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機関紙るうてる

るうてる《福音版》2008年3月号

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バイブルメッセージ 感じとる心

わが子よ、わたしの言葉に心をとめ、わたしの語ることに耳を傾けよ。それを、あなたの目から離さず、あなたの心のうちに守れ。
箴言4章20~21節(口語訳)

3月の声が聞こえてくると、私の記憶一面に拡がる様によみがえってくる花があります。それは、黄色いラッパズイセン。その鮮やかな色彩は力強い生命の輝きを表し、また、その香りはほのかな中にも凛と存在していることを伝えていて、春の訪れを早くに告げてくれる花でもあります。

私が園芸を学んでいた短大1年の時のことです。寒い1月~2月が過ぎ、卒業を間近に控えた2年生達が何とはなしにソワソワしてくる頃、まだ外の空気は冷たく花壇も凍てついていて何の彩りもないけれど、すでに陽の光の中にキラキラした春の輝きを感じ取ることができました。それは、新しい出発を迎える彼女たち2年生が、大きな不安の中にも確かな希望を抱いているその心境を同時に表しているかの様でもありました。
そして、ビニールハウスの中に一歩踏み入れば、そこはもう春のパラダイス! 室内の空気は、ハウスのビニールを破らんばかりに温かく膨らんでいて、すでに咲き始めている春の花々のエネルギーが満ち溢れています。その中心となるのが、黄色いラッパズイセン。これは、卒業式当日、2年生の胸に付けてあげる花飾りのために栽培されているのです。
この様に私たちの誰にでも、思い出の風景に伴う色や香りを持っています。

また、年齢的なことで私の体に変調があったこの2年近くの間、普段に無く目は光を眩しく、鼻は物の匂いを強く、耳は日常生活の中の音を響くように、最後は口にする物の味が全てしびれるがごとく……と、あらゆる器官が過敏に感じ取る状態が続き、そのとき私は、「これこそ、本来人間が自然界の中で生きていく為に身につけていた感覚なのかもしれない。それが、文明の発展に伴って体のあらゆる感覚が鈍くなって行ってしまった」と、思わずにはいられませんでした。

世の中が息苦しくなりつつある今の時代、心の感覚だけ敏感でいたいと思うのです。それは……人を迎え入れる優しいまなざし。悲しみにある人の息に合わせて呼吸できる鼻。また、気持ちを伝えようとしてくる人へ傾ける開いた耳。そして、その人に希望をもたらす言葉を発することのできる口……という心の感覚のすべて。
なぜならば、すでに私たち自身が神様からそのように受け入れられているのですから、今度は私たちが誰かを同じように受け入れてあげる番なのです。私の心の色と香りで、その人を包んであげる時なのです。
JUN

大人を育てる絵本からのメッセージ 最終回

はくさい夫人とあおむしちゃん

著:柳川 茂、 絵:河井 ノア
出版社:いのちのことば社フォレストブックス

絵本というと小さなこどものための本というイメージがありますが、大人にとっても生きるヒントになる本がたくさんあります。ここでは子育てという視点でお話をしていますが、あらゆる人間関係においてもお役に立てていただければ幸いです。

きれいなものって何だろう?
いつまでも「きれいでいたい」「ステキな人でありたい」という願望は誰にでもあるものだと思います。だからこそ、目標にできるような輝いている人になりたいと思い、そのために努力をするわけですが、本当に「きれいなもの」「ステキなもの」って、いったいどうやったら手に入るものなのでしょうか?

はくさい夫人に起こる悲劇
この本に出てくる「はくさい夫人」は、誰もが羨む美しさを持つ、まさに貴婦人中の貴婦人。美意識の高いはくさい夫人は、自らを磨くことに余念がありません。ところが、ある日、入念に手入れをしているドレスに一匹のくいしんぼう青虫がやってきます。そして嫌がるはくさい夫人のもとに、次々とたくさんの青虫たちが……。はくさい夫人は必死に青虫たちを追い払おうとするのですが、なぜか突然の嵐や小鳥たちから青虫を守ってあげる羽目に……。それでも、青虫たちは彼女の大事なドレスを食べ続けるものだから、とうとう我慢も限界に達し、「もう許さない! 今度こそ出て行くざます!」と別れを告げるのです。そんな彼女に対し、青虫たちは、「ごめんなさい」とうなだれながらも、今までのお礼とばかりに、みんなで歯をくいしばり、力を合わせ、はくさい夫人のネックレスになりました。そして、それを見たはくさい夫人の心にもいつしか温かいものが芽生え始めるのでした。

与えるということは
なくすことではない
それからというもの、はくさい夫人は、自分のドレスを惜しみなく青虫に与えました。ドレスはどんどん食べられていきましたが、彼女の毎日はどんどん楽しくなっていきました。ところがある朝、目が覚めると青虫が一匹もいなくなっていました。もう誰も羨ましいと思わなくなった穴だらけのドレス、突然の青虫たちの失踪、はくさい夫人の心の中は悲しみでいっぱいになりました。でも、そんな彼女にファーマーさんは微笑みながら言うのです。「君は、たくさんたくさん与えたね。与えるということは、なくすことではないんだよ」と。するとそこに白い花びらがひらひらと舞い落ちてきます。「お母さん、ただいま」と蝶々になって帰ってきた青虫たちに囲まれた彼女は、まるで純白の花びらのドレスまとったように輝いたのでした。

本当にきれいなもの
子育ては、体力も精神力も必要であり、それこそ毎日が必死な思いだと思います。そしてふと、むなしさを感じたり、ぼろぼろの自分の姿に悲しくなることもあります。そんな時に、絵本の最後の詩が「本当にきれいなもの」が何なのかを教えてくれます。「小さな青虫を夢中で助けたはくさい夫人のおでこに浮かぶ汗」や「青虫にもう一度会いたいと祈るキズだらけの手」など、相手との関わりの中で生まれる内から芽生えるあたたかな感情。それこそが、わたしたちを本当に輝かせてくれる答えなのではないでしょうか。目に見えるものばかりに心を奪われることの多いわたしたちですが、神様の存在もまた、わたしたちの目には見えません。本当に大切なものは、目には見えないものなのかもしれません。はくさい夫人が青虫たちとの出逢いによって見つけた大切な答えをこの絵本の中から見つけてみてください。

HeQi Art 聖書物語

十字架を背負う

そこで、ピラトは、十字架につけるために、イエスを彼らに引き渡した。
こうして、彼らはイエスを引き取った。イエスは、自ら十字架を背負い、いわゆる「されこうべの場所」、すなわちヘブライ語でゴルゴタという所へ向かわれた。そこで、彼らはイエスを十字架につけた。また、イエスと一緒にほかの二人をも、イエスを真ん中にして両側に、十字架につけた。

ヨハネによる福音書 19章16~18節

※ヘイチアーツは今月をもって終了させていただきます。来月より新コーナーが始まります。お楽しみに。

たろこまま「いのちを語る」

地球の命(創世記6章5~6節)

小太郎:(以下〝小〟)ねえ、母ちゃん。どうちて毎週箱に入ってお買い上げするお野菜には土がついてるんでつ?
たろこまま:(以下〝た〟)それはねー、野菜にとってその方がラクだからよ。元々土に植えられてるものだしね
小:じゃあ、どちてお店に並んでいるお野菜は、全部キレイキレイなんでつか?
た:ヘンな話なんだけど、そうでないと売れないからよ?
小:じゃあ、まだまだ住める家を簡単に壊したり、まだまだ使える家具を簡単に捨てるのは?
た:それは皆が金持だからよ(苦笑)、でもそれも理不尽な話よね。地球というスペースも資源も限られているのに、使って次々ポイポイしてたら大変なことになっちゃう……と言うより、もう地球が病気になってるかも(汗)。地球温暖化で海の流れも変わり、寒い地方の氷が溶けて水かさが増して南の島がなくなりかけてたり
小:でも人間の他に悪いことちてまつか? もちかちて、病気なのは地球ではなく人間でわないでつか(焦)?
た:おっ、小太郎。痛いとこついてくるなあ。母ちゃんも、もしかしたら地球、ひいてはこの宇宙がそもそも一つの大きな生命体じゃないのかなって感じること、あるよ
小:では、この地球も大事に大事にしないとならないんでつね?
た:小太郎、いいこと言うじゃない。瓶や缶、牛乳パックをリサイクルとか、まずは小さなことからコツコツとね。でないと続かないから(笑)
小:じゃあ母ちゃんの今年の抱負は、止めといた方がいいってことでつね(詳細は2月号参照!?)
た:う、これまた痛いところを突いてきたわね(苦笑)……ま、その件はまた別の機会に話し合おうね

※2年に亘る、たろこままのコラムは今月をもって終了させていただきます。長い間ありがとうございました。

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