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るうてる2025年

るうてる2025年7月号

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「主よ、私たちに必要なものをお与えください」

日本福音ルーテル箱崎教会・聖ペテロ教会牧師 崔大凡

「行きなさい。わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れに小羊を送り込むようなものだ。財布も袋も履物も持って行くな。途中でだれにも挨拶をするな。どこかの家に入ったら、まず、『この家に平和があるように』と言いなさい。平和の子がそこにいるなら、あなたがたの願う平和はその人にとどまる。もし、いなければ、その平和はあなたがたに戻ってくる。」(ルカによる福音書10・3〜6)

 福音書は記録しています。著者ごとに、部分的な相違点はありながらも、主イエスが御自分の働き人を派遣するときには、一貫して、余分な物は何も持って行かないようにと命じられたことを。それは、旅先で必要な物は与えられる。物と状況に頼らず、人にも頼らず、ただすべてを与え、すべてを成し遂げられる神に従うように。主イエスが与えられた力と権能こそが使命を果たす…。という意味が込められているのでしょう。
 皆さん、どうでしょうか。強い信仰と従順が求められる言葉です。さすがに、これを文字通りに私たちの生活に適用するには無理がありそうです。それ以前に、私たちは当時の弟子でも、選ばれた七十二人でもありません。これは当時の彼らへの命令なのです…。
 後のルカによる福音書22章35節には次のように書かれています。「それから、イエスは使徒たちに言われた。『財布も袋も履物も持たせずにあなたがたを遣わしたとき、何か不足したものがあったか。』彼らが、『いいえ、何もありませんでした』と言うと、イエスは言われた。『しかし今は、財布のある者は、それを持って行きなさい。袋も同じようにしなさい。剣のない者は、服を売ってそれを買いなさい。』」この場面の使徒たちは、ルカによる福音書10章とはまた違う局面を迎えて宣教することになる暗示のようです。
 ともかく、「財布も袋も履物も持って行くな」というイエスの命令は、いつまでも、文字通りに守らなければならない命令ではなさそうです。それならお金やその他の持ち物を所有することへの後ろめたさもなくなります。良かったです。
 さあ、本当に良かったでしょうか…。持ちたい物、必要な物を持てるなら、私たちはこの先、上手くやっていけるでしょうか。もしかして、財布も袋も履物も持たなかったけれど、「不足したものは何もありませんでした」と言えたあのときの使徒たちこそ、神によって満たされた人、自由な人だったのではないでしょうか。
 私たちの働きに、生活に、必要な物は色々あります。なければ困る、心配になるのは確かです。それにしてもそれぞれは道具です。備えられているからと言って、それぞれがそのまま命ではない、何かの結末でもない、道具です。
 今、御言葉を読んでいる私たちは、この世の物や道具よりも大いなる、聖なる方に招かれています。この世の何かの比較や気づきによって「乏しい」という類いの焦りの代わりに、私たちがよく知っている言葉で祈ってみましょう。「私たちに必要な糧を今日もお与えください」。そしてこう祈ることによって考えてみましょう。私たちは今どこに向かって、何を求めて生きているか。生きるに必要な道具そのもののためか。あるいはそれぞれの道具を用いてさらに進みたい道、成し遂げたい何かがあるのか。誰かに伝えたい、与えたい、一緒にあずかりたい何かはあるのか…。
 主イエスによって派遣された七十二人は、「平和」を伝えるために、町や村に出向きました。神の国が近づいていること、神が与える平和は「ある」ことを告げるのが彼らの使命でした。そしてそれを実行する間に「不足したものは何もありませんでした」と後に彼らは言います。やはり、使命を持つ人には揺れ動かされない、消えない「平和」があるようです。このような姿は、聖書から、信仰の先人たちの言葉から、共通して見えてきます。
 「わたしは、自分の置かれた境遇に満足することを習い覚えたのです。貧しく暮らすすべも、豊かに暮らすすべも知っています。満腹していても、空腹であっても、物が有り余っていても不足していても、いついかなる場合にも対処する秘訣を授かっています。わたしを強めてくださる方のお陰で、わたしにはすべてが可能です。」(フィリピの信徒への手紙4・11b〜13)
「主は羊飼い、わたしには何も欠けることがない。」(詩編23・1)
 主イエスによる命と平和に招かれている皆さんに、今日も必要な糧が与えられますように。しかし糧そのものよりも神による平和が先行しますように。それを受けて、知り、伝える私たちの教会となりますように。

エッセイ「命のことば」 伊藤早奈

(64)「いつまで」

「十分の一の捧げ物をすべて倉に運び/わたしの家に食物があるようにせよ。/これによって、わたしを試してみよと/万軍の主は言われる。/必ず、わたしはあなたたちのために/天の窓を開き/祝福を限りなく注ぐであろう。」(マラキ書3・10)

 「いつまでですか?」
 いつからでしょうか。私は祈るとき神様にこのように問いかけていました。「私が生きられるのはいつまでですか?教えて下さい」なんて。病気の診断を受けてしばらくは忘れていたのに、いざその歳が近づくと気になり始めました。ダメですね…。きっと皆さん似たような時があると思います。ダメなことでは決してありません。「あなたは余命〇年です」とお 医 者 様がおっしゃられたとしても、その通りになられる方も、なられない方もおられます。それは、〈生きる死ぬ〉の問題は神様が引き受けてくださっておられるからです。
 私たちは生かされています。私が「自分はいつまで生きられるんだろう」と本気で考えるようになった時、このような手紙が来ました。
「お久しぶりです。お元気ですか?私はもうすぐ〇歳になります。まさかこんなに自分が…。頑張って長生きしましょうね」それは病気のためゆがんでしまった字で一生懸命書かれたはがきでした。
 病気であっても、なくてもけがをしてしまったり、思いもかけない環境に置かれた時など、誰でも「こんなのいつまで続くの?」とか「私はいつまで生きなくてはいけないの?」と問いたくなる時がある方も居られると思います。
 「いつまで」を生きられるのではなくて「今」を生きるのはいかがでしょうか。あなたは「今」命を与えられております。「いつまで」ではなく「今」を、大切なあなたに神様は命を与えて下さいます。

「全国の教会・施設から」㉖

日本福音ルーテル蒲田教会
市原悠史(日本福音ルーテル蒲田教会・横須賀教会牧師)

 日本福音ルーテル蒲田教会の歴史は戦後間もない時から始まります。記録によると1949年の常議員会議事録に「蒲田に伝道所を開設する件」という見出しがあるそうです。そして、その決定に至るまでには地域からの強い求めがありました。
 教会がある地域・六郷は当時空襲によって焼け野原になっており、街の再建の途中だったそうです。ですが荒れていたのは土地だけではなく、厳しい状況を生きる人の心も同様だったとのことで、地域における非行や犯罪が問題となっていたようです。治安の悪化を防ぐため、六郷の地域婦人会はルーテル教会に呼びかけ「教会と幼稚園を作ってほしい」と相談しました。そこで常議員会の決定を受けてスタイワルト宣教師が派遣され、呼びかけた婦人会のメンバーが家庭を開放してくださり、三つの家庭で集会を始めました。その後1950年に土地を購入し、翌年に幼稚園の園舎が完成、その園舎にあるホールで主日礼拝が行われるようになりました。
 歴代牧師の伊藤文雄先生は、教会の50年誌に「城南地区にはルーテル教会は多い。…東京学芸大学前に都南教会が、荏原そして雪谷にもあった。ほかに田園調布にはアメリカ系のオーガスタナ・ミッション、大岡山には戦前からフィンランド系の福音ルーテル教会、そして大森にはアメリカ系のスオミ・ミッションの教会がそれぞれあり、いずれも幼稚園を擁していた」と書かれています。前述の地域からの求めがなければ、わざわざ大田区にもう一つ教会を増やすというアイデアはなかったかもしれません。
 現在の園舎は1994年に、礼拝堂・牧師館は1999年に建て替えられました。また礼拝堂には2013年にパイプオルガンが入り、現在の蒲田教会の大きな特徴の一つとなっています。
 教会近辺は東京の下町で、今も昔ながらの街並みや雰囲気をあちこちに見ることができます。そのような地域性の中にあって、教会にも活気があります。羽田からも品川からも近い立地ですので、どうぞお出かけください。あなたにお会いできることを楽しみにしています。

シオン園保育所
古城喜美子(シオン園保育所園長)

 本園は、熊本県の北西部に位置し西は有明海、北は福岡県大牟田市との県境にある荒尾市にあり、北隣の大牟田市とともに三井三池炭鉱の街として発展してきた歴史がある世界文化遺産の万田坑があります。また、九州最大級の遊園地グリーンランドがあり、その近くにシオン園保育所があります。
 社会福祉法人慈愛園が運営する11施設の一つとして第2次世界大戦後の混乱期、貧富の差が大きく弱い立場の人々が影響を受けていた状況を知り「なんとかしなければ」という熱い思いで行動に移された慈愛園の創立者モード・パウラス先生によって1950年5月に定員33名で開園しました。
 現在は、創立76年目を迎え定員140名で歩んでいます。四季折々の自然に囲まれた環境の中で子どもたちは、広い園庭や山で思いっきり駆け回って遊び、子どもたちが主体的に遊びや生活できるような保育に取り組んでいます。園庭には樹齢56年の桜の木があり、桜の花の時季には私たちを癒やしてくれて、子どもたちも木登りやセミ捕りを楽しみます。
 子どもたちは草花や生き物が大好きで、季節ごとにさまざまな自然物に触れながら遊んでいます。時代の流れとともに保育の方法も変化してきていますが、昔も今も変わらないものが、柔らかい赤ちゃんの感触であり、子どもたちの屈託のない笑顔であります。保育の理念である「謙遜・献身・愛」に基づき子どもたち一人一人を認め、受け入れ、大切にし、保護者から信頼され、地域に愛される保育園でありたいと願いつつ神様の恵みの中で歩み続けたいと思います。

改・宣教室から

小泉基(日本福音ルーテル札幌教会牧師・宣教室長)
山田麻衣(日本福音ルーテル室園教会信徒)

小泉 山田麻衣さんは、このたびJICA(国際協力機構)の隊員としてブラジルに行くことになったと伺いました。ブラジルでは、どのような働きをなさるのですか?
山田 はい、日系社会海外協力隊の隊員として活動します。ブラジルには世界最大の日系社会があり、日本と日系社会がよりよいパートナーシップを築くことが望まれています。私は、ブラジルの北東部にあるサルバドールという都市にある、サルバドール日伯文化協会に配属となり、主に青少年に向けて日本文化を伝え、協会の活動を手伝いながら、より活動が盛り上がるよう支援する予定です。
小泉 なぜJICA海外協力の働きを志されたのですか?
山田 2013年にブラジルのルーテル教会での宣教ボランティアに参加して、ブラジルの文化に魅了され、同時に日系社会の存在感に大変驚きました。お世話になった日系社会にいつか恩返しがしたいと考えていました。人生において新たな挑戦をしたいと思ったタイミングで、JICAの青年海外協力隊に挑戦しようと思い、無事に合格することができました。
小泉 この記事が掲載される頃には、もうブラジルの空の下におられることと思いますが、渡航にあたっての期待を教えてください。
山田 再びブラジルに行くことは長年願っていました。前回の渡航から10年以上たっているので懐かしさもあるでしょうが、新たな気付きもあると思うので、初めて行くような気持ちで楽しみたいです。また、前職では児童養護施設(広安愛児園)でケアワーカーとして働いていました。この経験を活かし、ブラジルでも子どもたちや家庭における支援に少しでも関わってみたいと考えています。
小泉 ありがとうございました。最後に、山田さんと教会との出会い、そして大切にしている聖句があったら、教えていただけますか?
山田 高3で受洗をした後、カンボジアワークキャンプから始まり、多くの海外での経験を教会に後押ししてもらいました。すべてが今回の挑戦につながっていると思います。
いつも思い出す聖句はコヘレトの言葉3章です。どの瞬間も神様の計画のうちであるということが、いつも私を支えてくれ、後押ししてくれていると感じています。今回の渡航の前に教会の友人にも会い、激励の言葉をもらいました。
長く続く教会の仲間とのつながりに改めて感謝しています。

全国教師会総会報告

安井宣生(日本福音ルーテル健軍教会・甲佐教会・長崎教会・阿久根教会牧師・前日本福音ルーテル教会教師会書記)

 教会総会の翌日、5月7日に宣教百年記念東京会堂にて全国教師会総会を開催しました。現任教師の65名中の55名と長期宣教師1名の出席がありました。
 教会総会へ推挙する教師試験委員候補者の選出を事前に郵便で実施する必要があったために、前月の時点で総会の取り扱い事項に着手していました。また総会当日の選挙は、投票に各自のスマートフォンなどを使用する形をとりました。これらは今後の標準となっていくことと思います。
 はじめに松本会長は、40年前のヴァイツゼッカー元ドイツ大統領の「荒野の40年」に心を動かされて「みことば」の職務に立つべく導かれた経験、そしてモーセの生涯が40年ごとに新たな展開へ導かれていったことに触れ、今の私たちが荒野でさまよう状況であるからこそ、それぞれの召命を想起し、神と人の歴史・関わりを過去に留めず、今の決断にしてゆく群れでありたいと述べて励ましました。
 協議としては、①退修会の隔年開催、②「教職育児介護休業規定」の制定に伴う「教職者相互扶助会」からの支給とその根拠となる法改正、加えて、③神学教育の今後について取り扱いました。
 教師数の減少や担当業務の増加などにより、教師同士の励まし合いや学び合いの機会はますます重要となっています。そこで3年〜4年ごとに開催としていた退修会を隔年開催とする提案が承認されました。総会とあわせて毎年、顔を合わせる機会を持つ道が開かれました。
 教会総会において決議された教職育児介護休業規定によると、雇用保険では休業時の給与が全額給付とならない状況も発生する場合が予想されます。その不足分を教師相互の支え合いの制度で補えるようにしました。神学教育とりわけ教職者養成は、教会が主体的に担っていくことが確認され、宣教を担う存在を生み出していくための意見交換が活発になされました。
 今期の役員は松本義宣会長、西川晶子書記、多田哲会計、また坂本千歳教職者相互扶助会会計が担います。

世界の教会の声

浅野直樹Sr.(日本福音ルーテル市ヶ谷教会牧師・世界宣教主事)

LWF、新教皇の誕生を祝して

 ローマカトリック教会の新しい教皇が決まり、日本でも大きなニュースになりました。「LWFは聖霊に満ちた喜びと感謝を込めて、あなたがローマの司教に選ばれたことを歓迎いたします。」アンネ・ブルクハルトLWF事務局長は5月8日、世界のLWF、新教皇の誕生を祝してルーテル教会を代表し、アメリカ合衆国から初めて選ばれた教皇に歓迎メッセージを伝えました。
「ローマカトリック教会とルーテル教会が、助けを必要とする人たちに共に仕えてキリストを証し、世界の人々を信仰へ導けるよう、一致に向けて成長の歩みを続けられることを私たちは祈っています。」

 夕方6時過ぎにシスティーナ礼拝堂の煙突から白い煙が上がると、聖ペテロ大聖堂に詰めかけた大群衆から一斉に歓声が上がりました。しばらくすると新教皇がバルコニーに姿をみせて、対話による平和の架け橋の必要をイタリア語とスペイン語で呼びかけました。

 新教皇は枢機卿たちに感謝の言葉を述べると、前任者のフランシスコ教皇が亡くなる前日のイースター朝に、ローマと世界に向けて祝福を送ったことに触れてメッセージをしました。「私も同じ祝福を送らせてください」、「神様は皆さんを愛しています。悪が勝利することはありません。恐れず、私たちが神とともに手を携えキリストを先頭にして前進しましょう。私たちはキリストの弟子です。世界がキリストの光を求めています。対話と出会いを通じて架け橋を築き、一つの民となって、平和のために皆さんの力を貸してください。」

 教皇レオ14世となったプレヴォスト氏はシカゴ生まれの69歳、米国籍とペルー国籍をもち、ペルーで20年以上の宣教師経験、南米の司教としての働きもあります。1985年にペルーのアウグスティヌス宣教団に加わり2001年から2013年まで総長を務めました。翌年にフランシスコ教皇より北ペルー教区の司教に任命されました。

 LWF総会議長ステュピカ氏と事務局長ブルクハルト氏は書簡でレオ4世に伝えたことは、第二バチカン公会議後に始まったカトリック教会との対話にLWFが深 く 関わり、そこから「義認に関する共同宣言」が出来たこと、宗教改革500年の際にはフランシスコ教皇が、ルーテル教会の監督たちと共同司式のもと記念礼拝を守ったことでした。
「2030年のアウグスブルグ信仰告白500年記念を控え、一致に関するルーテルとカトリックの国際委員会が第6期を迎えるなか、こうした働きがエキュメニカルな希望を与えてくれます。」手紙はこう締めくくっています、
「カトリック教会のみならず世界のすべてのキリスト教徒、ひいては全人類に対する教皇のこれからの宣教に、力と忍耐そして喜びがありますようにお祈りいたします。」

https://lutheranworld.org/news/lwf-congratulates-pope-leo-xiv-expresses-hope-building-bridges-peace

社会福祉法人るうてるホーム
60周年記念式典報告

髙田真希(社会福祉法人るうてるホーム職員)

 社会福祉法人るうてるホームは大阪府北東部の四條畷市にあります。日本福音ルーテル教会婦人会の祈りと運動によって設立された法人ですが、今年で創立60周年を迎えました。大阪府下民間第一号施設の軽費老人ホームから始まり、特別養護老人ホーム、ヘルパー、デイサービスなど目の前のひとのニーズに応える形で事業を拡充してきました。現在では、高齢者の総合福祉施設であると共に、障がいのある方へのサービスも提供しています。
 るうてるホームでは60周年を迎えるにあたり、プロジェクトを立ち上げ、いくつかの記念事業を企画しました。テーマは「るうてるケアの継承〜千年後の世界に向けて」。「千年」というと漠然とした印象を受けられるかもしれませんが、私たちはそこに「未来」、「永遠」、「いつの時代も」、「これからも」という意味を託し、永い時を経た遠い未来も、私たちの理念を体現した“るうてるケア“を変わらぬ真理として、自分たちの手で世界へ広げていくという願いを込めました。
 5月27日には、大柴譲治理事長・チャプレンの司式で創立記念礼拝が行われました。地域や法人の関係者、入居のご利用者、職員などが集い、これからの未来に向けて思いを新たにしました。
 また、同日午後からは、リラプレカリア(祈りのたて琴)の演奏の後に、社会福祉法人光の子会理事長の岩切雄太牧師、日本福音ルーテル天王寺教会の竹田大地牧師に、それぞれのご経験や実践についてご講演いただきました。その後、大柴譲治理事長・チャプレンも加わり、上記のテーマについてご鼎談ていだんいただきました。
 講演会を通じて私が感じたのは、物事をどのように捉えるか、目の前に立ち現れるひとの中に何を見いだすかで、その働きが大きく変わるということです。かつて私は先輩から、ご利用者はただ介護される存在なのではなく、介護過程に参加と協力をしてくれるひと、介護を受けることができる役割をもつひとと教わったことがあります。そして、るうてるホームではご利用者と職員との関係性を「支えられつつ支えて」と表現し、大切にしてきました。
 継承という文脈で捉えたとき、私たちは過去の諸先輩方から思いを託され、また未来へ思いをつなぐ存在として今ここにあるのだと思います。一人一人が理念を継承していく結節点にあり、法人だけではなく社会や文化を創造していく一員でもあります。講師の先生方のお話を伺う中で、改めて日々の実践を丁寧に重ねていこうと決意することができました。

ルーテル世界連盟(LWF)事務局長・アジア担当主事日本訪問

李明生事務局長(日本福音ルーテルむさしの教会牧師)

 2025年5月21日〜25日、ルーテル世界連盟(LWF)の事務局長であるアンネ・ブルクハルト牧師とアジア担当主事であるロスピータ・シアハーン牧師が日本にある3つのLWF加盟教会(日本福音ルーテル教会・日本ルーテル教団・近畿福音ルーテル教
会)を牧会訪問するため訪日されました。
 元々の計画では、事務局長は5月13日〜16日にメキシコ・グアダラハラで行われたアメリカ教会指導者会議に出席後、台湾・新竹市の中華信義神学院で5月17日〜21日開催されたLWF世界宣教協議会(JELCからは宮本新牧師が出席)にアジア担当主事と出席され、その後に2人で訪日の予定でした。しかし、メキシコでの会議の後、新たに選出されたローマ教皇の就任礼拝(5月18日)に出席するため、台湾での協議会への出席を取りやめていったんヨーロッパに戻り、東京で再びアジア担当主事と合流することとなりました。このような緊密スケジュールにもかかわらず、大変精力的にお二人は3つのルーテル教会を訪ね、各教会の現状とLWFの現況を分かち合う時を持ってくださいました。
 21日に、ブルクハルト事務局長はジュネーブから、シアハーンアジア担当主事は台湾からそれぞれ東京に到着、翌日22日の午前中は東京・市ケ谷の日本福音ルーテル教会事務局にて執行部と、午後には東京・飯田橋の日本ルーテル教団事務局にて執行部とミーティングを持ち、夜には日本福音ルーテル東京教会にて、ブルクハルト事務局長によるエキュメニズム講演会が行われました。23日午後に大阪に移動、24日に大阪・弁天町の近畿福音ルーテル教会事務局にて執行部とミーティングを行った後、和歌山に移動、25日の日曜は近畿福音ルーテル教会・和歌山ルーテル教会の礼拝でブルクハルト事務局長が説教を担当され、ジュネーブに戻られました。
 限られた時間の中での訪問でしたが、世界のルーテル諸教会と共に同じ課題に取り組むことの重要さを改めて認識することのできる、とても濃密な分かち合いの時となりました。

箱崎教会テゼの祈り
〜第1回シグニス動画フェスティバル OBSBOT賞A受賞〜

高山修(日本福音ルーテル箱崎教会信徒)

 箱崎教会ではこれまで、月に1回、当教会前任牧師の和田憲明牧師を中心に、「黙想と祈りの集い(テゼ共同体の歌を用いて)」と題して、テゼの歌を用いた祈りの会を開催してきました。最近、テゼの歌集第2集が25年ぶりに発売され、良い機会なので、その歌集の中から参考になるような録音会をしようという提案がされました。
 そんな時に、第1回シグニス動画フェスティバルが開催される、というお知らせをいただき、せっかくなので、録音会のメイキングを応募したいと考え、メンバーの協力をいただきながら、動画を作成して応募しました。
 シグニス(SIGNISカトリックメディア協議会)とは、映画・テレビ・ラジオ・インターネットなどの様々なメディアを通して、福音を述べ伝えることを目的とした国際的なボランティア団体です。その日本組織であるシグニスジャパンが、昨年初めて開催したのがシグニス動画フェスティバルになります。
 東京・四谷のカトリックイグナチオ教会に隣接する岐部ホールで、2025年5月3日に第1回シグニス動画フェスティバルの授賞式があり、日程の都合から、和田牧師の代理として私が参加しました。授賞式には、カトリックの担当司教の方や、審査員の岸本景子左:高山修氏、右:岸本景子映画監督(審査員)映画監督も参加され、「人が集まるところに神様もいることを感じることのできる動画」といった選評をいただくことができました。
 動画フェスティバルには、カトリックの方だけでなく、多くのプロテスタントの方も参加されており、エキュメニカルな集いとなりました。懇親会では、所属に関係なく、配信や動画作成の工夫、次回コンテストの構想など、様々なディスカッションをすることができ、恵み豊かな時間でした。応募した動画作品は、「新しい歌」というタイトルで、箱崎教会のYoutubeチャンネルにありますので、良ければぜひご覧ください。
 最後に当教会前任牧師の和田憲明牧師からメッセージをいただいておりますのでご紹介させていただきます。
 「使徒パウロが福音に共にあずかる者となるために創意工夫し、朽ちる冠でなく朽ちない冠を得るために節制し、人々に宣教しておきながら自分の方が失格者ならないために(コリントの信徒への手紙一9・23〜25)と手紙に認めたように戒めて胸に刻みます。長年携わってくださった皆さんに心より感謝しつつ。」

2025年度 ルーテル聖書日課読者の集い」のご案内

 今年の『ルーテル聖書日課読者の集い』は、大阪で開催されます。
 ルーテル聖書日課の読者ではない方もご参加いただけますので、皆様のご参加をお待ちしております。

〈日程〉10月20日(月)14時〜21日(火)14時
*部分参加・日帰り参加も可能です*

〈会場〉日本福音ルーテル大阪教会/ホテル・ザ・ルーテル(最寄り駅:谷町四丁目)

〈主題〉「ガラテヤ人への手紙に学ぶ・キリスト者日常の自由と使命」

〈講師〉正木牧人先生(神戸ルーテル神学校教授・アジア神学大学院教授)、正木うらら先生(神戸ルーテル神学校講師)

〈参加費用〉1万8千円(受講料込・1泊3食付)部分参加:1講義1千円(全5講義、食事代別途)

〈申込締切〉9月18日(木)16時必着

〈申込先〉
以下を明記の上、先の〈お問い合わせ〉にあるメールまたは、FAXまでお送りください。
①氏名・ふりがな ②所属教会 ③ご住所 ④最寄り駅 ⑤ご連絡先電話番号 ⑥メールアドレス ⑦宿泊/日帰り⑧禁煙/喫煙ルーム ⑨ツインルームご希望の場合、同室希望者氏名

〈お問い合わせ〉
ルーテル聖書日課を読む会事務局(日本福音ルーテル教会事務局内)
TEL(03)3260―8631
FAX(03)3260―8641
seishonikka@jelc.or.jp
※受付時間 平日8時〜16時

るうてる法人会連合第15回総会開催のお知らせ

李明生事務局長(日本福音ルーテルむさしの教会牧師)

 るうてる法人会連合第15回総会を東京都三鷹市のルーテル学院大学で開催いたします。
 日々、教会、社会福祉法人、学校法人、幼稚園・保育園の働きを通して宣教に取り組んでおられる皆様と課題を共有し、福音宣教の働きを共に前進させていくことができますように、共に歩んでいくことを確認したいと考えています。
 夏の暑い盛りではございますが、皆様のご参加をお待ちしています。
 講演、研修だけでなく懇親の時もございます。どうぞ交わりを深めてまいりたいと考えております。

「るうてる法人会連合第15回総会」
〈日時〉2025年8月26日(火)13時~ 27日(水)12時30分
〈会場〉ルーテル学院大学
181-0015 東京都三鷹市大沢3―10―20
〈主題〉「ルーテルとして何を大切にして、何をしていくのか」
〈主題講演講師〉石居基夫先生(ルーテル学院大学学長)
〈申込先〉申し込みは、二次元コードからお願いいたします。
締切は7月22日(火)必着

〈お問い合わせ〉
るうてる法人会連合事務局(日本福音ルーテル教会事務局)
電話 03―3260―8631
FAX 03―3260―8641
もしくは右記サイトから、件名に「るうてる法人会連合第15回総会について」としてお問い合わせください。

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