「あなたにとって、あこがれる友達ってどんな人？」って聞かれたら、どう答えるだろうか。
背が高いとか、思いやりがあるとか、いろいろ思い浮かぶかもしれない。
それでは「イエス様ってどんな人？」って聞かれたら、どういう言葉が思い浮かぶだろうか。
やさしくて、支えてくれて……それって、見た目ではなくて、“なかみ”についての言葉が多いんじゃないかな。

聖書は、イエス様の姿かたちよりも、何をして、何を話したのかを記している。
それは、イエス様がいろんな人々に関わっていく姿を通して、イエス様の“なかみ”を知ってもらいたくて書かれた書物だからなのだと思う。
トマスは目に見えるイエス様にこだわっていた。イエス様はそんな復活を信じきれないトマスの心を受け止めて、トマスが信じるためなら自分の傷に指を入れさせることすらためらわなかった。その言葉と振る舞いの中に、かつてのイエス様の“なかみ”を見たからこそ、トマスは信じることができたのだと思う。
それは、イエス様とトマスが、目には見えない“なかみ”でつながった瞬間だった。

まだまだ新型コロナウイルスは猛威を振るっていて、前みたいに誰かと会ったり、関わりあうことが難しい日が続いている。
でも、実際に会えない時だからこそ気付かされることがあるかもしれない。
家族や、友だちや、名前しか知らないクラスメイト……
私たちの隣にいるあの人の“なかみ”を、私たちはどれだけ知ろうとしていただろうか。
“なかみ”で、関わりあおうとしていただろうか。
目に見えないイエス様は、そんな私たちの背中を、そっと押してくれている気がする。

《見ないのに信じる人は、幸いである。》
(新約聖書／ヨハネによる福音書20章29節)