してほしいということです。
先行する神様の恵みに信頼して、それぞれの道で、伝道に励んで参りましょう。感謝!

引退牧師からの一言     重野信之

わたしは3月をもって、日本福音ルーテル教会を定年退職いたします。ふり返りますと、半田・釜ヶ崎・室園・名古屋・静岡・鹿児島・神水の諸教会で牧会させていただきました。いずこの教会も思い出深いものがありますが、特に神水教会ではわたしにとっては「ディアコ二ア」の集大成として働くことができました。
今日までの39年間、牧師生活を送ることができましたことを神さまに感謝し、わたしを変わらぬ愛と友情によって支えてくださった家族や親戚、友人たち、すべての皆様に心から感謝を申し上げます。
最後に次のみ言葉を残させていただきます。「わたしたちが正気でないとすりなら、それは神のためであったし、正気であるなら、それはあなたがたのためです」(�コリ5・13)。どうぞ、わたしのこれまでの失礼をお赦しください。

「日本・フィンランド交換宣教ツアー」 のご案内

2010年はフィンランドから最初の宣教師が来日して、110年を迎えます。この「宣教の歴史」の節目の時を感謝をもって覚えるために、日本福音ルーテル教会とフィンランド・ルーテル福音協会(SLEY)は共同事業として、日本からフィンランド及びドイツを訪ねる、「日本・フィンランド交換宣教ツアー」(総勢30名)を計画しました。
フィンランド旅行の受入母体は、日本福音ルーテル教会と宣教の提携関係にあるフィンランド・ルーテル福音協会ですが、旅行の全日程の手配と責任はJTB法人東京に一括して依頼しています。参加希望の方は各教会に送付されている旅行案内パンフレットに付いている申込用紙を5月10日までに、JTB法人東京にお送りください。
2010年6月30日(水)~7月12日(月)  13日間
団長:渡邉純幸(議長)  副団長:岡田薫(北海道特別教区長)
旅行代金:お一人様 485,000円(成田発着 燃油付加料金含む)
主なプログラム: OhotakariでSLEY福音大会に参加とドイツ
受難劇鑑賞 参加人数:30名(募集人数になり次第締め切り)
旅行実施:JTB法人東京
締 切 日:2010年5月10(月)

東海地域教師会報告

「現代の宣教」 ―牧師研鑽の検討―

土井洋(高蔵寺教会)

教会の働きは、み言葉の宣教が支柱です。教会に遣わされた教師は、み言葉に遣わされています。教会は、み言葉に遣わされた教師と、み言葉に集められた人々と共に、み言葉を宣べ伝えます。み言葉とは、日曜日礼拝で朗読される神の言葉としての聖書であります。
み言葉自体は不変であると、聖書自体が述べています。しかし、み言葉を聞く私たちの時代は、めまぐるしく変化しています。それゆえ、み言葉の内実と私たちの生活との間には、大きな乖離が見られます。不変のものと変化するもとの乖離は、時間的・空間的に当然のことです。
しかし、それ以上に大きなことは、「神の意志」と「人間の思惟」との隔たりです。これも、当然と言えば当然のことです。これらの「隔たり」といかに取り組むべきか。今日の説教者の課題です。
このような問題意識のもとに、2009年11月24日―26日、東海教区教師退(研)修会が、静岡県立森林公園「森の家」で行われました。
会期中、二つの発題と発題に関する討論が行われました。会のまとめに、「現代の宣教」への取り組みとして、小グループの「研究会」を立ち上げることが決まりました。
小グループの内容は以下のとおりです。
①「聖書と説教」
②「ルター神学」
③「被爆問題」
④「礼拝」
⑤「教会の成長」
⑥「生命倫理」
の6項目です。
各グループの研究成果は、全体で分かち合うことが確認されました。
教師会長 土井洋
書記 内藤新吾
会計 花城裕一郎

ルーテル連帯献金緊急支援ハイチ大地震

1月12日、中米カリブ海の島国ハイチで、マグニチュード7・0の強い地震が起き、首都ポルトープランスでは多くの建物が崩壊し、20万人に上る多くの被災者が出た「ハイチ大地震」は、日本福音ルーテル教会もLWFの呼びかけに応じて、全国の教会に支援をお願いしています。3月20日には、LWF -ACT(Action by Churches Together)を通じて100万円を送金しました。この緊急支援は4月15日まで受け付けておりますので、ご協力をお願いします。
▼上記献金の送金先▼
「ハイチ大地震」と明記して、以下の口座に送金くださるようにお願いします。
郵便振替00190?7?71734
名義:(宗)日本福音ルーテル教会

2010年度人事 教職人事異動(*敬称略)

■人事異動(2010年4月 1日付)
・坂本千歳 函館教会主任
・関野和寛 東京教会主任
・渡邉 進 栄光教会主任
・藤井邦夫 富士教会主任  (兼)
・田中博二 沼津教会主任(兼)
復活教会主任(兼)
・鈴木英夫 刈谷教会主任 (兼)
・永吉秀人 岡山・松江・高 松教会主任(兼)
・角本 浩 神水教会主任
・小山 茂 鹿児島・阿久根 教会牧師補(一般任用へ変更)

その他
■九州ルーテル学院
(2010年4月1日より 2年任期)
・清重尚弘 学長

■宣教師
(2010年9月1日付)
(着任)
・ポウッカ・マルッティ
スオミ教会主任
■信徒宣教師
(2010年1月1日付)
・ラトバラスク・ミカ&ティーナ 東教区付(武蔵野教会・  大岡山教会・ネット伝道)
・ヨシムラ・ヒロアキ&パイビ 東教区付
(2010年9月1日付)
(退任)
・ヘイッキネン・パーヴォ  (2010年6月30日付)
・フレデリクソン・チャールズ (2010年6月30日付)

■新任
(2010年4月1日 付)
・高村敏浩(新任・牧師補)  岡山・松江・高松教会(西 教区)

■嘱託任用
(2010年4月1日付)更新
・伊藤早奈 東教区付
・後藤直樹 荒尾教会
・内藤文子 栄光教会

■牧会委嘱
(2010年4月1日付)
・中村圭助 甲府教会・諏訪 教会(更新)
・山本 裕 浜名教会(更新)
・藤井 浩 沼津教会(新)
・戸田 裕 復活教会(更新)
・重野信之 刈谷教会(新)
・森 勉  広島教会(更新)
※但し、2010年6月30
日終了
・松隈貞雄 宇部教会(更新)
・早川顕一 聖ペテロ教会(更新)
・Aエリス 甲佐教会(更新)

■牧会委嘱終了
(2010年3月31日付)
・V.ソベリ 函館教会

■定年引退
(2010年3月31日付)
・清重尚弘
・重野信之
・山之内正俊

住居移転のお知らせ

宮本威先生(引退教師)

東和春先生

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