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るうてる《福音版》2009年10月号

機関紙PDF

バイブルメッセージ  ちからなる神は

力を捨てよ、知れ /わたしは神。
日本聖書協会『聖書 新共同訳』詩編4編40節

「力なる神は、わが強きやぐら……」。10月31日によく歌われる賛美歌です。10月31日はルーテル教会の誕生日とも言える「宗教改革記念日」。この讃美歌は、宗教改革者マルティン・ルターが1529年に作詞・作曲したものといわれています。メンデルスゾーンの交響曲第五番、作品名「宗教改革」にも、この賛美歌が登場します。
「力なる神は、わが強きやぐら、悩み、苦しみを防ぎ守り給う」と続く歌詞は、ルターが旧約聖書の詩からインスピレーションを得て、詩人の心を辿るようにして解釈を加えて作ったものです。その詩(『詩編』46)は「神はわたしたちの避けどころ、わたしたちの砦」と歌い出します。
聖書の神様はわたしたちの「避けどころ」だと詩人は言うのです。苦しい時の神頼みでいいのです。ひとりがんばる、我を張る必要はないのです。「神様、助けてください」と叫び、そのふところに飛び込むのです。その時、神様は必ず助けてくださいます。
さらに、「神はわたしたちの砦」です。神様は要塞であり、お城であり、基地であり、補給所なのです。戦いにたとえられる人生ですが、のべつ幕なしに戦い続けることは誰にもできないでしょう。体勢を立て直し、整え、そして時に避難するところが必要です。神様は、その避けどころとなり、砦となって、わたしたちの人生を守り、支え、修復し、導いてくださるのです。
詩人はさらに、「苦難のとき、必ずそこにいまして助けてくださる。わたしたちは決して恐れない」と歌います。「決して恐れない」。これが聖書の信仰です。この世界とその歴史を支配しておられる神様が、わたしと共にいてくださるから、恐れないというのです。
「地が姿を変え / 山々が揺らいで海の中に移るとも / 海の水が騒ぎ、沸き返り / その高ぶるさまに山々が震えるとも」。地震でしょうか。台風、洪水でしょうか。それとも、戦争、暴動、侵略でしょうか。そのすべてかもしれません。これらのことは人生に避けがたく起こります。その中で、私たちは不安にかられ、怯え、恐れます。
しかし、詩人は続けてこう歌います。「大河とその流れは、神の都に喜びを与える」と。「大河の流れ」、それは変わることのない静けさを意味しています。激動、動揺のただ中にあっても、神様を信頼する者は、なおそこに留まり、恐れないのです。落ち着きと安心があるということです。
詩人は最後に「力を捨てよ、知れ / わたしは神」という神様の言葉を伝えます。力に憧れ、力を追い求め、力にしがみついてやまないわたしたちが、こう宣言するお方に出会うとき、大河とその流れが示す落ち着きと静けさ、安らぎを取り戻すことができるのです。
M.T

イエスの生涯 【その4】

弟子を招くイエス
マルコによる福音書 3章13~15節

【祈りの言葉】
主イエス様。
あなたのみ言葉は、私たちの命の光です。
あなたの一言で、私をお救いください。

ナマステ、サンチャイチャ
ネパールワーカー楢戸健次郎先生

Q. やっと卒業しても、仕事がないとのことでしたが、それはお給料が払えないから雇えないということでしょうか?
A.給料が払えないということだけではありません。仕事場がないのです。ある病院では経費の3割くらいが外国の援助なのです。キリスト教のいろいろな国の団体が支援してくれています。
その地域の人で全額医療費が払えるのは50%あるかないかです。一部しか払えない人、全く払えない人もいます。ということは2~3割の医療費が病院の持ち出しということになります。病院の持ち出しと言うことは赤字の会計になりますから、ぎりぎりしか職員を雇うことができません。とういことで、毎年卒業してくる人をすべて雇っていては経営が成り立ちません。どこの組織でもそうでしょうが、人件費が一番の支出になりますから、そこをなんとか抑えなければならないのです。ということで仕事場がないということになります。
Q. チョウジャリ病院の規模は大きい方ですか?
A.チョウジャリのあるルクム県には2つあります。
他の県は1つしかありません。「県立病院」と聞こえはいいのですが、実際はベッドは15くらいしかないのです。人口が5万とか10万とか20万とかですから、15床と聞いただけで、医療従事者であれば人口の数%しか利用できていないなと思うことでしょう。
県立は制度の上では1つの病院につき2人の医師が原則ですが、いないこともあります。派遣でいやいや来ていたりすると、カトマンズに行ったきり帰ってこないとか……。患者さんが行っても医者がいなかったり、閉まっていたりもします。
チョウジャリの病院はベッドが40床あります。ネパール人の医者が1人、私が行ってお手伝いするのが5ヶ月くらい、フランス人の外科医(70歳)が5ヶ月間、来て手伝っています。準医師が5人、准看護婦が6~7人。全部でスタッフは36人です。
カトマンズの大きな病院と比べれば小さいですが、地方の病院としては普通の規模だと思います。
(つづく)

毎日あくしゅ

10月は運動会のシーズンです。
私たちの園では、お家の方が座ってゆっくり見ていただけるように、小学校の校庭をお借りします。子どもたちは園庭でかけっこや踊りや鼓隊の練習を重ねました。さあ、本番の出来栄えはどうでしょうか。
年少さんのほとんどが初めての運動会です。どんなかけっこになるでしょうか。3人ずつスタートラインに立ちます。「位置について。ようい、ドン!」。練習通りのスタートです。3歳、4歳の年少さんが一生懸命に走ります。でも、競争という意識を持って走る子はあまりないようです。せっかく先頭を走っているのに、自分の前にだれもいないので後ろを振り向いて、お友だちが走ってくるのを待っています。そして仲良く一緒にゴールです。後ろを走っているお友だちがころんだり、靴が脱げたりしたとき、お友だちの所へ戻って助けにいく子もいます。トラックを囲むテントの中には大好きなおとうさんやおかあさん、家族のみんなが応援しています。その応援に応えようと子どもたちは客席に手をふりながら、トラックから大きくそれて大回りをしてゴールへ向かいます。年少さんは、お友だちより早く走ることよりもむしろ、みんな一緒で、楽しいことの方が大事なのでしょう。「かけっこ」と言えば、いかに早く走るかということを、大事にしがちでしたが、年少の子どもたちから「参加することをみんなで楽しむ」ことを学びました。
学年が上がるにつれて内容が複雑になります。毎年、年長さんの鼓隊やバルーンの演技に感動します。自分にまかされた楽器や踊りをしっかり覚えなければなりません。年長さんともなりますと、練習でうまくできないとき、自分にくやしくて涙が出てしまう子どももいます。先生やお友だちに励まされて、もう一度挑戦です。
今年の運動会はどんなドラマがあるでしょうか。子どもたちがみんなで最後までやりきって、すばらしい運動会になると思います。感動をたくさん見せてくれる子どもたちを、わたしは今年もたくさんほめたいと思います。
(園長)

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