全国ディアコニア

ディアコニアってなあに

仕える人になりなさい

日本福音ルーテル教会
全国ディアコニア・ネットワーク

しあわせに生きたい
私たちは今かけがえのない生命を与えられ、この人生を仕合せに生きたいと求めています。どうした人は仕合せに生きることができるのでしょうか。2本の棒が支え合って「人」となるように、人は「共に生きる」時、幸せを感じるのではないでしょうか。多様性に満ちた私たちが互いに理解し合い、「共に生きる」秘訣は何でしょうか。
「あなたがたも仕える人に
なりなさい」

「ディアコニア」は聖書の原語ギリシャ語で「仕える」を意味します。イエス様は私たちを愛し、十字架の死によってあがないだして下さるほどに徹底的に仕えてくださいました。そして「あなたがたも仕える人になりなさい」(マルコ10章43)」と私たちをディアコニアの道に招いておられます。
イエスの生き方こそ
ディアコニア

神様は、すべての人が本当に仕合せに生きることができるように、イエス様をこの世に送ってくださいました。イエス様はご自分の使命を果たされるのに「ディアコニア(仕える)」の道を選ばれ、次のように明言されました。
「私が来たのは仕えられるためではなく、仕えるため(ディアコニア)であり、多くの人のあがないとして自分の命を与えるためである。」
(マルコ10章45)
共に仕え合う
イエス様が十字架を通して私たちに仕えてくださった愛を心に留める時、私たちの心は感謝と喜びに満ちあふれてます。私たちはディアコニアの主イエス・キリストを見上げ、主にならい、共に仕え合う生・ディアコニアの生を生きようではありませんか。「仕え合う」生き方が「仕合せ」に通じることを日本語も表しています。

JELC ディアコニアのあゆみ

モード・パウラス

日本福音ルーテル教会で最初に組織的な社会事業を始めたのはアメリカ夫人宣教師パウラス姉妹です。
姉モード・パウラスは1918年に来日し、熊本・慈愛園で子供ホーム・婦人ホーム・老人ホームを創設しました。

妹エーネ・パウラスは、姉と共に慈愛園で働いた後、1930年から東京及び千葉のベタニヤホームで母子家庭や子どもたちのために働きました。

1953年ドイツからエリザベート・ストローム宣教師が来日し、1964年より釜ヶ崎で子どもたちや日雇い労働者、アルコール依存症の人たちと共に20年間働きました。

同じくドイツから1960年にヨハンナ・ヘンシェル宣教師が来日し、主に重症心身障害児とのキャンプ活動を通して、教会の中にディアコニアの心を教えてくださいました。

こうして、多くはアメリカ、ドイツその他、デンマーク、フィンランドなどの宣教師の働きによって各地にディアコニア」の種が蒔かれました。それらが少しずつ成長し、大きな施設であろうと組織にならない小さな草の根の活動であろうと、それぞれがキリストのからだの一部として大切な協会の奉仕の業を担っています。
そして、1993年のルーテル教会日本宣教百年記念大会を機に、「ルーテル全国ディアコニア・ネットワーク」が発足しました。全国ディアコニア・ネットワークは、ルーテル教会の関連の福祉施設、およびルーテル教会の牧師や教会員が深くかかわっているディアコニアの活動を、研修や機関誌を通して紹介し学びながら、ディアコニアの精神を広めることを目指しています。

私のディアコニアとの出会い | 潮谷 義子

私がディアコニアを知ったのは、1972年(昭和47年)のことでした。慈愛園パウラスホーム(特養)で奉仕されていた、デンマークのディアコン、ディアコニッセのマルムグレン御夫妻の働きでした。ご夫妻はここで5年以上も奉仕されました。仕えるということをしっかり学びました。イエス様がとるにたらない私たちに仕えたようにと、マルムグレン先生をとおして、ディアコニアのモデルを学びました。御夫妻の仕事の一端をお話しします。

第1は、慈愛園の子どもを養子にされたことです。御夫妻には3人の子どもがいましたのに、もう一人の養子でした。養子の両親は共に精神障害をもっていたため、慈愛園が育てていました。この病気のことを説明したとき、先生は「だから私達が育てます。」ときっぱりといわれました。信仰者の姿をはっきり感じました。

第2は、慈愛園と神水教会が連携し、地域社会奉仕として、家庭福祉相談所を昭和49年に創設しました。そのとき、「障害者の社会生活拡大」というビデオをつくりました。先生はカメラマン、私はナレーターをしたことを思い出します。また、神水教会にバリアフリーをめざしてスロープをつくりました。

ディアコニアの働きを拡大することも大切でした。先生が持っていたデンマークの障害児理解の本が、熊本市の小学生の副読本の基礎となりました。20年間、この副読本が配布されました。

最後に、先生が毎日続けられたことがありました。おとしよりの方々に「おむつ換えましょうか」とやさしくいっておられたことです。私はこのことを老人施設関係者に話しました。日本全国の老人か愛護の「おむつ随時交換」の旋風を巻き起こしたのもディアコニア活動でした。

マルムグレン先生をとおして、私はディアコニアの実践を深く学びました。これからも学んだことを生かしていく覚悟でいます。

潮谷義子

ディアコニア・ネットワーク会則(抜粋)

目的

  1. 日本福音ルーテル教会の標語でもある「福音に生き、社会に仕え、証しする教会」の内実化を目指し、キリストの体として、また、キリストの手足となって、世に仕え、証しするディアコニア精神の発展と成長を目指す。
  2. 神のみ国の到来を願いつつ、正義と公正とに満ちた社会の建設を目指し、社会的に恵まれない人々、弱者とされている人々との共生、および連帯を図っていく。
  3. 神の造られた世界の回復を目指し、環境問題、自然破壊の問題に取り組み、自然との共生を目指していく。
  4. かつて日本がおこなった戦争の結果を直視し、懺悔と反省に立って平和を願い、世界に仕え、ことにアジア諸国との共存、共生を図っていく。
  5. 上記の目的遂行のため、全体教会、教区、各個教会との連帯を図りつつ、日本福音ルーテル教会の中で、ディアコニア精神を広め、運動を盛り上げる。
  6. さらに、日本福音ルーテル教会内外で、社会と人々に仕えるディアコニアの働きを担う個人や施設、団体、および諸運動体間の連帯を図り、共に成長する。

運営
本会の運営は、以下の会費によってまかなわれる。年会費 個人および団体、一口2000円(何口でも可)

活動

  1. ディアコニア精神の発展と成長のための全国セミナーの開催
  2. 自然、環境問題についての全国セミナーの開催
  3. 海外ディアコニア機関との協力
  4. 海外ディアコニア・セミナーの開催
  5. ルーテル教会諸福祉活動、ならびに諸施設への理解の促進と活動の紹介
  6. 機関紙の発行
  7. 総会の開催(毎年)

事務局

〒263-0032
千葉市稲毛区稲毛台町23-7
日本福音ルーテル千葉教会内
全国ディアコニア・ネットワーク事務局
TEL 043-244-8008 FAX 043-244-8018
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