1. HOME
  2. お知らせ
  3. メルマガ842

NEWS

お知らせ

TNG

メルマガ842

《あなたはわたしの助け、わたしの逃れ場。》
(旧約聖書/詩編70編6節)

社会では、「逃げる」は否定的な意味にとらえられるか、あるいは選択肢にすらあがらないことが多いと思います。皆さんも逃げ道を与えられた経験は少ないのではないでしょうか。今の日本では、大人同士でも逃げることは悪いことだとされ、多くの大人や子どもが逃げ場のない状況で苦しんでいます。しかし逃げることは、生きるために大切です。

トルストイの『戦争と平和』という小説があります。この中で、勢いづいたフランスのナポレオンがロシア軍を追い、攻め続ける場面があります。そこでロシアの総大将クトーゾフは、一切抵抗をせず自国に向かって逃げ続ける作戦に出ます。この大将はみんなから馬鹿にされるのですが、気にせず逃げます。そのうち冬が来て、ナポレオン軍は雪に閉ざされ結局敗退します。

さて、イエス様の弟子たちも、イエス様が逮捕されたときに逃げます。それはイエス様への裏切りではありますが、はたしてイエス様は、逃げた弟子たちを責めたでしょうか。かつてペトロは、イエス様が死ぬ時には自分も一緒に死ぬと言いました。それは勇ましい発言でしたが、危機が迫ると彼は逃げました。イエス様を見捨てたことは彼の一生の負い目になりましたが、生き延びたことで新たな役目が神様から与えられ、それに従って彼は生きました。

私たちは、「責任」や「逃げちゃダメだ」という言葉に取り囲まれています。たしかに責任を果たさなければならない場面や、逃げずにとどまらねばならない場面もあるでしょう。しかし危機にさらされた時、「いかに逃げるか」を考えるのは大切だと思います。

最新記事