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るうてる2024年

るうてる2024年10月号

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「神の国はこのような者たちのものである」

日本福音ルーテル博多教会・福岡西教会・二日市教会牧師 池谷考史

「イエスに触れていただくために、人々が子供たちを連れて来た。弟子たちはこの人々を叱った。しかし、イエスはこれを見て憤り、弟子たちに言われた。「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。」そして、子供たちを抱き上げ、手を置いて祝福された。」
マルコによる福音書10・13~16

 今年は世界的にはウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナでの対立、個人的には久々に広島での「こどもキャンプ」にスタッフとして参加するなど、改めて平和について考え、向き合うことが多かったように思います。
 ところで、冒頭の聖句では、弟子たちが、イエス様のもとに子供たちを連れてきた人々を叱ったというのです。当時のユダヤ社会では、子供は律法を自覚的に守ることができないために軽視されていましたから、弟子たちはイエス様のもとに連れて来るにはふさわしくない、と考えたのでしょう。しかし、イエス様は憤って弟子たちに言われました。「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない」。そして、子供たちを抱き上げ、祝福した、というのです。
イエス様は、世の中の価値観とは異なり、子供たちこそ神の国=(神の愛の実現するところ)にふさわしいと示したのです。
 人間の社会を考えると、ある人を能力や資質によって評価することがしばしばです。しかし、イエス様はそうではなく、子供たちにこそ、愛を向けられ、救いに招かれます。ちょうど、すべての人々の罪の赦しのために愛を向けられ、十字架で命を捨て、救われたように…。
 弟子たちは子供たちを単純に軽視しました。しかし、イエス様にとって子供たちは(律法を守れない者でなく)ただ他者の愛、神様の愛にのみより頼んで生きる存在でした。そのような子供たちをイエス様は拒むことなく、喜び、受け入れてくださいます。
 このイエス様の言葉は、弟子たちや周囲の人々は神の国に入るためには律法順守という条件があると考えていたために、受け入れることが難しかったでしょう。
 そして、もしかしたら、これはある意味で、現代人の考え方や価値観にも通じるものがあるかもしれません。現代の日本の社会は、自己責任、効率化、生産性と言った価値観に基づいて回っている社会、それゆえに、一人の人間の存在や命に目を向けるより、その人が何をしたか、何ができるかが大切にされることがしばしばある社会です。もしかしたら、わたしたち自身も自分の無力さを恥じたり、能力不足を嘆いたり、罪深さに失望したりすることがあるかもしれないのです。けれども、イエス様にとっては、すべての人は十字架で命と引き換えにしてまで愛する一人であり、神様に祝福された一人です。イエス様の前で一人の命はそのようなものなのです。
 十字架の愛というのは、イエス様だけが示せるものかもしれませんが、結局、この究極の愛が見失われたり、大切にされないところでは、人が大切にされず、差別も争いも戦争もやむことが難しいのではないでしょうか。その意味で、イエス様の愛を見失わないことが、人間同士が平和に生きるという課題に向き合うときにやはり必要な姿勢であろうと思います。
 この究極の愛を知り、喜ぶ人は、自分自身を肯定するのみならず、他者を受け入れ、愛する生き方へと必ず結びついていくはずです。どんな相手でも、年齢や能力、立場の違いによって軽視したり、排除したりせず、違いを認め、そこに生じる課題を共有しながら、ともに歩む歩みが始まっていくはずです。そこに、真の平和へ向けての一歩が踏み出されていくことでしょう。そのような一人でありたいものです。

エッセイ「命のことば」 伊藤早奈

(55)「また明日」

「単に人間的な動機からエフェソで野獣と闘ったとしたら、わたしに何の得があったでしょう。もし、死者が復活しないとしたら、「食べたり飲んだりしようではないか。どうせ明日は死ぬ身ではないか」ということになります。」コリントの信徒への手紙一15・32

 「また明日」と知人に言われびっくりしてしまいました。ちょっと前までは自分でも何も考えないで友達や知人と別れるときに言っていました。希望の言葉として。「また明日会おうね」という気持ちでした。
 「明日こそ話すぞ」と思いを込めた方が亡くなられたのは、私が「また明日お会いしましょう」と言ってお別れしたその日の夜のことでした。「明日こそ」という思いが取り残されました。明日というものは当たり前にくるものと思って疑わなかった自分がいてショックでした。それからは「また明日」という言葉が口に出せなくなり、なんだか明日はわからないという絶望に近い思いがよぎる中、何人かの方を送ることになり、また会えなくなったと思うことが増えました。
 「また会えるよ」えっどこで?神様が永遠の命を与えてくださるからあなたと私は必ずまた会えます。希望の言葉から絶望に近い言葉だった「また明日」という言葉がまた希望の言葉へと変えられました。またお会いすることができるんだと思えるようになってから、どのような別れも私にとってはまたお会いするための一時的な別れとなり、絶望に近い別れから希望へとまた変わりました。
 えーじゃあ会いたくなくてやっと別れた人とも会っちゃうわけ?と聞かれそうです。神様の御もとです。たとえあなたが忘れていたとしても、憎んでいたとしても、憎まれていても大丈夫。「また明日」

「全国の教会・施設から」⑰

清泉保育園 古閑雅子(清泉保育園園長)

 「わかばをゆすってみどりの風が部屋いっぱい広がって朝のお祈りいたします。すてきな今日をありがとう」という子どもたちと先生の元気で明るい賛美歌の歌声が今日も響きわたります。
 熊本県の北部菊池市七城町にある「清泉保育園」はこの賛美歌にぴったりの自然に恵まれた環境にあります。七城米・キンショウメロン・トルコキキョウ等数多くの農産物、近くには菊池川が流れ隣には温泉施設があります。
 農村伝道の一環から清泉教会が建てられその後始まった保育園ですが、教会の老朽化により保育園だけが残されました。
 この農村地域にどのようにして教会ができ、受け入れられ、保育園が支えられてきたのだろうか。神様のなさる不思議を思わされます。1956年第1回目の卒園生が54名だった保育園の現在の定員は50名。2024年度4月は44名から始まりました。
 私たちの町もCOVID‐19を境として出産がぐっと減り、少子化に弾みがかかってしまいました。地方の子どもたちも都会の子どもたちと同じように、核家族化が進み、子育てする保護者はいつも忙しく働いています。1日のほとんどを保育園で過ごす子どもたちは「生活のすべ」を保育園で身に付けていきます。それだけに私たち保育園の責任と働きの重さを感じながら、キリスト教保育が大切にしてきた丁寧なやさしい保育をめざして、毎日保育士と話し合いを重ねています。同時に清泉という地域にある保育園と出会い、子どもたちを愛する保育士が、喜びと感謝の心をもって働ける職場でありたいと願っています。
 「将来は清泉保育園で働きたい!」という目標を持ってくれた卒園生のためにも、希望を持って、子どもたち・保護者・職員一同、恵み祝福して下さる神様と共に歩み続ける清泉保育園でありたいと思います。

日本福音ルーテル
市ヶ谷教会 浅野直樹Sr.(日本福音ルーテル市ヶ谷教会牧師)

 市ヶ谷教会は、1952年6月のヌーディング宣教師宅での主日礼拝をもって産声をあげました。日本福音ルーテル教会が学生伝道を展開すべく、1953年5月に市谷砂土原町に東京学生センターが完成すると、市ヶ谷教会もここを拠点として本格的な宣教活動が始まりました。今年宣教72年を迎えています。
 1961年4月に一人の米国人神学生の遺志により献げられた1万ドルを基金として敷地内にクライダー寮が併設されると、市ヶ谷教会と学生センターそしてクライダー寮は、別組織でありながら協力しあい宣教を続けました。その後1974年10月にルーテル市ヶ谷センターが完成、会館内にチャペルができたことで市ヶ谷教会の宣教第2章が幕開けし今に至っています。会館の完成を契機に東京学生センターは閉鎖、クライダー寮は三鷹のルター寮へ仮移転することとなりました。市ヶ谷センター会館は、2022年7月から2023年8月にかけて耐震補強を伴う大規模修繕工事が行われリニューアルしました。
 市ヶ谷教会のチャペルは、平日は市ヶ谷センターのコンサートホールとして利用されるため、私たちがチャペルを使えるのは基本的に日曜日の午前中のみという制約があります。しかしながらチャペルがコンサートホールでもあるからでしょうか、神様は市ヶ谷教会にたくさんの音楽のタラントを与えてくれました。荘厳なパイプオルガンに元気いっぱいの聖歌隊、華麗なフルート、バイオリンとチェロの弦楽器、最近新たにサックス奏者も与えられ、楽しみが増えました。年1回のユース礼拝は夏の定番となり、この日は青年が司式からメッセージまで礼拝をすべて担い、ギターとピアノ演奏でワーシップソングも歌ったりして主を賛美します。6月には中央線沿線地区の教会がここに集合し一日教会祭が開催され、地区のメイン行事となっています。

世界の教会の声

浅野直樹Sr.(世界宣教主事 市ヶ谷教会牧師)

ブラジル福音ルーテル教会200年祭

 ブラジル福音ルーテル教会(IECLB)は、今年宣教200年を迎えました。最初のルター派移民が到着したのはブラジル南部の町ノバ・フリブルゴとサン・レオポルド。その日5月3日と7月24日はそれぞれの記念日となっています。
 今年はこの日のためにサン・レオポルドで記念行事が計画されていましたが、歴史を刻むべくこの日の礼拝は、結局7月28日にオンラインで行われました。5月にリオグランデ・ド・スル州で豪雨と洪水が発生、多大な被害が出たため救援活動を優先することになったからです。
 「この記念祭はドイツ移民200年の歴史を覚えるというより、私たちの教会がこの国でそしてこの社会にあって自分たちの役割に目を向けるときなのです。私たちはブラジルの地でイエス・キリストの教会でありたいのです」(シルビア・ゲンツIECLB総会議長)。洪水被害という予期せぬ試練に、教会は断固とした決意で向き合うことになりました。
 洪水が起こる前の4月に記念行事の一環でミッション大会があり、全18教区から牧師も信徒も、若者も高齢者もサン・レオポルドに集合しました。そこで2030年までの教会ビジョン、目標、宣教方策などが話しあわれました。多岐にわたるテーマが議論され、「活発な議論からたくさんの希望をいただきました。」(IECLB総会議長)
 「多様性を受け入れる教会でありたいのです」。ゲンツ議長はIECLBに現存する日本人、トルコ人、韓国人、先住民の教会に触れつつ、「そうした方々に対してもっとウェルカムになって霊的な居場所を提供したいのです」と語りました。
 このことが当たり前ではなかったことが歴史を振り返ればわかります。1822年にポルトガルから独立、国の宗教は「カトリック教」としつつも、新憲法により非カトリック教徒の移民受け入れも可能になります。他宗教も認められたのですが、家庭以外で礼拝することは禁じられていました。ポルトガル植民地として建てられたカトリック国に1824年、ヨーロッパから最初の移民が到着します。そのなかに、新地で自分たちなりの信仰生活を望むドイツ人が多くいました。
 IECLB教会内には多様な神学が存在しています。「伝統を重んじる人、解放の神学を掲げ政治色の強い人、保守的で敬虔主義の人、ペンテコステ的なカリスマ派の人もいます。」それゆえゲンツ議長は「互いに話を聞く能力と意欲が必要」であり、教会の一致とその強化が最重要課題だと総括しました。

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改・宣教室から

小泉基宣教室長(日本福音ルーテル札幌教会牧師)
岡村順子さん(日本福音ルーテル函館教会信徒・ゴスペルサークルMSC指導者)

小泉 今回は、道南で最も活動的なゴスペルサークルを指導しておられる岡村順子さんにお話しを伺いました。岡村さんはゴスペルとキリスト教、どちらの出会いが先だったのですか?

岡村 はい、もともといろいろなジャンルの歌を歌っていたのですが、わたしを一番燃えさせてくれたのがゴスペルだったのです。20年近く前に夫とゴスペルサークルMSCを立ち上げ、練習場を探していたときに函館教会のソベリ先生と出会って招いていただき、その縁もあって夫とともに函館教会で洗礼を受けました。洗礼を受ける前に歌いながら感じていたモヤモヤが、洗礼を受けたことによって吹っ切れたように感じたのを覚えています。

小泉 MSCではどのような活動をしておられますか? またメンバーの中にも洗礼を受けられた方がおありですか?

岡村 毎週木曜の夜に礼拝堂で練習しています。礼拝で歌うことはあまりありませんが、教会やホールでコンサートを主催するほか、イベントに呼ばれたりして年間20回くらいはステージがあります。教会員は、初期メンバー3人だけという時代が長かったのですが、最近メンバーの受洗が続いたり、教会員さんがメンバーに加わってくださったりして、常時30人前後が活動しているサークルの中で、函館教会員が10名近くになりました。

小泉 岡村さんが、楽曲を指導する中で意識なさるのはどのようなことですか?

岡村 ゴスペルは英語の曲がほとんどですから、まず歌詞の意味をしっかり理解してほしいということです。歌唱にあたっての技術的なことはもちろんですが、どんな神様を、なぜ賛美するのかということを一緒に考えたいと思っています。そのために、練習の後に牧師に祈ってもらったり、聖書のメッセージを語ってもらうことも大切にしてきました。函館教会は、昨年から牧師が常駐しない教会になってしまったのですが、それでも練習の曜日を工夫したり、オンラインを用いたりしながら、これからも教会で賛美し、教会とともにあるゴスペルであることの喜びを、メンバーたちとわかちあっていきたいと思っています。

小泉 今日は熱い思いを、ありがとうございました。最後に、岡村さんが大切にしておられる聖句を教えていただけますか?

岡村 コリントの信徒への手紙一10章13節です。とてもつらい経験に向きあわされたことがありましたが、後になって、神様が道を備えていてくださったことを知りました。

「JELAアメリカ・ワークキャンプ」中高生17名がミシガン州でのキャンプに参加!

森一樹(公益財団法人JELA職員)

 公益財団法人JELAが主催する「JELAアメリカ・ワークキャンプ」が7月下旬に米国ミシガン州で開催されました。このキャンプはアメリカの宣教団体、Group Mission Tripsが、全米で展開している家屋修繕ボランティアキャンプに日本チームとして参加し、現地の中高生と寝食を共にし、ボランティアワークに汗を流し、毎日聖書の御言葉に触れ神様のことを学ぶワークキャンプです。今年は、全国各地の教会やミッションスクールに通う中高生17名が参加しました。行きの飛行機が欠航になるなど多くのトラブルに見舞われましたが、神様のお守りの下、誰一人欠けることなく開催することができました。ここからは参加者が作成した感想リポートを一部紹介します!全員のリポートはJELAのウェブページに掲載されていますので、二次元コードまたはインターネット検索からぜひご覧ください。

 プログラムに参加した友達は日本人も、アメリカ人も本当に優しくて、楽しい時間を過ごしました。最終日に僕が別れを惜しんで泣いているときは優しく抱きしめてくれ、ただ僕を喜ばせよう、幸せにしようという温かい心が感じられました。また家を無償で修繕するワークでは、住人の方が僕たちの設置したシャッターを見て、“I love it! I really love it!” と言ってくれました。この時、僕は誰かのためを思って働くとき、その人が幸せでいることが最高の報酬になるのだと感じました。(中学2年生)

 私はこのキャンプに参加するまで、神様の存在は少し遠くて、自分なんて神様の目には写っていないだろうと思っていました。しかし、飛行機が飛ばず、蒲田教会で2日間日本人メンバーだけのプログラムを行ったことも、現地でのワークの間、スマホの翻訳が使えなくてクルーとの会話は全部英語でしなくてはならなかったことも全て、今後も関わりを持っていきたいと思える仲間たちとの時間を与えるため、私自身で相手に考えを伝えようとする勇気を与えるために、神様が仕組まれて起きた出来事なんだと。神様は私の事をちゃんと見てくださっている。神様との関係を確認することができました。(高校1年生)

 キャンプでは、話しかけるのもワークをするのも自分1人でやった気でいましたが、思い返してみれば、不自由な英語でも話せたのは現地の子が私の話を注意深く聞いてくれたため、ワークでは私がやりたいワークを手助けしてくれたためであったのです。そこでようやく、相手を信じて身を任せることがどれ程自分の身を助けるのかを体感し、自分自身を「変えた」のではなく、周囲の人を通して神様に「変えられた」のだと理解できました。(高校3年生)

山内量平探訪記⑩「和佐恒也」

古屋四朗(日本福音ルーテル日吉教会信徒)

 この連載は私が実際に山内量平先生に関連する場所を歩いたことをもとにして書いているのですが、実は量平よりも先にキリスト者になり、後にルーテル教会で6人目の日本人牧師になった人が、田辺から30キロ南の周参見(すさみ)にいたことを後で知りました。佐賀、日田、直方などで伝道された和佐恒也先生です。
 和佐恒也は、嘉永5年(1852年)に生まれ、幼少時に寺に預けられて、24歳で周参見の萬福寺住職兼地方巡教師に任ぜられました。
 ある日、小学校の先生が寺に来て、「耶蘇教の聖書も読んではどうですか」と、木版刷りの聖書をくれました。どうやらこの先生も、他の人から押しつけられたのを持ち込んだようです。この聖書を読んでいくうちに、恒成はだんだん捉えられていきました。特に、マタイ伝6章でイエスが偽善者を厳しく批判されたところには汗をかきました。何度も読むうちに、仏教僧侶である自分への疑問と、聖書をもっと学びたいという気持ちが強まって来ました。
 そんなときに所用で田辺の旅館に泊まると、隣室で外国人が日本人たちに聖書の話をしているのが聞こえてきます。襖に耳を付けて聞いていた彼はついに我慢できず、襖を開けて入り込み「私にも教えてください!」と言いました。明治15年(1882年)12月、恒成はこうしてヘール宣教師に出会い、その後量平より2カ月早く受洗に至ったのでした。

東海教区 青年+外国メンバー・ワークキャンプ

徳弘浩隆(日本福音ルーテル復活教会・高蔵寺教会牧師)

 今年はワークキャンプ!仲間で交流して楽しむだけではなくて、各教会を巡り新しいメンバーに出会い繋がりながら、一緒に奉仕できたらという思いからです。新霊山教会に受け入れて頂きお世話になりました。礼拝後、敷地内の大きな竹の伐採を手伝い、数ヵ国メニューのランチ、外国メンバー主導のゲームと交流会などで、信仰と親交を深めました。能登ボランティア参加や急な発熱などでキャンセルもありましたが、スタッフと受け入れ側を含めて19人。外国メンバーは5人、青年は2人。ブラジル、インドネシア、ベトナムに、スリランカのメンバーも加わり広がっています。恒例カルチャーショック大会は、ベトナムメンバーが2度目の受賞。異文化でのビックリや失敗すら競い合って披露し、楽しく笑ってたくましく生きていくことを目指しています。最後は、伐採した直径15センチメートルの竹で作った大きな十字架を掲げてお祈りして終了。同国人同士のコミュニティーも大切ですが、日本の社会や教会に多国籍の人たちが普通にいることが理想だと、この輪が広がることを願っています。支援には英語は必要なく「やさしい日本語」です。試行錯誤中ですが、情報交換や協働をしましょう。一緒に支援してくれている教会員にもコメントをいただきました。

 私は神様のお導きでルーテル教会と出会い、聖研のほか外国メンバーとの交流がとても意義深く、また教会学校や教会バザーにあたたかいものを感じ「これだ!」と思い去年受洗しました。タイに数年滞在経験もあり日本の外国の方がひとごとではないという気持ちがあります。そのため機会があれば支援メンバーとして子どもと一緒に参加させて頂いています。国内外でさまざまな問題もありパレスチナの占領虐殺も続く中、多国籍メンバーと共に教会でワークキャンプができる恵みに感謝しています。わが子は夏の思い出(絵日記)に教会外国メンバーが楽しく一緒に遊んでくれたことを描きました。とても平和で安心なひと時でした。これからもクリスチャンとして隣人と共に歩んでいきます。

第24回ルーテルこどもキャンプ報告

池谷考史(日本福音ルーテル博多教会・福岡西教会・二日市教会牧師・こどもキャンプキャンプ長)

8月7日(水)~9日(金)、広島教会を会場に同キャンプが開催されました。テーマは「来んさいヒロシマPeaceじゃけん」、主題聖句は「平和を実現する人々は、幸いである」(マタイ福音書5章9節)でした。
 集まって開催するキャンプは5年ぶりでしたので、これまで小学5年生、6年生だった対象を中学生まで広げたところ、全国から15人のキャンパーが8月の広島に集いました。初めて顔を合わせる仲間も多かったので、最初は友達ができるか不安もあったようです。しかし、開会礼拝から始まり、楽しいゲーム、グループの名前を決めるグループタイムとプログラムを進めていくうちに、キャンパーたちは自然と知り合い、打ち解けていきました。
 2日目は広島市内のハイクに出かけ、広島平和記念資料館、原爆死没者慰霊碑、韓国人原爆犠牲者慰霊碑、原爆ドームなどを見学。子どもたちなりに原爆の恐ろしさと悲惨さ、それがその後も人々を苦しめることを知り、これまで教科書で学んだことはあったが、それだけで知ることができない現実を知ることができた、という感想を分かち合ってくれました。そして、原爆の子の像(キャンパーと同年代の12歳で、被爆による白血病で亡くなった佐々木禎子さんを記念した像)では、前夜に一人一人が平和を想いながら折った折り鶴をささげました。お昼に皆で食べたお好み焼きもとてもおいしかったです!こうしたこともキャンプの素晴らしい思い出となりました。
 また、今回はじめてのことでしたが、地元の子どもたちの劇団I PRAY(アイプレイ)の皆さんが、このキャンプのために教会でミュージカル(平和創作劇)を演じてくれました。内容は戦争の廃虚から立ち上がり、未来に向けて平和を願い、作っていく一人になるというものでしたが、平和を願って劇を懸命に演じる子どもたちの姿に、キャンパー、スタッフともに強く心を動かされました。あるキャンパーは、子どもも平和のためにできることがあると思ったと感想を書いてくれました。
 最終日、広島教会の屋上にのぼり、あの日から79年目の広島の街を一望しました。近代的な建物が立ち並ぶ様子を見た一人のキャンパーの、復興の大切さを知った、との感想に、心が熱くなる思いでした。
 最後になりましたが、このキャンプのために祈りや献金等、さまざまな形でお支えいただいた皆さまに心より感謝申し上げます。

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