【TNG-teens)】メルマガ773
(新約聖書/マタイによる福音書 27章46節)
新型コロナウイルスの感染が広がり、学校が休校になったり、自由に外出してやりたいことができなかったり、わたしたちはこれまでに経験したことが無いくらい、日常生活に制約を受けて暮らしています。自分や周りの人が感染症にかかったらどうしようという不安や、勉強や家族の経済的な不安がある人もいるかもしれません。今はまさに緊急事態で、これまでと大きく違うので、みなさん大きな不安の中にいると思います。
10代のみなさんはあまり記憶にないかもしれませんが、わたしは、9年前の東日本大震災の時にも、似た様な経験をしました。わたしは当時大学3年生で、就職活動中だったので、日本はこれからどうなってしまうんだろうととても不安で呆然としていました。
震災から2日後の日曜日、わたしはとにかく心細かったので、少しでも希望の福音を受け取りたいという思いで、久しぶりに礼拝へ行きました。
その頃わたしは、ルーテル教会ではなく、家のすぐ近くにある教会へ通っていたのですが、その教会の牧師は、ギターを弾いて青年と一緒に賛美するのが大好きな、とても優しい方でした。
でもその日、いつもは明るい先生がとても傷ついていらっしゃって、「主よ、どうしてわたしたちをこのような苦難に合わせるのですか。」と祈って泣き崩れたのです。わたしは先生のこの姿を見て、また大きなショックを受けました。牧師ですら希望を持てない今の状況で、わたしはこれから先、社会人として日本でどう生きていけば良いのだろうと。
でもある時ふと、教会へ行き始めたばかりの頃、先生がしてくださったメッセージを思い出しました。「畑はね、目の前だけ見てたらジグザグしてしまって上手く耕せないけど、遠くの目標を見据えて耕せば、自然と真っすぐに耕すことができる。君たちもいろいろ不安や悩みがあるだろうけど、目の前の心配事にだけ気を取られずに、もっと先の未来を見据えて、今を生きるように。必ず主が導いてくださるからね。」
今の日本は、震災の時と同じように厳しい危機の中にありますが、みなさんどうか今の不安や恐れに飲み込まれて思い悩まないでください。
家で過ごす時間がある今だからこそ、もっと先、みなさんが社会人になった時、どのように生きるのか、またその為に今どのような準備ができるのか、ゆっくりと考えることができるかもしれません。
この先生はその後東北へ移り住み、今でも被災地の復興を支援する仕事を続けていらっしゃいます。